あ、アリだ!
アリにはどんな種類がいるの?
こんな疑問にお答えします。
一般的には「アリ」とひとくくりにされてしまうことが多いですが、実はアリには多様な種類の仲間がいます。
また、アリというと小さくて弱い生き物というイメージがありませんか?
しかしながら、実はアリは昆虫界では”強者”という位置付けの存在なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、アリの魅力と種類を紹介します。
アリとは
アリは「ハチ目アリ科」というグループに属する昆虫です。
昆虫のからだは頭部・胸部・腹部という大きく3つの部分から構成されますが、アリは胸部と腹部の間に「腹柄節(ふくへいせつ)」という独自の器官があるのが特徴的です。
アリの胸部と腹部の間には腹柄節がある
この腹柄節は、他のハチ類との区別点となり、またアリの仲間の識別においてもよく活躍する器官になります。
アリには多様な種がいる
アリは最も身近な昆虫であり、よく「アリ」と一括りにされてしまうことが多いですが、実はとてもいろいろな種がいます。
ただ、その多くは1cmにも満たない小さなものです。
そのため、よーく見ないと違いに気付けないのですが、出会ったアリたちを調べてみると様々な姿を持っているのです。
例えば、以下はトゲアリという種。
トゲアリ
胸部は赤く、腹柄節には名前の由来となっている"トゲ"があります。
この姿を見て怖いという感想を持つ方もいますが、僕はとってもかっこいいアリだと思います。
トゲアリはその生態にも個性があって、”他の種のアリを乗っ取って寄生する”という習性もあります。
このように、身近な場所でもいろいろなアリが暮らしています。
日本ではなんと約300種のアリが確認されており、非常に多様な虫たちなのです!
アリは昆虫界では強者である
アリというと、一般的には「弱者」として扱われることが多いです。
しかしながらその実態は、イメージとは大きく異なり、昆虫界ではむしろ「強者」側に存在する虫です。
人から見て「強者」のイメージのある虫といえば、ハチがいますよね。
しかし実は、アリはハチにとって厄介な存在であり、ハチの天敵とも言えます。
例えば、アシナガバチの巣は木の枝にぶらさがるようについているものがありますが、枝と巣との接続は、非常に細く繋がれています。
この部分はアリの侵入経路となるため、ここにアリが嫌がる物質を塗りつけることで、アリが巣に侵入を防ぐ対策をしているのです。
アシナガバチの巣
このことから、ハチがアリを強く警戒していることがわかりますよね。
また、アリが昆虫界で強者である証拠に、”アリに擬態する虫が多い”ことも挙げられます。
例えば、アリグモはハエトリグモの仲間ですが、アリに非常によく似た姿をしています。
アリグモ
姿も面白いくらいにアリに似せていますが、それだけでなく前脚をアリの触角のように動かすなのど、動きまで忠実に再現する動きをします。
他にも、アリバチ、アリモドキ、アリガタハネカクシなど、アリの姿に似せた虫たちがたくさんいます。
これは「虎の威を借る狐」作戦であり、自身を強者の姿に似せることで、天敵から襲われにくくしているのです。
アリグモはハエトリグモの仲間ですが、ハエトリグモは肉食性の虫であり、強者側のはずなのですが、そんな彼らもアリに姿を寄せているものがいるのが面白いですよね。
このように、アリを強者だという視点で他の虫たちを観察してみると、今までとはまた違った発見があるかもしれません。
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アリの種類
クロオオアリ
大型で存在感があるアリです。
アリに詳しくない方にとっても、最も身近なアリの一種だと思われます。
ムネアカオオアリ
名前の通り、胸部が赤いのが特徴的なアリです。
森など、自然度の高い環境でよく見られます。
シリアゲアリの仲間
敵に会うと、腹部をあげて「蟻酸」という毒を吹きかけるのが名前の由来。
全体のバランスとして腹部が大きいので、かわいらしい体型に見えます。
アミメアリ
大きさ2〜3mmの、小さな姿のアリ。
頭部と胸部に網目状の隆起があることが名前の由来です。
アリをもっと知る
この記事で紹介したアリは、日本で見られるアリのほんの一部です。
アリの種類についてもっと知りたいなら、「アリ ハンドブック」がオススメです。
この本はコンパクトに分かりやすく、たくさんの身近なアリの特徴を知ることができます。
また、各種の識別点についても細かく解説してくれているので、アリの種の特定の心強い味方にもなる一冊です!
おわりに:アリを観察してみよう!
アリは身近ながら、実は多様でとても面白い昆虫たちです。
家の近くの公園などでも複数種のアリに出会えるはずなので、ぜひ観察してその多様さを確認してみてください!
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