あ、テントウムシ!
よく見るナナホシテントウとちがう気がするけど、なんていうテントウムシ?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、トホシテントウ。
名前の通り、「十個の星(=黒い斑点)」を持つテントウムシです。
知名度の高いテントウムシにナナホシテントウがいますが、ナナホシテントウとは姿だけでなく"習性"も大きくちがう昆虫なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、トホシテントウの特徴と魅力を紹介します。
トホシテントウの特徴と魅力
10個の星を持つテントウムシ
トホシテントウは「コウチュウ目テントウムシ科」という分類グループに属する昆虫。
ナナホシテントウやカメノコテントウと同じく、テントウムシの仲間です。
トホシテントウは名前に「トホシ = 十星」とつく通り、”10個の黒い斑紋”が特徴的です。
十個の黒い斑紋を持つトホシテントウ
1つ1つの斑紋は大きく、よく目立ちます。
知名度の高いナナホシテントウと姿を比較してみましょう。
ツヤツヤした姿のナナホシテントウ
ナナホシテントウは写真の通りツヤツヤして光沢が強いですが、トホシテントウは赤い部分の色が鈍めです。
また、よく見るとトホシテントウの体には毛が生えています。
さらに、胸部〜頭部のデザインも、ナナホシテントウとは結構違います。
このように、ナナホシテントウとはちょっと印象の異なる姿を持つテントウムシです。
草食性のテントウムシ
テントウムシというと、「アブラムシ」を食べるイメージがあります。
実はそのような習性は、ナナホシテントウやナミテントウなどのもの。
確かにそれらのテントウムシのように、テントウムシには肉食性のものも多いのですが、トホシテントウは「草食性」です。
カラスウリやアマチャヅルなどの植物の葉を食べるのです。
アマチャヅルにつくトホシテントウ
また、テントウムシは植物を育てる方からは「益虫」として扱われますが、それは食性が関係しています。
例えば、ナナホシテントウは植物を食害するアブラムシをえさとして食べるので、益虫とされます。
一方同じテントウムシの仲間でも、草食性のものは「害虫」扱いされることが多いのです。
ではトホシテントウはどうかというと、草食性であり、植物を育てる人からはやはり「害虫」とされる虫です。
ただ、主に食べる植物が農作物でないため、被害は少なめのようです。
このように、同じテントウムシでも、人からの扱いや印象が変わったりするのです。
幼虫の姿はトゲトゲ
トホシテントウは、幼虫の姿もすごいです。
その姿はというと、こちら。
トホシテントウの幼虫
トゲトゲの、実に荒々しく奇抜な姿です。
これが成虫になると、丸くてかわいらしい姿になるのだから、驚きです。
生き物のデザインは、実生活で役に立つ「機能美」であることが多い。
蛾のはね模様が「鳥の目」を模していたり、ハチのカラーリングをマネて毒を持っているように見せるものもいます。
トホシテントウの幼虫時代の荒々しい姿も、敵から身を守るために役立っているのではないかと思われます。
トホシテントウと同じ分類に属する虫たち
トホシテントウはコウチュウ目テントウムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ
▼
[テントウムシ科]
テントウムシ(天道虫)は幸運を呼ぶラッキーな虫?それとも怖い虫?
おわりに:トホシテントウを観察してみよう!
トホシテントウは、メジャーな他の種とはまた違った特徴や魅力のあるテントウムシです。
カラスウリなどの植物につくことから、身近な場所で出会える虫なので、見つけたらぜひじっくりと観察してみてください!
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