「留鳥」って言葉を聞いたけど、どういう鳥のこと?。
留鳥にはどんな鳥がいるの?
こんな疑問に答えます。
留鳥とは、一言でいうと「渡りをしない鳥」のことです。
渡りをする鳥は、「夏鳥」「冬鳥」「旅鳥」などに分けられていて、見られる季節が限定されます。
しかし留鳥は渡りをしないので、季節に関わらず観察することができる身近な鳥たちなのです。
また移動をしない分、地域ごとに独自の進化をとげることがあり、同じ種だとしても地域によって異なる特徴を持っていることがある、というのも魅力の鳥たちです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、「冬鳥」の魅力と種類について解説します。
留鳥とは
留鳥とは、「1年を通して同じ地域で生活する鳥たちのこと」です。
一方で、季節に応じて、移動をする鳥たちのことを「渡り鳥」と言います。
そのため留鳥では、夏鳥や冬鳥といった渡り鳥に比べて、身近で知名度の高い鳥たちが多く含まれます。
例えば、スズメといえば知名度の高い身近な野鳥ですが、こちらも留鳥です。
スズメ
また、離島など閉ざされた空間にいる留鳥は、その場所ならではの進化を遂げるものがいて、「固有種」だったり、「本州とは異なる亜種」に分化しているのも特徴的です。
留鳥の魅力
僕が考える、留鳥の魅力は以下の2つ。
2. 地域に応じた進化を遂げているものがいる
1. 季節に関わらず観察ができる
鳥というと、人の生活圏に暮らす身近な動物の仲間です。
しかし鳥によっては、生態をよく調べて探さないと観察が難しいものもいます。
例えば、コマドリ。
コマドリ
コマドリは夏鳥であるため、夏にしか観察のチャンスがなく、しかも日本にいる間は基本的に山で過ごします。
そのため、コマドリを観察するには基本的には夏に山に行く必要があるのです。
一方で低地で生活する留鳥の場合、年間を通して低地で観察することができます。
例えばシジュウカラは都市部でもよく見られる留鳥で、春夏秋冬身近な場所で暮らしています。
シジュウカラ
1年を通して身近にいるということは、春のパートナー探し、夏の子育て、冬越しまで、様々な行動や生態が観察しやすいということ。
このように、留鳥は身近な場所で野鳥観察をするのにピッタリな鳥たちなのです!
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2. 地域に応じた進化を遂げているものがいる
留鳥には、”地域に応じた独自の進化”を遂げているものも多いです。
留鳥は海を超えるような長距離移動をしないので、周りを海に囲まれて他の地域から隔離された島や諸島のような場所では、その地域固有の姿や特徴を持つことがあるのです。
例えば、ルリカケスは奄美の固有種。
ルリカケス
奄美大島とその属島の一部にしか生息していない鳥です。
ルリカケスはカラス科のグループに属する鳥ですが、身近に見られる黒いカラスとは対照的な鮮やかな姿で、目を引きます。
また、メジロは地域ごとに亜種として分化しています。
メジロ
ちなみに「亜種」とは、種としては同じだけど、姿や特徴に大きな違いが見られるものです。
奄美群島・琉球諸島には、リュウキュウメジロという亜種が生息しています。
リュウキュウメジロ
本州のメジロと比べて、リュウキュウメジロは脇が白いです。
伊豆諸島には、シチトウメジロという亜種がいます。
シチトウメジロ
本州のメジロと比べて、体が大きく、くちばしが長いです。
僕はシチトウメジロには三宅島で出会いましたが、個体数も多いせいか、本州のメジロより幅を利かせている印象でした。
ちなみに国内だけでなく海外にもメジロの亜種はいて、台湾にはヒメメジロという亜種がいます。
台湾のメジロ
お腹は灰色でぶどう色がなく、頭部の黄色味の範囲が広いように思います。
離島や海外では、このような"ご当地の種や亜種に出会える"というのも、留鳥の魅力なのです!
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日本の留鳥の種類
本州でよく見られる留鳥たちを、何種か紹介します。
コゲラ
日本最小のキツツキ。
キツツキ類というと森の中に生息しているイメージがありますが、コゲラはちょっとした公園でも見られることがあります。
キジ
春になると目立つ場所に出てきて鳴き出すので、存在感が強くなる鳥。
とても美しい姿を持つ、日本の国鳥です。
おわりに:留鳥を観察してみよう!
留鳥の鳥たちには、身近な場所に住む鳥たちがたくさんいます。
そのため野鳥観察をするのにピッタリ!
あなたの住む町の近くでも多くの留鳥が見られるはずなので、ぜひ探して観察してみてください!
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