小さくてかわいいピンクの花が咲いてたよ!
この植物って、どんな植物?
こんな疑問に答えます。
写真の植物は、ママコノシリヌグイ。
ピンクの小さくてかわいい花をつける植物です。
ところで、「ママコノシリヌグイ」とは随分変わった名前ですよね?
これ、実はちょっと怖い名前であり、その由来にはママコノシリヌグイの”あるたくましい特徴”が関係しているのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、ママコノシリヌグイの特徴と魅力を紹介します。
ママコノシリヌグイの花と葉
ピンクの小さくてかわいい花
ママコノシリヌグイは「タデ科イヌタデ属」というグループに属する植物。
イヌタデ属は、小さなピンク色の花をまとめてつけるものが多いのですが、ママコノシリヌグイも同様にピンク色の小さな花をつけます。
ママコノシリヌグイの花
実に可憐でかわいらしいですよね。
僕の愛用している図鑑(花のおもしろフィールド図鑑)によると、花期は5〜10月と長めのようです。
僕が良く観察する関東の低地では、真夏(7〜8月)に花を見つけることが多いです。
三角形の葉
イヌタデ属の植物同士は、花が良く似ているものが多いです。
例えば、湿地などで良く見られるミゾソバの花はこんな感じ。
ミゾソバの花
このように、イヌタデ属の花は雰囲気が似ているものが多いのです。
そんな時に見分けのヒントになるのが「葉の形」。
ミゾソバの葉は付け根が耳状に張り出した形をしています。
ミゾソバの葉
一方、ママコノシリヌグイは三角形の葉が特徴的。
ママコノシリヌグイの葉
このように、イヌタデ属の仲間を見る時は"葉の形"にも目を向けてみてください!
ママコノシリヌグイの名前の由来
怖い名前の由来
さて、本題ですが「ママコノシリヌグイ」って随分変な名前ですよね?
これを漢字で書くと「継子の尻拭い」になります。
実はこれ、ちょっと怖い名前なのです。
この名前の由来には、ママコノシリヌグイが持つ"もう1つのユニークな特徴"が関係しています。
それは、茎にある「トゲ」。
その可愛らしい花に似合わず、その茎にはえげつないトゲがたくさんついているのです。
ママコノシリヌグイのトゲ
このトゲに引っかかると本当に痛いので、ママコノシリヌグイがある場所に行く時は長袖・長ズボン必須です。
もう想像できた方もいるかもしれません。
継子とは、「血の繋がりのない子、実子でない子」のこと。
つまり、
という意味なのです。
なんと恐ろしい名前なのでしょうか。
ママコノシリヌグイのトゲは腕や足に引っかかるだけでマジで痛いので、あれで尻を拭うなんてとんでもないことです。
実際本当に使ったのかはどうかは分かりませんが、”継母と継子の複雑な関係性”を表した名前なのです。
鋭いトゲがある理由
イヌタデ属の植物には、ママコノシリヌグイのように茎に鋭いトゲを持つものが他にもいます。
実はこのトゲは、周囲の動物を攻撃するためにあるわけではありません。
ちゃんと、生存戦略上の理由があるのです。
それは、ママコノシリヌグイが「つる性植物」であることが関係しています。
つる性植物は茎が弱く自立することができない代わりに、他の植物に巻きついて光の良く当たる場所に登っていきます。
鋭いトゲが活躍するのは、この「他の植物に巻きつく」時。
"トゲがあることによって、他の植物に絡まりやすくなる"のですね。
ママコノシリヌグイを観察する時は、この「トゲの使い方」にも注目です!
おわりに:ママコノシリヌグイを観察してみよう!
ママコノシリヌグイは、可愛らしい姿と生き抜くためのたくましい姿を併せ持つ、面白い植物です。
夏に湿地や野山の草むらで見られる植物なので、ぜひその面白い姿を観察してみてください!
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