緑色のはねを持つチョウを見つけたよ!
このチョウは、どんな虫なのかな?
こんな疑問にお答えします。
写真の虫は、ミドリシジミ。
初夏の時期だけに出現する「ゼフィルス」の仲間であり、名前の通り”緑色のはね”を持つシジミチョウです。
さらにミドリシジミはオスとメスで姿が大きく異なり、それぞれに面白い特徴があるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ミドリシジミの特徴と魅力を紹介します。
ミドリシジミは緑色に輝くはねを持つ美しいゼフィルス
ミドリシジミは「チョウ目シジミチョウ科」というグループに属する昆虫。
初夏の時期だけに出現するシジミチョウたちは「ゼフィルス」と呼ばれており、ミドリシジミはそのゼフィルスの仲間でもあります。
さて、ミドリシジミの特徴はなんといっても、名前にもある「緑色のはね」!
緑色なのは「表ばね」なので、その真の姿が見られるのは”はねを開いた”時です。
はねを閉じた時のミドリシジミの姿は以下のような感じですが−−
はねを閉じたミドリシジミ
はねを開くと、とっても美しい「緑色の金属光沢」が見えるのです!
はねを開いたミドリシジミ
驚くほど鮮やかな姿ですよね!
僕も最初にミドリシジミがはねを開く姿を見た時は、その姿に見惚れてしまいました。
しかも角度によってその緑色の輝きは変化するため、見る位置によってその美しさが変化するのも面白いですね。
見る角度を変えると違った印象になる
ところで、この美しい緑色のはねを持つのは”オスのみ”。
実はメスはオスとは大きく姿が異なり、表ばねは濃い茶色をしているのです。
ミドリシジミのメス
オスとは随分印象が変わって鮮やかさは弱くなりますが、茶色のはねには紫色の斑が入り、これはこれで美しいです。
ちなみにミドリシジミはメスにも面白い特徴があり、”個体によって様々な斑紋を持つ”という特徴があります。
その斑紋のパターンとしては、以下の4つが知られています。
・A型:オレンジ色の斑点がある
・B型:紫色の斑点がある
・AB型:オレンジ色と紫色の斑点がある
なので、上の写真は「B型」の個体となりますね。
このように、ミドリシジミはオスもメスも、”はねを開いた時の姿”に注目なのです!
ミドリシジミの仲間は他にもいる
ここまでミドリシジミという種について紹介してきましたが、実はシジミチョウ科で「ミドリシジミ」と名のつく種は”13種”もいます。
そのどれもがミドリシジミ同様、美しい緑色のはねを持っています。
フジミドリシジミ
しかしながらミドリシジミの仲間は山地性のものが多かったり生息地が局地的なものも多く、そのほとんどの種はなかなか観察することができません。
一方で先ほど紹介したミドリシジミは平地の湿地で比較的普通に見られます。
そのため、ミドリシジミは”最も出会いやすいミドリシジミの仲間”と言えるでしょう。
ちなみにかつては食草であるハンノキが水田によくあったようで、もっと観察しやすい時代があったようです。(そんな頃に観察してみたかった…)
今や開発された都市部では「ミドリシジミに出会うのは簡単!」とまでは言いづらい印象になってしまっていますが、それでもまだ比較的普通に出会うことができます。
というわけで初夏の季節に湿地や里山などにいった際は、ぜひミドリシジミを探して観察してみてください!
ミドリシジミと同じ分類に属する虫たち
ミドリシジミはチョウ目シジミチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[シジミチョウ科]
シジミチョウの種類と魅力|シジミ貝のようなはねを持つかわいい蝶たち
おわりに:ミドリシジミを観察してみよう!
ミドリシジミは美しい緑色のはねを持つチョウです。
平地の湿地や水田で出会える可能性がありますので、もし出会えたらぜひじっくりと観察してみてください!
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