あ、東京でこんな虫を見つけたよ！
この虫って、どんな虫？
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、トウキョウヒメハンミョウ。
トウキョウヒメハンミョウは小さいながらも、じっくり見ると姿の美しい虫です。
僕の中でハンミョウの仲間は「山や郊外のひらけた環境」で見ることの多い虫のイメージ。
ところがトウキョウヒメハンミョウは、関東周辺では身近な場所でもよく見られるという、嬉しい虫なのです！
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、トウキョウヒメハンミョウの特徴と魅力を紹介します。
トウキョウヒメハンミョウの特徴と魅力
小さいながらも美しい姿
トウキョウヒメハンミョウは、「ハンミョウ」という昆虫たちの仲間。
ハンミョウといえば、昆虫界トップクラスの美しさを持つナミハンミョウが代表的です。
鮮やかな美しさを誇るナミハンミョウ
それに対してトウキョウヒメハンミョウは、”小型で控えめな姿”のハンミョウ。
その大きさは9〜10mmと、ナミハンミョウの半分くらいの大きさです。
体の小さなトウキョウヒメハンミョウ
ナミハンミョウと比べると、とても控えめな姿をしていますよね。
しかしながらその姿をじっくり見てみると、脚などところどころに緑色に輝く部分があります。
僕自身、最初に出会った時は「ナミハンミョウと比べてずいぶん地味な姿だなあ」と思っていたのですが、その繊細な美しさに気付くと、なんだか急にオシャレな姿に見えてきたのです。
このように、大きくて派手な虫の方が注目されがちですが、小さな虫もじっくり観察することで味わい深い魅力が発見できることも多いのです！
肉食性で牙も健在
ハンミョウは英名で「Tiger Beetle」と呼ばれます。
虎の名のイメージ通り、ハンミョウの仲間は”肉食性”の昆虫。
トウキョウヒメハンミョウも例に漏れず、肉食性です。
また、ハンミョウの仲間は背を向けて少し前に飛んで移動する、という習性を持っています。（この習性から、「ミチシルベ」「ミチオシエ」という呼び名があったりします）
そのためハンミョウの仲間は背面を見る機会の方が多いのですが、彼らを前方から見るとイメージが変わります。
トウキョウヒメハンミョウの前を向いた姿が、こちら。
トウキョウヒメハンミョウの顔
ハンミョウは肉食性なだけあって、強そうな牙を持っています。
トウキョウヒメハンミョウも、小さな姿ながら強烈な牙を持っているのです。
このような"前面と背面の印象の違い"も、ハンミョウたちの見所の1つです。
東京の低地でよく見られるハンミョウ
トウキョウヒメハンミョウは、名前に「東京」と名のつく通り、東京の都市部でも見られるハンミョウです。
といっても、やはり森的な自然の多い環境で見られることが多いですが、「都市部の緑道」などでも出会ったことがあります。
東京の都市部でも見られるトウキョウヒメハンミョウ
ハンミョウの仲間は地面に巣穴を作り、そこで幼虫が育つ習性があります。
そのため砂地やひらけた場所の土の上で見ることが多く、僕の中では「郊外のひらけた環境」でよく見られる印象です。
それに対して、トウキョウヒメハンミョウは微妙に適応環境に違いがあるのか、あまりひらけていない林縁で見られたり、都市部でも見られたりします。
また、分布は全国的には局所的なようですが、僕が主に探索する関東周辺では、低地でも割と幅広い範囲で見られます。
このように、関東に住んでいる方にとっては、トウキョウヒメハンミョウは身近な場所で見られる、嬉しいハンミョウなのです。
トウキョウヒメハンミョウと同じ分類に属する虫たち
トウキョウヒメハンミョウはコウチュウ目オサムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[コウチュウ目]
甲虫目（コウチュウ目）の昆虫まとめ｜頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ
▼
[オサムシ科]
おわりに：トウキョウヒメハンミョウを観察してみよう！
トウキョウヒメハンミョウは、小さいながらも美しい姿を持つハンミョウです。
また、関東の低地では、最も出会いやすいハンミョウかと思います。
もしこのような地域に住んでいる方は、ぜひこの小さくて美しいトウキョウヒメハンミョウを探して観察してみてください！
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