あ、柵の上に虫がいるよ!
甲虫の仲間みたいだけど…この虫はどんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、トラフコメツキ。
ひっくり返すとピョンと跳ね返る、「コメツキムシ」の仲間です。
トラフコメツキは、まだ大きな昆虫の少ない”初春の時期”から見られるという、とっても嬉しい虫なんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、トラフコメツキの特徴と魅力を紹介します。
トラフコメツキは虎のような姿のコメツキムシ?
トラフコメツキは「コウチュウ目コメツキムシ科」というグループに属する昆虫。
ひっくり返すとピョンと跳ね返って元に戻る「コメツキジャンプ」の必殺技の使い手です。
今回紹介するトラフコメツキですが、その名前の「トラフ=虎斑」と書き、”虎のような模様”から来ています。
その姿がこちら。
虎のような模様?のトラフコメツキ
ちょっとイメージしたような虎の姿とは違うかもしれません。
ちなみに他にも「トラフ」の名前を持つ昆虫はいて、例えば以下のようなものがいます。
トラフカミキリ
オオトラフハナムグリ
トラフツバメエダシャク
どれも「虎模様」と言われても違和感のない、かっこいい姿をしていますよね。
もう一度トラフコメツキを見てみましょう。
トラフコメツキ
茶色部分がもう少し鮮やかになれば、あるいは虎っぽくなるのかもしれませんね。
ところで、実はコメツキムシの仲間は似た姿のものが多く、識別が非常に難しい虫たちでもあります。
コメツキムシはこのような姿のものが多い
その中でトラフコメツキは、やはりその"虎模様"がトレードマークで識別しやすい種。
先ほどあげたような昆虫たちのような派手さはありませんが、トラフコメツキはコメツキムシの中ではかなりユニークで特徴的な種なのです。
実際僕も最初に名前を覚えたコメツキムシの名前は、トラフコメツキかサビキコリか、という感じでした。
そんな特徴的な姿のトラフコメツキ、ぜひ注目してみてください!
トラフコメツキは春一番に見られる
トラフコメツキは、出会える時期に関しても特徴的です。
それは、「春限定」で出会えること。
冬が開けた3月の初春〜5月頃だけに見ることができるのです。
春限定で出会えるトラフコメツキ
3月の初め頃というと、一部のチョウやハエアブたちがようやく活動し始める感じで、ほとんどの甲虫はまだ活動していない季節。
この時期に柵の上などを歩くトラフコメツキとの出会いは「今年も春がやってきたんだな」と、とっても嬉しいものがあるんです。
しかも都市部でも見られる(少なくとも東京では)昆虫であり、僕は人も多くパッと見かなり自然が少ない都市公園でも見つけたことがあります。
「夏でも虫が少なそうな場所でも、春から甲虫が見られるんだ!」と驚いた記憶があります。
トラフコメツキの食草の情報などは見つけられなかったのですが、都市部にもある植物や環境を利用してたくましく暮らしているのでしょう。
都会生活でも、このような小さな生き物も細々と暮らしています。
彼らとの出会いに気付くことで、毎日は季節をより楽しむことができるんですよ!
トラフコメツキと同じ分類に属する虫たち
トラフコメツキはコウチュウ目コメツキムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ
▼
[コメツキムシ科]
コメツキムシは甲虫の弱点を解決した昆虫!名前の由来にもなった
おわりに:トラフコメツキを観察してみよう!
トラフコメツキは、虎の模様を持つコメツキムシ。
春の訪れを教えてくれる、出会えるのがとっても嬉しい昆虫なので、春にはぜひお近くの公園などで探してみてください!
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