冬って全然虫を見ない…
やっぱり冬は虫は見られない季節なのかなあ?
こんな疑問に答えます。
冬といえば、多くの虫が活動を休止する季節です。
公園などを歩いてみても、他の季節と比べると虫を見かけることはあまりないですよね。
しかしながら、冬に活動をしている虫も実は結構います。
確かに数は少ないけれども、冬でも虫たちの出会いを楽しむことはできるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、「冬に活動する虫たち」について紹介します。
冬に虫たちは見られるのか
冬は多くの虫たちが活動を休止する季節です。
土の中や樹皮裏で休眠をしていたり、卵やさなぎの姿でじっと動かずに越冬をしたりします。
しかしながら、中には冬にも外で活動をしている虫たちもいます。
代表的なのは「フユシャク」という蛾たちで、むしろライバルの少ない冬を狙って活動するものもいるのです。
冬に活動するフユシャクたち
ちなみに、冬とは気象庁の定義では「12月〜2月」と、3ヶ月ほどの期間があります。
12月も2月も季節としては冬ですが、初冬と晩冬では見られる虫たちも変化します。
例えば先ほどのフユシャクも1週ずらすと見られる種が変化したりと、冬も他の季節と同じく季節変化を感じられるんですよね。
また、冬に活動する虫は小型のものが多いです。
表面積が大きいと体温の放熱量が増えてしまうため、体が大きいものはこの季節に活動するのは不利だからかもしれませんね。
そういった冬に見られる虫の共通点を考えたり、夏とは違う行動を観察するのも、冬の観察の面白いところです!
冬に見られる虫たち
フユシャク
冬に活動する虫として代表的な蛾たちです。
フユシャクというのは総称で、「晩秋〜早春にかけて活動するシャクガ科の仲間たち」を指します。
メスははねが退化して飛べない・成虫になるとえさを食べないなどと、冬の活動に特化したことによる、ユニークな特徴を多く持つ蛾たちです。
トビムシ類
トビムシ類は「無翅昆虫」と呼ばれるグループに含まれる、はねを持たない原始的な昆虫たちの仲間です。
サイズは小さいものが多く、写真のマルトビムシの仲間など2mm程度しかありません。
ルーペのようなものがないとよく姿が見えないほどの小ささですが、複雑で繊細な模様を持っています。
チャタテムシ類
チャタテムシとは変わった名前ですが、この名前の由来は「屋内性のチャタテムシが茶せんでお茶を立てるような音を出すこと」のようです。
はねを持つものと持たないものがいて、はねを持つものはアブラムシのような姿をしているものが多く、はねを持たないものはシロアリっぽい姿をしています。
やはり体は小さく、数ミリ程度です。
チャタテムシには色々な種がおり、夏に活動するものの方が主流かもしれませんが、冬の時期によく目にするものも結構いるのです。
カメムシ類
カメムシの仲間には冬にも活動しているものがいて、暖かい日などは冬にも出会う機会があります。
例えば以下は成虫越冬するタイプのカメムシです。
上からミナミトゲヘリカメムシ、ツヤアオカメムシ
これらのカメムシは他の季節にも活動しているのですが、僕はむしろ冬に出会うことの方が多いです。
冬の季節は小型の虫が多いので、大型の虫がいると目立つから、というのもあるかもしれません。
また、幼虫越冬するカメムシもいて、以下のヒゲナガサシガメも擬木柵などで見かけることが多いです。
ヒゲナガサシガメの幼虫
ヒゲナガサシガメはカラフルな姿を持つので、じっとしていても目立ちます。
また、ヨコヅナサシガメも樹洞などで集団越冬する習性を持つので、冬でも見付けやすい虫です。
ヨコヅナサシガメの集団越冬
クモ類
昆虫だけでなく、クモ類も冬に活動するものがいます。
手すりの上などで注意して見ていると、冬にも意外と多くの種類のクモたちに出会えます。
冬に出会ったクモたち
クモも昆虫たち同様に、比較的体の小さなものが多く見られる印象です。
おわりに:冬の虫たちを観察してみよう!
紹介してきた通り、冬にも意外と活動している虫たちはいて、しかも出会える種は季節の進みで変化します。
今まで見過ごしていた場所に、意外と色々な虫が活動していたりするので、ぜひ意識して探してみてください!
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