ネイチャーエンジニア いきものブログ

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人々が恐れた昆虫「トノサマバッタ」の能力と特徴【相変異と蝗害】

トノサマバッタ

トノサマバッタって何が「殿様」なの?

こんな疑問にお答えします。


ネイチャーエンジニアの亀田です。


冒頭の質問についての答えについて。


すみません、いきなり残念な結果ですが、その答えは「分からない」です。


このバッタがなぜ「殿様」と呼ばれるのか、その名前の由来は良く分かっていないのです。


ただ、その代わりにこのバッタには殿様と言われるだけの恐るべき能力を持ちます。


今回は、この「トノサマバッタ」の能力と特徴について紹介します。




 

トノサマバッタの能力と特徴

驚異のジャンプ力を持つ

トノサマバッタ

トノサマバッタは、漢字で「殿様飛蝗」と書きます。


名前に「飛」の字が入るだけあって、トノサマバッタは高い飛翔能力を持ちます


その距離、なんと50m以上!


神奈川県のNPOでは毎年、「大バッタ飛ばし大会」というのをやっているようですが、2017年度の大会では130mも飛んだバッタがいたようです。


以下で紹介したショウリョウバッタは10m程度の飛距離ですから、トノサマバッタの飛距離が以下にすごいことか。


ショウリョウバッタ

ショウリョウバッタ


身近なバッタでは、ツチイナゴが20m程は飛びますが、50mを超えるような大ジャンプをするのはトノサマバッタくらいです。

相変異(孤独相と群生相)

トノサマバッタの恐るべき能力というのが、「相変異」です。


相変異とは、トノサマバッタの姿(=相)が変化すること。


相には以下の2つがあります。

・孤独相: 体は緑色。はねは短くて脚が長い
・群生相: 体全体が褐色。はねが長くて脚が短い

基本的に普段僕らが見ているトノサマバッタは孤独相。(僕も群生相は見たことがないです)


以下は褐色型の孤独相。群生相だともっと黒くなるようです↓

トノサマバッタ 褐色型


なお、相の変化は幼虫時代の環境によります。

・バッタの密度が低い → 餌が豊富 → 孤独相になる
・バッタの密度が高い → 餌が不足 → 群生相になる


すごいのが、相変異では姿だけでなく、性格までもが変化すること。


群生相になった彼らは、えさに飢えた状態になり、非常に攻撃的な性格になるのです。


仮面ライダーのモチーフはバッタということは有名ですよね。


僕が子供の頃は「仮面ライダーBLACK RX」が大好きでした。


RXは、悲しみで「ロボライダー」に、怒りで「バイオライダー」に変化します。


仮面ライダーでなくても、バッタはすでに変身能力を備えていたのですね!

人々に恐れられた「蝗害」

トノサマバッタの「相変異」ですが、実はこれは昔から人々に恐れられていた現象でした。


トノサマバッタの高いジャンプ力について先述しましたが、これが孤独相になるとはねの長さが伸び、飛行能力はさらに高まります


100mレベルの飛翔でなく、普通に飛んで長距離移動ができるようになるのです。


群生相は生活密度が高いと起きます。


つまり、バッタが大発生した状態。


大発生して群れでやってきた彼らは、辺りの植物を食い尽くします


彼らが集団でやってくる様子は、「空を覆うように」といった表現がされるほど。


その場所の植物を食べ尽くしたら、また飛んで移動して次の場所でも繰り返します。


それが発生すると、その土地の農作物は災害レベルの大きな被害を受けます。


そのため、トノサマバッタの群生相による大量発生は「蝗害(こうがい)」と呼ばれ、災害の一つに位置付けられるほど恐れられていたのです。

トノサマバッタの生息場所

トノサマバッタ

トノサマバッタは、背の高い草がある場所を好みます。


ススキやオギが生えている場所などでよく見られます。


土は乾燥した荒地でも大丈夫なようで、普通にいます。


ショウリョウバッタも草むらで見つかりますが、もう少し背の低い草むらにいることが多い。


生息地が重なっている場合もありますが、両者は微妙に住み分けされているイメージです。

おわりに

トノサマバッタの観察は秋がシーズン


8〜11月くらいまで見られます!


すごい能力を備えた彼らを、ぜひ観察してみてくださいね!


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