大きな青いトンボがいるよ!
この虫って、どんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、オオシオカラトンボ。
濃いめの青い体がかっこいい、"トンボ科最大級の昆虫"です。
オオシオカラトンボは全国に分布する種で、水辺を好むトンボ。
他のトンボと比べて飛翔し続けるようなことは少なく、その姿を観察させてもらいやすいというのも、嬉しい虫です!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、オオシオカラトンボの特徴と魅力を紹介します。
オオシオカラトンボの特徴と魅力
トンボ科最大級の大きさ
オオシオカラトンボは「トンボ目トンボ科」というグループに属する昆虫です。
オオシオカラトンボ はオスとメスで体の色が異なり、以下のようになっています。
・メス:黄色
オオシオカラトンボ オス
オオシオカラトンボ メス
オスもメスも、スマートなシルエットに濃いめの色味の体をしていて、かっこいいです!
また、トンボ科の中では最大級のサイズ。
僕が愛用している図鑑「日本の昆虫 1400」では、「49〜61mm」とあります。
赤トンボの中でメジャーな種にアキアカネがいます。
アキアカネ
こちらもオオシオカラトンボと同じくトンボ科の昆虫ですが、こちらは「32〜46mm」。
比較してみると、なんとアキアカネの1.5倍ほどの大きさがあるのですね。
このように、オオシオカラトンボは「ビッグサイズのトンボ」なのです。
それと、名前から察したかもしれませんが、トンボ科にはオオシオカラトンボ よりも少し小さい「シオカラトンボ」という名前の青いトンボがいます。
シオカラトンボ
この2種の姿には結構差があり、オオシオカラトンボの方がより色味が濃いし、体もがっしりしています。
名前はよく似ていますが、見間違えることは少ないかと思います。
ちなみに、両種の名前につく「シオカラ」は、”成虫のオスが「塩」のような白い粉をふくこと”に由来します。
森が近くにある水辺が好き
トンボの幼虫であるヤゴは水中で生活します。
そのため、トンボの成虫も水辺近くで見られることが多いです。
とはいえ、水辺から少し離れた場所で見られるものも割と多く、目で見える範囲では水が見られない場所でトンボを見ることもあります。
例えば、僕の自宅付近でコシアキトンボを見ることがありますが、自宅付近に水辺らしい水辺はなく、あるとしたら数百メートルは離れた公園くらいです。
コシアキトンボ
このようなトンボに対し、オオシオカラトンボは、水辺に張り付いて行動しているものが多い。
水辺から大きく離れた場所でオオシオカラトンボを見たことはほとんどありません。
それと、「周りに森があるような環境」を好む傾向があるように思います。
ちなみにオオシオカラトンボの分布は広く、南西諸島を含めた全国に分布します。
僕は以前、沖縄の西表島でもオオシオカラトンボを見たことがあります。
西表島で見たオオシオカラトンボ
※八重山諸島のオオシオカラトンボは本州のオオシオカラトンボの亜種となるようで、ヤエヤマオオシオカラトンボというようです。
西表島は島の大部分がジャングルのようになっていて、オオシオカラトンボを見た場所もやはり森の水辺の近くでした。
観察しやすい種
トンボの多くは縄張り意識が強く、飛翔しながら周辺をパトロールしていることが多いため、じっくり観察することが難しいことがよくあります。
ヤンマ類や先ほど紹介したコシアキトンボなどは、休まずにずっと飛び回っていて、なかなか止まってくれません。
一方、オオシオカラトンボは、比較的観察しやすいトンボです。
なぜなら、オオシオカラトンボのは「オスも止まっていることが多い」ため。
水辺で止まるオオシオカラトンボ
他のトンボではなかなかじっくり見られないそのかっこいい姿、ぜひ観察させてもらいましょう!
オオシオカラトンボと同じ分類に属する虫たち
オオシオカラトンボはトンボ目トンボ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[トンボ目]
トンボの種類と魅力|高い飛翔力を持つ昆虫ハンターたち
▼
[トンボ科]
おわりに:オオシオカラトンボを観察してみよう!
オオシオカラトンボは大きくてかっこいいトンボです。
トンボによって好む環境や習性には微妙に違いがあったりするので、それぞれの種を比較して観察してみるのも面白いですね。
オオシオカラトンボは幅広い範囲に分布するトンボなので、夏のシーズンにはぜひ、その姿と行動を観察してみてください!
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