あ、木にセミがいるよ!
このセミは、どんなセミ?
こんな疑問にお答えします。
写真の虫は、ニイニイゼミ。
ニイニイゼミは、夏のセミの中では早く出始める種で、6月下旬頃から見られます。
また、面白い特徴をいくつも持ち、例えばセミの中では珍しい「不透明なはね」を持つ種でもあるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ニイニイゼミの特徴と魅力を紹介します。
ニイニイゼミは不透明なはねを持つセミ
ニイニイゼミは「カメムシ目セミ科」というグループに属する昆虫です。
ニイニイゼミの外見的な特徴として、1つ目は「不透明なはね」を持つことが挙げられます。
不透明なはねを持つニイニイゼミ
透明の部分もありますが、大部分は黒や灰色の不透明な模様が入っていますよね。
実は多くのセミのはねは透明であり、ニイニイゼミのように不透明なはねを持つセミというのは少数派。
不透明なはねを持つセミというのは、身近なものでは他にアブラゼミくらいなのです。
はね以外で特徴的なポイントとしては、「頭部が横長で平べったい」こと。
近くでその頭部を観察してみると、他のセミとは異なる雰囲気の顔をしていて面白いです。
また、ニイニイゼミは身近なセミの中では小さめな種でもあります。
僕の愛用する図鑑「日本の昆虫1400」によると、体長は32〜40mm。
アブラゼミは53〜60mmなので、2回りくらいは違いますね。
比較的小さめなイメージのツクツクボウシでも41〜47mmなので、それよりもさらに小さいくらいなのです。
セミの仲間は姿が似ているものも多いのですが、上記のようにニイニイゼミは特徴的なポイントがたくさんあるので、識別するのは比較的カンタンです。
夏のセミのトップバッター
ニイニイゼミといえば、身近な夏のセミの中では最も早く出現するセミでもあります。
まだ梅雨の時期、
「チィー…」
という大きな声が聞こえてきたら、それはニイニイゼミかもしれません。
僕が主に観察する関東では、6月後半から出始めて、7月頭にはニイニイゼミの声がよく目立ってきます。
その後、「ツクツクボウシ → ミンミンゼミ → アブラゼミ」という順番で出現していくイメージです。
夏のセミの中で早くに鳴き始めるニイニイゼミ
ニイニイゼミの声が聞こえてくると、「もうすぐ夏の季節がやってくるなあ」と感じられるため、僕の中では季節の変わり目を教えてくれる存在の虫です。
ちなみにニイニイゼミの名前の由来は、"その鳴き声から"とのこと。
ただ、僕にはニイニイと鳴いているようには聞こえません笑
あなたもぜひ、ニイニイゼミの実際の鳴き声がどう聞こえるか、確認してみてください!
ニイニイゼミの幼虫は泥だらけ
セミといえば、目立つ抜け殻を残すことから、「抜け殻観察」もしやすい虫たちです。
しかしながら、抜け殻からセミの識別をしようとすると、種によってはかなり細かなポイントを確認する必要があります。
ところがニイニイゼミに関しては、一発で識別することが可能です。
なぜなら、”ニイニイゼミの抜け殻は全身泥だらけ”だからです。
泥だらけな姿のニイニイゼミ幼虫
ニイニイゼミは水分の多い土中を好み、また泥を体に擦り付ける習性があるようで、地上に出てくる時は泥にまみれているのです。
ニイニイゼミは、抜け殻にもぜひ注目してみてください!
ニイニイゼミと同じ分類に属する虫たち
ニイニイゼミはカメムシ目セミ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[カメムシ目]
半翅目(カメムシ目)の昆虫まとめ|ストローのような口吻を持つ虫たち
▼
[セミ科]
セミ(蝉)の種類と特徴|鳴き声と鳴く時間帯の違いが面白い!
おわりに:ニイニイゼミを観察してみよう!
ニイニイゼミは身近なセミながら、様々な面白い特徴を持つ種です。
サクラの木によくついているので、鳴き声などをたよりに探して観察してみてください!
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