あ、オシャレな姿の虫がいる!
蛾だと思ったけど、昼に飛んでるよ!
この虫って、どんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、ホタルガ。
はねは黒く、頭部は赤色と、まるで「蛍(ホタル)」のような配色の蛾(ガ)です。
ところで、ガというと夜に活動するイメージがありませんか?
しかし、ホタルガは昼に活動する、”昼行性のガ”でもあるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ホタルガの特徴と魅力を紹介します。
ホタルガの特徴と魅力
蛍(ホタル)のような美しい姿の蛾
ホタルガは「チョウ目マダラガ科」という分類グループに属する蛾の仲間です。
ホタルガの姿はというと、真っ黒なはねを持ち、頭部は赤色。
名前に「ホタル(蛍)」とつく通り、まるで蛍のような配色をしたガなのです。
ホタルのような配色のホタルガ
黒いシックなはねには白線が入り、シックで美しい姿です。
触角にはエメラルド色の光沢もあり、オシャレさに拍車をかけています。
僕は最初にホタルガを見た時、その高級感のある美しい姿に「なんて綺麗な蛾だ!」と心が高鳴ったものです。
またホタルガの大きさは30mm前後と、比較的大型で存在感もあります。
ちなみに、名前の由来となったホタルの姿はというと、以下のような姿をしています。
ヒメボタル
確かによく似た配色をしていますよね。
ちなみにホタルガは「初夏」と「秋」の年に2回発生し、初夏の発生ではホタルと同時期に見られたりします。
これらの季節の林では、ホタルだけでなくホタルガにも注目です!
蛾なのに昼行性
ガというと「夜行性」のイメージが強くないでしょうか?
しかし、ガとは実に多様な昆虫で、昼行性のものも結構います。
ホタルガも"昼行性のガ"の一種。
昼に林を歩いていると、ホタルガのゆっくりヒラヒラと舞う姿を見られます。
昼に飛ぶ姿を見ることができるホタルガ
夜行性のガの仲間は高速で直線的に飛ぶものも多いですが、僕の中の印象では昼行性のガは比較的ゆっくりと飛ぶものが多い。
ホタルガも比較的ゆっくりと飛翔するタイプであり、飛翔姿を観察しやすいのです。
昼行性のガの中でホタルガほど大きなものはあまりおらず、そのようなガの飛翔を昼に見られるのもまた希少なのです。
ホタルガの幼虫
幼虫の姿も美しい
ホタルガは幼虫の姿も美しいです。
ホタルガの幼虫
黄色・青・黒の配色は、美しくデザインされていますよね。
ホタルガの幼虫の配色は森の中ではよく目立ち、比較的見つけやすいイモムシです。
実は毒を持つ
ホタルガの幼虫はとっても美しいですが、むやみに触ってはいけません。
なぜなら幼虫は「毒」を持つからです。
毛虫というと毒針毛(どくしんもう)という毒のある毛に刺されるイメージですが、ホタルガの毛には毒はありません。
ホタルガの幼虫の場合は、刺激されると毒のある分泌液を出します。
その分泌液に触れると、かぶれたりする可能性があるのです。
ホタルガの幼虫は目立つ配色をしていますが、これは「警告色」だと言われています。
自らが危険だということを敵に知らせて、身を守っているのですね。
虫たちの身を守る術も、実に様々な方法があって面白いのです。
※ちなみに、ホタルガの成虫には毒はありません。
ホタルガと同じ分類に属する虫たち
ホタルガはチョウ目マダラガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[マダラガ科]
マダラガの種類と魅力|オシャレでシックなはねを持つ蛾たち
おわりに:ホタルガを観察してみよう!
ホタルガは、ガなのに昼行性であり、美しい姿を持つ昆虫です。
夜行性のガは昼はその姿を見ることは難しかったりするのですが、ホタルガは昼行性であるため、時期さえ合えば観察のしやすいガ。
ホタルガのシーズンには、ぜひその美しい姿を観察してみてください!
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