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あ、ハトだ!
ハトって身近な場所でよく見るけど、結構地味な鳥だよね。
ハトには、面白い特徴ってあるの?
こんな疑問にお答えします。
ハトというと、公園や神社など、「街中でもよく見られる鳥」です。
そのような街中でよく見られるハトは、冒頭の写真の「ドバト(カワラバト)」、もしくは「キジバト」という鳥であることが多いです。
あまりに身近すぎて普通に見られるので、自然観察をする前の僕は「ハトはありふれた鳥」という印象でした。
しかし、ドバトを含むハトの仲間は「高い飛翔力」や「ピジョンミルク」といった、強力な他の鳥には無い能力を持つ鳥たちです。
また、ハトの仲間には様々な種がいて、多様な外見を持ちます。
一般的にはあまり知られていないですが、ハトはとても面白い特徴を持つ鳥たちなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ハト科の種類と魅力を紹介します。
ハト科の鳥の魅力
ハト科は、ハト目という分類グループに含まれる唯一の科です。
僕が思う、ハト科の鳥の魅力は大きく2つ。
2. 年中繁殖できる能力を持つ【ピジョンミルク】
3. 高い飛翔力と帰巣本能
1. 実は多様な姿を持つ鳥たち
街中でよく見られると思われるハトが、ドバト(カワラバト)。
街中でよく見られるドバト
ドバトは家禽化されたカワラバトが野生化したものなので、人里でよく見られます。
また、キジバトも身近に見られやすいハト。
キジバトはドバトよりも野性味のあるハトで、身近な公園のほか、郊外や山などで見られます。
キジバト。ヤマバトとも呼ばれる
身近でよく見られるのはこの2種ですが、ハトには実に多様な種がいます。
例えば、緑色の鮮やかな姿を持つアオバト。
緑色のアオバト
黒くて大きな姿を持つ、カラスバト。
黒くて大きいカラスバト
ハトにこのような様々な種がいることはあまり知られていないと思います。
しかし、ハトには上記のような「多様な姿」を持つ仲間たちがいる鳥たちなのです!
2. 年中繁殖できる能力を持つ【ピジョンミルク】
ハトは、1年中、冬も夏も公園で変わらず姿を見ることができますよね。
その理由は、ハトは人間と同じように、「1年を通して繁殖できる能力」を持つため。
実はこれって、動物としては”ものすごく有利なこと”なのです。
他のほとんどの野鳥には「繁殖期」というものがあって、夏という1年の中でも特定の季節だけに子育てをします。
それには「えさ」が関係していて、雛(ひな)を短期間で大人に成長させるには「十分な動物性タンパク質」が必要です。
それらは主に昆虫などの小動物などから得ており、これらは冬には得られにくいため、夏の時期に集中して育てるのです。
なのでこの時期の鳥はなわばりを作り、えさ場を確保して、ライバルと競いながら生活する必要があります。
しかし、ハトは”ある能力”によって、その制限を取っ払うことができます。
その能力が、「ピジョンミルク」。
ハトはピジョンミルクという、たんぱく質や脂肪が多く含まれたえさを作り出すことができます。
ハトの「素嚢(そのう)」という場所で作られるので、日本語では「素嚢乳(そのうにゅう)」と言います。
ミルクというと、メスしか作れないもののように思いますが、ピジョンミルクはオス・メス両方が作り出すことができます。
人間も農業などでえさを生産・貯蔵することができるようになって、今のように繁栄してきました。
ハトのピジョンミルクは、同じように繁殖活動において大変有利な状況を作り出すことのできる、すごい能力なのです!
3. 高い飛翔力と帰巣本能
ハトというと、ずんぐりした姿で動きが鈍いような印象がありませんか?
しかし、そのイメージに反して、ハトは飛翔能力が高い鳥たちです。
ハトの飛翔を見ると、空中でスムーズに旋回をし、綺麗なフォームで滑らかに飛ぶことが分かります。
キジバトなどは飛翔速度も速く、驚くほど警戒して樹上から飛び立つときには、驚くほどの速さで遠くに行ってしまいます。
さらにハトには、これらの飛翔力に加えて「帰巣本能」も持つ鳥たちです。
この習性を持つことから、ドバトはかつて伝令用に「伝書鳩」として人々に利用されてきました。
なんと彼らは、1000kmも離れた場所からでも、もとの場所に帰ってくることができるようです。
このように、身近で当たり前のようにいるハトたちには、実はすごい能力をたくさん持つ鳥たちなのです!
ハト科の鳥の種類
ドバト(カワラバト)
街中で最も身近に見られると思われるハト。
伝書鳩などのために家禽化したカワラバトが「野生化」したものです。
八幡神を道案内したという逸話があり、八幡神の使いとされてきたため、神社で見られることも多いです。
キジバト
羽のキジのような斑紋が名前の由来。
公園など身近な場所でも見られますが、森や山など、自然度の高いところでも見られます。
「ヤマバト」とも呼ばれます。
アオバト
緑色の鮮やかな姿をしたハト。
夏〜秋頃に「海水を飲む」という行動を取り、鳴き声も「アーオー」と、姿だけでなく生態も興味深い鳥です。
カラスバト
黒くて大きな姿を持つハト。
その大きさは40cm。
ただ、あまり身近なハトではなく、「離島」で見られます。
キンバト
緑色の羽を持ち、頭部は青灰色をした、個性的で美しい姿のハト。
日本では南西諸島に分布します。
ハトたちをあらためて観察しよう!
ハトは、身近すぎて普段あまり注目することはないかもしれませんが、実はとっても面白い生態や能力を持つ鳥たちです。
公園や神社、駅のホームでも観察できる身近な鳥なので、次に見かけた時はぜひ、あらためてじっくりと観察をしてみてください!
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