虫 > チョウ目 > シャクガ科 > チャバネフユエダシャク
あ、変わった虫がいるよ!
この虫は、どんな虫?
こんな疑問にお答えします。
写真の虫は、チャバネフユエダシャクのメス。
チャバネフユエダシャクは、「フユシャク」と呼ばれる蛾の仲間です。
フユシャクのメスには"はねが退化している"という特徴があり、チャバネフユエダシャクのメスもやはりはねがありません。
さらに白黒の体色が実にユニークで、その姿から「ホルスタイン」という別名があるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、チャバネフユエダシャクの特徴と魅力を紹介します。
チャバネフユエダシャクは冬に活動する蛾
チャバネフユエダシャクは「チョウ目シャクガ科」というグループに属する昆虫です。
その姿が、こちら。
茶色いはねを持つチャバネフユエダシャク(オス)
「チャバネ」の名の通り、大きな茶色いはねを持つ蛾ですね。
ところで、チャバネフユエダシャクは「フユシャク(冬尺蛾)」と呼ばれる蛾の仲間。
フユシャクは”成虫が冬に活動する”という変わった習性を持つ蛾たちです。
ただ「冬」といっても、生き物の世界ではもっと細かく季節が分けられていて、初冬に出現する種もいれば、初春頃に出現するものもいます。
さらにフユシャクの仲間は”成虫になるとえさを食べない”という習性も持つため、羽化後に長く生きることはできません。
そのため、少し時期をずらすと別種のフユシャクの活動時期になっていたりするのも面白いんですよね。
ではチャバネフユエダシャクの活動時期はいつ頃かというと、12〜1月頃に多く見られます。
そのため、毎年このあたりの時期になると、僕はついついチャバネフユエダシャクを探してしまうのです。
チャバネフユエダシャクのメスの別名はホルスタイン
フユシャクは活動時期以外にも面白い特徴を持つ蛾たちです。
その1つが、オスとメスで大きく姿が異なっていること。
メスははねが退化しており、はねが短くなっているか、全くなかったりするのです。
チャバネフユエダシャクも例に漏れず、メスははねが退化しています。
その姿が、こちら。
チャバネフユエダシャク(メス)
同じ種には見えないどころか、知らなければ蛾の仲間とも思えないですよね。
この白黒の個性的な姿から、チャバネフユエダシャクのメスには「ホルスタイン」という別名があったりします。
チャバネフユエダシャクは、フユシャクの中ではサイズが大きく、メスは10数ミリほどもあります。
そのため、その姿も相まってかなりの存在感があります。
ちなみにフユシャク探しは、寒い中、かつほとんど他の生き物が見られない、というなかなか厳しい条件下での活動になります。
しかし、厳しい状況に耐えてようやく虫に出会えた時の嬉しさというのは、筆舌に尽くし難いものがあります。
僕は過去、このホルスタインの姿が見たくて、冬の寒空の中あちこち探してみたものでした。
さまざまな場所を探し回って、ようやくその姿を拝めた時には、思わずガッツポーズしてしまいました。
このように、冬の虫探しは夏の虫探しとはまた異なる楽しさがあるものなのです!
チャバネフユエダシャクと同じ分類に属する虫たち
チャバネフユエダシャクはチョウ目シャクガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[シャクガ科]
シャクトリムシ(尺取虫)の成虫ってどんな姿の虫?シャクガの種類と魅力
おわりに:チャバネフユエダシャクを観察してみよう!
チャバネフユエダシャクは、その姿も行動も、実にユニークな昆虫です。
幼虫はサクラなどを食べるので、意外と家の近くの公園などでも出会えるかもしれません。
不思議な生態を持つ彼らに出会えたら、ぜひ優しくじっくりと観察してみてください!
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