カモの多くは「冬鳥」らしい。
冬鳥って、他にどんな鳥がいるの?
こんな疑問に答えます。
冬になると、ロシアなどの北国から多くの鳥たちが日本に飛来し、越冬をします。
このような鳥たちを「冬鳥」と言います。
季節限定で見られる鳥には、他にも「夏鳥」や「旅鳥」などがいますが、中でも冬鳥は"観察しやすい鳥たち"です。
冬鳥には身近な場所で出会える種も多く、冬は野鳥観察が楽しい季節なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、「冬鳥」の魅力と種類について解説します。
冬鳥とは
冬鳥とは、「長距離移動をして、”ある地点”に冬の時期にやってくる鳥たちのこと」です。
冬鳥たちは、ロシアなどの北国から日本に渡ってきます。
ちなみにあえて“ある地点”と言っているのは、
「関東の冬鳥と北海道の冬鳥は異なる」
というように、基準点によって冬鳥かどうかが違うためです。
例えば、ベニマシコという赤い羽の美しい鳥がいます。
ベニマシコ
ベニマシコは、関東では冬に見られる「冬鳥」ですが、北海道では夏に見られる「夏鳥」なのです。
冬鳥の魅力
僕が考える、冬鳥の魅力(というより、冬の野鳥観察の面白いポイント)は以下の2つ。
2. 低地でも多様な鳥に出会える
1. 観察がしやすい
鳥といえば僕らの身の回りに生息する身近な生き物ですが、実は「じっくりと観察するのは難しい生き物」でもあります。
例えば、今までスズメ以外の野鳥を、双眼鏡や望遠カメラなしで観察したことのある人は、あまりいないのではないでしょうか。
野鳥たちは、樹木の枝や葉に隠れて止まっていることが多く、道具なしで観察することは困難です。
またもし活動中の鳥を見つけられたとしても、空を飛ぶことができる鳥たちは、すぐに飛び立ってしまいます。
このように野鳥は基本的に観察は難しいのですが、”冬の季節は野鳥観察の難易度が少しだけ下がる”のです。
その理由は、大きく2つ。
2. 低い位置で行動することが多い
まず1つ目は、冬は夏と違って樹木の葉が落ち、「視界がひらけている」ということです。
夏の季節は、葉の裏にいる鳥を見つけるのは容易ではありません。
夏は主に耳を使って察知しますが、鳴いてくれないと見つけるのはほぼ不可能です。
しかし冬であれば、目を使って鳥を探すことができるのです。
葉が落ちた木の枝に集まったアトリの群れ
理由の2つ目としては、「低い位置で行動することが多い」こと。
冬は木の実が地面に落ち、それをついばむ鳥も多いため、樹木の上でなく地面にいる鳥を観察することが可能です。
地面で木の実を探すツグミ
僕自身、初めて野鳥観察に夢中になったのは冬だったのですが、それは「鳥たちを実際に観察する経験ができた」ことが大きかったと思います。
このように、冬は野鳥観察を始めるのにオススメの季節なのです!
2. 低地でも多様な鳥に出会える
冬鳥は、「夏鳥に比べて身近な場所で見られるものが多い」というのも魅力の1つです。
日本には夏にやってくる「夏鳥」も多くいますが、多くの夏鳥は山で生活をします。
夏鳥以外にも、海を渡りはしないけれども短距離移動をする「漂鳥」もいて、彼らも多くは夏は山で過ごします。
そのため、”夏の季節は低地で見られる野鳥が限られてしまう”のです。
一方、冬は低地で生活する鳥が多く、冬鳥も身近な場所でも多くの種が観察できます。
例えば代表的なものは、カモ類。
公園の池にいたカモ
カモは主に水上で生活するため天敵が近付きにくく、人通りの多い公園でもじっくり観察することができます。
他にも、ジョウビタキは、目立つ場所に止まってなわばりアピールをする習性があり、庭などでも良く見られます。
ジョウビタキ
このように、身近な場所で多様な冬鳥が見られるのも、冬の野鳥観察の良いところなのです!
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日本の冬鳥の種類
本州でよく見られる冬鳥たちを、何種か紹介します。
カモ類
※写真はマガモ
池・川・湖・湿地と、水辺がある場所で見られる、最も観察しやすい野鳥たちです。
カモにも様々な種類がいて、環境によって見られるものが違うのも楽しいです。
飛来したての頃に見られる「非繁殖羽」から、越冬中に鮮やかな「繁殖羽」への変化を観察するのもオススメです。
ガン類
※写真はマガン
ガンの飛来地は限られますが、東北地方には多数飛来します。
ねぐらからガンの大群が移動する場面を観察する「ねぐら入り」「ねぐら立ち」はガンならではの圧巻の光景です。
ツル類
※写真はマナヅル
大型でスマートな姿が美しい鳥たち。
かつては全国に飛来したようですが、現在は一部地域のみに飛来する、希少な鳥たちになっています。
ジョウビタキ
暖かみのあるオレンジ色の姿をした、美しいヒタキ。
目立つ場所でなわばりアピールをするため、観察しやすい冬鳥の一種です。
ツグミ
オレンジ色の美しい羽を持つ鳥。
地面でえさを探す行動を良くするので、観察しやすい。
「だるまさんが転んだ」のような振り返り行動もかわいらしいです。
ベニマシコ
赤い羽が美しい鳥。
マシコ(猿子)という名前も、猿のような赤い顔をしていることが由来です。
〇〇マシコと名のつく鳥の中では、最も出会いやすい鳥です。
レンジャク
※写真はヒレンジャク
頭部の長い冠羽とくまどり模様がユニークな鳥。
年によって飛来数が変わるという特徴を持ち、バードウォッチャーに人気の鳥です。
おわりに:冬鳥を観察してみよう!
冬は動植物がお休みする季節ですが、野鳥に関して言えばむしろ観察しやすい季節です。
海外からはるばる日本にやってきてくれる彼らを、優しく見守りつつ、じっくりと観察してみてください!
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