あ、桜に虫がいるよ!
桜では色々な虫を見る気がするけど、他にはどんな虫がいるのかな?
こんな疑問にお答えします。
街中でもよく見かけることのできる樹木、「桜」。
桜は実にたくさんの虫たちが集まる樹木であり、花が美しいだけでなく、昆虫観察の観点でも、とても魅力的な樹木です。
Webで「桜につく虫」と調べると害虫情報ばかりが出てきますが、本記事では生き物観察視点で、桜と桜につく虫たちの面白さを紹介します!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、「桜につく虫」について紹介します。
桜は虫たちからも人気の樹木
桜は、春に明るく華やかな花を咲かせることから、多くの人を魅了する樹木です。
毎年桜の花が咲く季節は、多くの人が花見を楽しみますよね。
桜の花
さて、この桜は、人だけでなく虫たちからも非常に人気であり、多様な虫たちが集まる樹木でもあります。
特に春の季節は葉に「多様なイモムシたち」が集まり、人の花見にも負けないくらいにぎやかな状況になります。
桜につくシロヘリキリガの幼虫
この虫たちは見方を変えると桜にとっての「害虫」となるわけですが、虫に興味を持っていれば、桜で様々な昆虫との出会いながら過ごす時間は、非常に楽しい時間なのです。
また、桜は観察において、さらに嬉しいポイントがあります。
それは、桜は人里近くにまとまって植えられていることが多いため、「非常に観察がしやすい」こと。
桜は花の美しさだけでなく、昆虫観察の観点でも、とても魅力的な樹木なのです!
桜につく虫たち
イモムシ・ケムシ
■ フユシャクの仲間
桜には多様なイモムシたちが集まりますが、「フユシャク」の仲間は面白い習性を持つ蛾たちです。
チャバネフユエダシャクの幼虫
フユシャクは、成虫が"冬に活動する"という珍しい習性を持つ蛾です。
それに成虫は”メスのはねが退化している”という、ユニークな特徴も持っています。
チャバネフユエダシャクのメス
フユシャクの仲間には様々な種がいるのですが、桜につくものが多く、樹上で色々なフユシャクが見られます。
フユシャクの親は冬に産卵し、その卵から孵った幼虫たちが、春に桜で見られるようになるのですね。
1年を通して昆虫観察をしていると、「冬に観察した蛾たちの子どもたちが、無事生まれてきたんだなあ」という嬉しさも感じられるのです。
■ マイマイガ
代表的な毛虫である、マイマイガ。
マイマイガは様々な樹木につく虫ですが、桜でも見られます。
マイマイガの幼虫
マイマイガはいかにも毒がありそうな見た目をしていますが、実は基本的には毒は持ちません。
『1齢幼虫』という、孵化して初期の幼虫には毒があると言われていますが、1齢幼虫というのは非常に小さな時期のものであり、マイマイガと認識できるサイズになったものは、もう毒を持たないのです。
マイマイガの幼虫には顔に大きな「ハの字」があるのも特徴的なので、もし見つけたらその顔に注目してみてください。
■ オオミズアオ
大型イモムシ、オオミズアオも桜で見られることがあります。
オオミズアオの幼虫
オオミズアオの成虫は透き通った水色のはねを持ち、「最も美しい蛾」と言われることもある蛾です。
オオミズアオの成虫
また、オオミズアオは「ヤママユガ科」というグループに属する蛾で、このグループには非常に大型の蛾たちが属します。
オオミズアオの成虫も80〜120mmという巨大さ。
オオミズアオは、その巨大かつ美しい姿により、神聖な印象を受ける蛾です。
■ その他のイモムシ・ケムシ
ここで紹介しているのはほんの一部ですが、そのほかにも以下のような様々なイモムシたちが見られます。
ニトベエダシャクの幼虫
シロヘリキリガの幼虫
モンクロシャチホコの幼虫
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セモンジンガサハムシ
セモンジンガサハムシは「コウチュウ目ハムシ科」というグループに属する昆虫で、カメノコハムシと呼ばれるハムシの仲間です。
カメノコハムシの仲間は、半透明の円盤型の姿をしているものが多く、ユニークな姿をしています。
その中でもセモンジンガサハムシは、背面中央に輝くX字状の紋があるのが特徴的です。
ゴマダラカミキリ
身近で見られる大型のカミキリムシとして印象的なのが、このゴマダラカミキリです。
僕が子どもの時も、カミキリムシといえばこの虫、というイメージでした。
青みがかった黒のボディと、散らばる白い斑点がかっこいいです。
ムネアカアワフキ
ムネアカアワフキは全身が黒く、胸部が赤くなる特徴を持つアワフキムシの仲間です。
アワフキムシの名前の由来は、幼虫が自身が出す分泌液で「泡の巣」を作る習性を持つことから。
アワフキムシの泡
林縁で泡を見つけたら、その中にはアワフキムシの幼虫がいるかもしれません。
ナナフシ
かの有名な擬態名人、ナナフシも桜につく昆虫です。
成虫は10cmほどにもなる巨大な昆虫ですが、春の時期はもっと小さな幼虫が桜の葉上にいます。
ちなみに、一般的に「ナナフシ」と呼ばれているものは、写真のナナフシモドキという種のこと。
「他のナナフシたちと比べて触角が短いこと」が見分けポイントです。
おわりに:桜につく虫を観察してみよう!
桜は花見だけでなく、昆虫観察においても魅力的な樹木です。
ぜひ、桜を取り巻く生き物たちにも注目して観察してみてください!
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