あ、カモがいるよ!
このカモはどんな鳥なのかな?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、カルガモ。
カルガモは、カモとしては珍しい1年を通して観察できる「留鳥」です。
その特徴から、初夏には「子育て姿」も観察することができる、鳥好きにとってはとても嬉しい鳥なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、カルガモの特徴と魅力を紹介します。
カルガモはくちばしの先が黄色いカモ
カルガモは「カモ目カモ科」というグループに属する鳥。
体の大部分は黒褐色ですが、胸〜頭部は白っぽいカモです。
カルガモ
全体としては渋めな色味ですが、よく見ると白黒のコントラストは上品で美しいです。
また、オレンジ色の脚とくちばしの先の黄色が鮮やかで、良いチャームポイントになっていますよね。
全長は60cm程度と、他のカモと比べてサイズは大きめです。
カルガモと他のカモの見分け方
ところで、カルガモは他種のカモのメスとよく似た姿をしています。
例えば以下はマガモのメスですが、カルガモに似た色味や雰囲気をしていますよね。
マガモのメス
カモのオスは種ごとに派手でユニークな姿を持つものが多いのですが、メス同士はよく似た姿をしています。
というのも、オスの派手な姿は「生殖羽または繁殖羽」といい、繁殖期のみメスにアピールするためのもの。
派手な姿というのは天敵に襲われやすくなるというデメリットがあるため、必要な時以外はオスもメスに似た地味な姿になるのです。
一方、カルガモはカモにしては珍しく、オス・メスほぼ同じ姿。
なのでカルガモの場合、オス・メスともに他種カモのメスとよく似た姿となります。
ではカルガモと他種との見分けポイントはどこなのか?
その答えは、「くちばし」です。
他種のカモのくちばしは全体が黒っぽいか、黄色ベースに黒い模様があるものが多いです。
カルガモの場合、「くちばしの先”だけ”が黄色い」という特徴の違いがありますので、ここをチェックするのが良いでしょう。
また、カルガモは頭部と体の明るさが大きく違う(頭部が白っぽい)ので、それもヒントになると思います。
冬は複数種のカモが同じ場所にいることも多いので、上記の見分けポイントを意識して観察してみてください!
カルガモは夏にも見られる珍しい鴨
カルガモは、他の多くのカモとは違うユニークな生態を持つ鳥でもあります。
そのユニークな特徴とは「留鳥」であること。
留鳥とは、季節に応じた長距離移動(渡り)をしない鳥で、1年を通して場所で見られる鳥です。
実は日本で見られるカモのほとんどは冬鳥であり、夏に見られるカモはほとんどいません。
一部の地域では夏にも日本に留まるものがいますが、日本全国で1年中見られるカモはカルガモくらい。
そのためカルガモは夏も観察することのできる、珍しいカモなのです。
夏にも見られるカルガモ
またカルガモというと「最も身近なカモ」とも言える鳥です。
その理由には田んぼや川、公園の池などの身近な場所で見られることもありますが、一番の理由は上記のような生態を持つからこそというのが大きいと思います。
カルガモの子育て
ちなみに初夏の季節になると、カルガモの「子育て姿」がメディアで取り上げられたりしますよね。
カルガモの子連れ姿
夏は鳥たちにとって繁殖期ですが、先述した通りほとんどのカモは夏はロシアなどの北国に渡って繁殖活動を行います。
そのため、身近な場所で繁殖活動が観察できるカルガモは、とても珍しく・貴重な存在です。
僕も毎年カルガモの子連れ姿を見られると、「今年も子育ての季節がやってきたな」と嬉しい気持ちになります。
もしお近くにカルガモが生息する場所があれば、初夏にはぜひ彼らの可愛い子育て行動を観察してみてください!
※繁殖期は野鳥にとってとても大事で繊細な時期になります。
観察する際はストレスを掛けないよう、追い回したりせず、適度な距離を保って優しく観察するようにしましょう。
カルガモと同じ分類に属する鳥たち
カルガモはカモ目カモ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カモ目]
カモ目の野鳥まとめ|水上生活に適応した美しい水鳥たち
▼
[カモ科]
鴨(カモ)の種類と魅力|カモは地味な野鳥ではない!実は個性的で面白い姿を持つ
おわりに:カルガモを観察してみよう!
野鳥観察では珍しい鳥やなかなか見られない鳥が注目されがちですが、身近な鳥にも(だからこそ)見どころがたくさんあるものです。
今回紹介したカルガモにも見どころがたくさんあるので、もし見つけたらその面白い姿や特徴を、ぜひじっくりと観察してみてください!
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