黄色いボンボンのような花が咲いてる!
この植物って、どんな植物?
こんな疑問に答えます。
写真の植物は、ミツマタ。
ミツマタの花は、たくさんの花が集まって1つの花に見える「頭花」というタイプです。
黄色いボンボンのような姿は、とってもかわいらしいですよね。
また、このミツマタは和紙や紙幣の原料になったり、古くから日本人の生活にも利用されてきた植物なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、ミツマタの特徴と魅力を紹介します。
ミツマタのかわいらしい黄色い花
ミツマタは、黄色いボンボンのようなかわいらしい花をつける植物です。
黄色いボンボンのような姿のミツマタの花
この球形の花をよく見ると、筒状の花がたくさん集まって1つの花のようになっているのが分かります。
これはタンポポやヒマワリなどの花と同じ構成で、このような花は「頭花(とうか)」と呼ばれます。
またミツマタは、梅のように"葉を出す前に花を咲かせるタイプ"。
花が咲く時期は、黄色い花が空中に浮かんでいるようにも見え、まるで花火のようでとても華やかです。
※以前紹介した西方寺ミツマタ群生地のように「群生地」というものがあって、たくさんの黄色い花が咲き乱れる景色も素晴らしいです。
西方寺ミツマタ群生地
ミツマタの冬芽
ちなみに、樹木や多年草が越冬するためにつける休眠状態の芽を「冬芽」と言います。
冬芽には「花になる芽=花芽」と「葉になる芽=葉芽」が分かれるものがあり、ミツマタは分かれるタイプです。
ミツマタはこの冬芽の姿も特徴的で、花芽はまるで「ハチの巣」のような姿をしています。
ミツマタの冬芽
この冬芽の姿、とてもユニークですよね。
ミツマタの開花時期は3〜4月頃で、早春の季節を彩ってくれる植物です。
しかし少し時期をずらして、越冬中の冬芽の姿を観察するのも、また面白いのです。
ミツマタの名前の由来
ところで「ミツマタ」って、ちょっと変わった名前ですよね。
この名前の由来は何かというと、「枝が3つに分かれること」から。
枝が3つに分かれるミツマタ
この名前の由来を聞いて実際の枝を確認して見ると、確かにどの枝も3つに分かれていて「なるほど!」となりました。
僕は歩いて見られる動植物すべてに興味があるので、色々な名前の由来を調べてきたのですが、植物は特に命名のバリエーションが豊かに感じます。
花の姿が由来のもの、においが由来のもの、ミツマタのように茎の特徴が由来のもの、などなど。
気になる名前の植物があったら、ぜひその由来を調べてみてください。
「なるほど、命名した人はそこが気になったのか!」と、その視点の面白さや共感をするのもまた面白いのです!
ミツマタの利用
日本では、ミツマタは鑑賞用としてだけでなく、実用的に人の生活に利用されてきた植物でもあります。
何に利用されてきたかというと、「和紙や紙幣の原料」として。
ミツマタの樹皮は繊維質が強いため、紙としての利用に適しているのですね。
ただ、生産地の過疎化などによりミツマタの生産量が激減しているようで、現在では紙幣の原料の9割が中国やネパールからの輸入によるものだそうです。
おわりに:ミツマタを観察してみよう!
ミツマタは、そのかわいらしい花で春の季節を彩ってくれる植物です。
ただ、花だけでなく茎や樹皮にもたくさんの面白い特徴があります。
もしミツマタを見つけたら、ぜひ花以外の特徴にも注目して観察してみてください!
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