ネイチャーエンジニア いきものブログ

虫・鳥などの動植物の魅力や知識など、自然観察をもっと楽しむための情報を発信します。

ヒメヤママユ|晩秋に現れるエレガントなヤママユガ

本ブログには広告が含まれます。

ヒメヤママユ オス

あ、大きくてきれいなガがいるよ!

このガは、どんな虫?

こんな疑問に答えます。


写真の虫は、ヒメヤママユ


ヤママユガ科」というサイズの大きなガを多く含むグループに属するガで、その大きさは10cm前後もあります。


さらにはねには動物の目のように見える「眼状紋」もあり、より迫力がありますよね。


また、ヒメヤママユは遅めの時期に出現する種であり、”晩秋によく見られる”というのも特徴的なのです!


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。


そんな虫好きの僕が、ヒメヤママユの特徴と魅力を紹介します。




 

ヒメヤママユはエレガントなヤママユガ

大きくてエレガントなはね

ヒメヤママユは「チョウ目ヤママユガ科」というグループに属する昆虫です。


そのはねの地は落ち着いた赤で、はねの上部には霜のような白さがあり、他のヤママユガと比べて特に上品な印象の種です。


エレガントな姿を持つヒメヤママユ
ヒメヤママユ オス


ちなみに上はオスの姿であり、メスは黄色っぽいです。


ヒメヤママユ メス
ヒメヤママユ メス


ヒメヤママユのこのエレガントな姿を見ると、ついついうっとりと見とれてしまいます。


なお、ヤママユガの仲間はサイズの大きいものが多く、ヒメヤママユもとても大きな姿をしています。


僕が愛用している図鑑「日本の昆虫 1400」によると、その大きさは85〜105mm


"大人の手のひらからはみ出すくらい"の大きさですね。


このように、ヒメヤママユはかなり大きなガですが、しかしこれでも、ヤママユガの中ではあまり大きい方ではありません


実はヒメヤママユのヒメというのは、「小さい」という意味の言葉。


なんとヒメヤママユと比較して、さらに大きな「ヤママユ」という種がいるのです。


この元祖ヤママユのサイズは、なんと115〜150mm


ヤママユ
ヤママユ


これは大人が手を大きく広げた時と同じくらいの大きさがあり、すごい迫力ですよね!


このように、ヒメヤママユも含めてヤママユガの仲間は、大きな存在感を持つガたちなのです。


中でもヒメヤママユは迫力と上品さを合わせ持つ種なので、もし出会えたらその美しい姿をぜひじっくりと観察してみてください!




ヤママユガの眼状紋

ヤママユガで注目したい特徴の1つに「眼状紋」があります。


眼状紋とは、動物の目玉のように見える模様。


ヒメヤママユもはねに2対の目玉があります。


ヒメヤママユの眼状紋
ヒメヤママユ 眼状紋


この紋を猛禽類などの眼に見立て(擬態)、攻撃されないようして身を守っていると言われています。


以下の記事で「イモムシの眼状紋」について紹介していますが、目的はこちらと同様ですね。


実際、ヤママユガの仲間は警戒するとはねを大きく広げ、この眼状紋を見せるような動きをします。


ヤママユガはみな目立つ眼状紋を持ちますが、種ごとにそれぞれ個性があり、様々な顔に見えるのも面白いです。


彼らに出会ったら、この眼状紋にも注目です!

ヒメヤママユは晩秋に現れるヤママユガ

ヒメヤママユは、ヤママユガの中でも出現が遅めの種です。


その時期とは9〜11月頃で、僕は10月以降に出会ったことしかありません。


11月と言えば虫の最終シーズンであり、昼間でも見られる虫は限られてくる時期。


そんな中、このような大型の虫が見られるのはとても嬉しいものです。


晩秋に出会えるヒメヤママユ
ヒメヤママユ


ただ、ヒメヤママユに自然な場所で出会えるのはなかなか難しいです。


というのも、ヤママユガの仲間は幼虫時代に蓄えた栄養で活動し、成虫になるとえさを食べません。


そのため、花や樹液などには集まらないのです。


ではどういう場所で出会えるかというと、「灯火」です。


ヤママユガの仲間は光に集まる習性が強いので、街灯など人工物の光に集まっている場面などで出会えることがあるのです。


虫が減っている現代、人工物に引き寄せられてしまうのは若干複雑な気持ちはあるのですが、彼らのような虫たちを観察するには、こういった場所じゃないと難しいのですよね。


いつか、自然に樹木などについている場面の彼らに、出会ってみたいものです。

ヒメヤママユと同じ分類に属する虫たち

ナミアゲハ

ヒメヤママユはチョウ目ヤママユガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。


[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち

[ヤママユガ科]


おわりに:ヒメヤママユを観察してみよう!

ヒメヤママユは、大きくて美しい魅力的な虫です。


記事で紹介した通り、ヒメヤママユは秋に灯火に集まってきます。


僕の自宅近くには大きな森などはないので少し足を伸ばさないと出会えないのですが、森や山の近くに住んでいる方などは、ヒメヤママユを見られるチャンスが多いかもしれませんね。


もしヒメヤママユに出会えたら、ぜひ優しくその美しい姿を観察してみてください!


むし探しを体験できるゲームアプリも配信中!こちらもぜひ、遊んでみてください↓


■ 虫探しロールプレイングゲーム「むしマスター!3」

むしマスター!3

 


他の虫の紹介、虫ゲーム・アプリ、虫観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓

虫に関連する記事まとめへ