大きな声で「キョッ、キョッ、キョキョキョキョ!」って鳴いている鳥がいるよ!
この鳥ってどんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、ホトトギス。
一見ハトのような姿にも見えますが、カッコウ科に属する鳥です。
カッコウ科の鳥たちは「鳴き声」がとても個性的。
その中のホトトギスは「キョッ、キョッ、キョキョキョキョ!」と、とてもにぎやかな鳴き声を出す鳥です。
また、カッコウ科の鳥たちは「托卵」という、雛の育成を他の種の鳥に任せるという、面白い習性も持つ鳥たちなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ホトトギスの特徴と魅力を紹介します。
ホトトギスの特徴と魅力
猛禽のようなしま模様を持つ
ホトトギスは「カッコウ目カッコウ科」というグループに属する鳥です。
その姿は一見「ハト」のようにも見える鳥です。
ハトのようにも見えるホトトギス
ただ、体には目立った「しま模様」がたくさんあります。
このようなしま模様はタカ類によく見られるものであり、このような猛禽類に擬態をしていると言われています。
また、カッコウ科の鳥たち「ホトトギス」「ツツドリ」「カッコウ」は、互いに姿がよく似ていて、識別が難しい。
先ほど紹介したしま模様についても、それぞれの種が持っています。(太さや線ごとの間隔は、微妙に違います)
このように姿はとても似ているのですが、その「鳴き声」は種ごとに個性があります。
姿では識別が難しくても、声を聞けばすぐに識別できるのです。
ホトトギスの鳴き声「特許許可局」「テッペンカケタカ」
ホトトギスの鳴き声はとっても個性的です。
どのような感じかというと、
です。
鳴き声を人間の言葉に当てはめることを「聞きなし」と言います。
ホトトギスの鳴き声の聞きなしは、
「テッペンカケタカ」
など。
初めて聞いた時は、「そのようには聞こえないなあ」と思ったのですが、意識すると意外とそのフレーズが頭から離れなくなるものです笑
ちなみに、カッコウ科の鳥たちは樹上の葉などにうまく隠れ、なかなか姿を見ることはなかなかできません。
「声はすれども姿は見えず」状態になりがちです。
樹木の枝や葉に巧みに隠れるホトトギス
※止まっているところはなかなか見られないですが、飛翔中の姿が見られることはあります
しかしホトトギスは、先ほど紹介したように個性的な声でよく鳴き、声量も大きい。
そのため、鳴き声を知っていればホトトギスがいることに気付くことができるのです!
ホトトギスの托卵
カッコウ科の仲間には「托卵」という独特の習性があります。
托卵とは、「他の鳥の巣に自分の卵を産み付け、自分の代わりに子供を育ててもらう」行動のこと。
そう聞くとずるい行動に感じますが、托卵をするのにも様々な工夫や考慮が必要だったり、そもそも彼らには托卵をしなければならない生態的な理由があります。
そのあたりについて詳しくは、以下で紹介しています。
托卵をする相手は、種(&地域など)ごとにある程度決まっていて、ホトトギスの主な宿主は「ウグイス」です。
「ホー、ホケキョ!」のウグイス
ちなみに、ホトトギスは夏に日本に飛来する「夏鳥」。
夏鳥の多くは山で繁殖しますが、ホトトギスは「平地」でも見られます。
それはウグイスも平地で繁殖する個体がいて、ホトトギスはそのウグイスに托卵するためです。
このようにホトトギスを含むカッコウ科の鳥たちは、生態や生活スタイルが托卵の宿主の影響を受けるのです。
ちなみに、カッコウ科の鳥は営巣や縄張り作りをする必要がないため、托卵相手の繁殖活動が本格的になった頃に、一足遅れて渡ってきます。
夏鳥の多くは4月下旬頃から飛来しますが、ホトトギスの声が聞こえ始めるのは5月中旬以降であることが多いです。
ホトトギスは、ウグイスとの関係にも注目して観察してみると、また面白いかもしれません!
ホトトギスと同じ分類に属する鳥たち
ホトトギスはカッコウ目カッコウ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カッコウ目]
▼
[カッコウ科]
カッコウ科の野鳥の種類と特徴|個性的な鳴き声と托卵の習性を持つ鳥たち
おわりに:ホトトギスを観察してみよう!
ホトトギスは、鳴き声や生態など観察ポイントのたくさんある鳥です。
姿を見ることはなかなか難しいですが、鳴き声はよく聞けるので、まずは「鳴き声」に注目して観察してみてください!
野鳥撮影を体験できるゲームアプリも配信中!こちらもぜひ、遊んでみてください↓
■ 鳥マスター!
かわいい鳥たちが登場する、野鳥撮影が体験できるゲーム。
他の鳥の紹介、鳥ゲーム・アプリ、野鳥観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓