あ、小さなかわいい花があるよ!
これってどんな植物なの?
こんな疑問にお答えします。
写真の植物は、ヘクソカズラ。
中心が赤い、かわいらしい花をつける植物です。
ところでこの植物、名前がちょっと変わってますよね?
この変わった名前の由来は、この植物の"ある特徴"。
タイトルにあるのですでに想像がついているかもですが、その特徴の正体は「におい」です!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、ヘクソカズラの特徴と魅力を紹介します。
ヘクソカズラのかわいい花
ヘクソカズラが花を咲かせるのは真夏(8〜9月頃)。
以下のように、小さな筒状の形をしたとてもかわいらしい花をつけます。
ヘクソカズラのかわいい花
花の中心が赤く、目を引きます。
ちなみにヘクソカズラは他の植物にからみつきながら上に這い上がる、つる性植物。
他の植物の葉の上で花を咲かせていたり、柵などに巻きついている姿を発見することが多いです。
ヘクソカズラの名前の由来はくさいにおい
さて、冒頭にも触れたヘクソカズラの名前について。
この変わった名前の由来は「におい」であると紹介しました。
実はヘクソカズラはかわいい花の姿に反して、”くさいにおい”を持つ植物なのです。
「ヘクソ」は漢字で書くと「屁糞」。
このように、屁や糞のようなにおいをするからという理由で命名されたのでした。
では、そのくさいにおいはどこから発せられるかというと、「葉」です。
ヘクソカズラの葉
ヘクソカズラの葉をちぎってその切り口をかいでみると、青臭いというだけではないにおいが…。
屁糞と呼ばれる臭さとはどんなものか、ぜひ一度ご自身の鼻で確認してみてください。
いずれにしてもヘクソカズラは名前の悪いイメージと付き合いながら生きていかねばならない、ちょっとかわいそうな花なのです。
ヘクソカズラがくさい理由
ヘクソカズラの葉がなぜくさいかというと、それは自身が昆虫に食べられないように「忌避物質」を出しているため。
くさいにおいは、ヘクソカズラが身を守るための防御策だったのです。
そのため、ヘクソカズラを食べる昆虫はほとんどいません。
ところがなんと、それを攻略する昆虫もいます。
それが、以下のホシホウジャク。
ホシホウジャクの幼虫
ホシホウジャクの成虫はまるでハチドリのように、ホバリングしながら花の蜜を吸う行動が特徴的です。
ホシホウジャクの成虫
このように、野生会では毒など頑張って作って対策しても、中にはそれを打ち破ってしまうものがいるもの。
この構図は、以前紹介したウリ科植物とウリハムシの関係と一緒です。
その壁が強固であればあるほど、それを攻略した後のライバルは少なくなる、というメリットすらある。
こういった関係がいたるところに見られるのも、生物界が多様であるからこそです。
彼らは種ごとに異なる戦略を持っていて、それを観察する僕たちにいつも驚きとワクワクを与えてくれるのです。
おわりに:ヘクソカズラを観察してみよう!
ヘクソカズラは見ても面白い、においをかいでも面白い植物。
特に「におい」はこの植物の最大の特徴でもあるので、ぜひ一度お試しあれ!
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