植物 > > アサ科 > カナムグラ
草むらに入ったら、足にみみず晴れができてる!
どうやらこの植物が原因みたいだけど…この植物はなんていう植物?
こんな疑問にお答えします。
写真の植物は、カナムグラ。
日当たりの良い荒地でよく見られ、手のひら状の大きな葉がよく目立ちます。
名前にも由来する”丈夫で摩擦力の強い茎”を持ち、草刈りをする時などはなかなか苦労させられる植物です!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、カナムグラの特徴と魅力を紹介します。
カナムグラは手のひら状の大きな葉を持つ植物
カナムグラは「アサ科」というグループに属する植物。
日当たりの良い荒地でよく見られ、手のひら状の大きな葉が特徴的です。
手のひら状の葉を持つカナムグラ
写真の通りカナムグラの葉はよく目立つのですが、一方で花はあまり目立ちません。
カナムグラは雌雄異株で、オスとメスで花の姿も異なります。
カナムグラの雄花
カナムグラの雌花
写真の通りあまり花っぽくないため、目の前で咲いていてもスルーしがちなのです。
しかし地味ながらもよく見ると他の花とは趣が異なり、カナムグラの花ならではの魅力があります。
花は9〜10月頃に見られるので、もしカナムグラを見つけたら、ぜひ花にも注目してみてください!
カナムグラは鉄のように丈夫な茎を持つ植物
ところで草刈りをする時など、そこにカナムグラが群生しているとなかなか大変な作業になります。
というのも、カナムグラは"とても丈夫な茎"を持つ植物だからです。
カナムグラは漢字で「鉄葎」と書き、鉄(カナ)とは"まるで鉄のように(と思うほどに)丈夫な茎を持つこと"が由来となっています。
※ちなみに「葎(ムグラ)」は群がるように生育する、という意味です。
実際は鉄ほどということはないのですが、見かけ以上の丈夫さは確かにあります。
その茎の丈夫さのほか、カナムグラの茎には「トゲ」が生えていることも、草刈りをより大変にしています。
そのトゲの姿が、こちら。
カナムグラのトゲ
一見大したことのないトゲに見えますよね?
確かにこのトゲはキイチゴやサルトリイバラのように長いトゲではなく、刺さるようなものではないのですが、いわゆる”摩擦力”がすごいんです。
この茎に素肌の手足が当たった状態で動かせば、ほぼ確実に「みみず腫れ」になります。
僕は森の保全活動に参加しているのですが、作業中、何度カナムグラに傷を負わされたか…
カナムグラの生育する場所に足を踏み入れる時には、長袖・長ズボンは必須です。
カナムグラを食草にする昆虫
チョウ類の幼虫をはじめとして昆虫には「植物の葉をえさとするもの」も多くいますが、カナムグラを食べるものはあまり多くありません。
そんな中、カナムグラを食べる習性をもつ、物好きなチョウがいます。
それは「キタテハ」。
カナムグラを食草とするキタテハ
キタテハはタテハチョウの仲間で、名前の通り黄色〜オレンジ色のはねを持つチョウです。
カナムグラは荒地に生育することから、街中のちょっとした草むらにもあり、それを食べるキタテハも街中でも見ることができます。
キタテハは発生する時期によって大きく姿が変わる特徴があり(夏型・秋型)、季節による姿の変化も楽しめるチョウ。
この物好きなチョウを見かけた時は、ぜひカナムグラと一緒に観察してみてください!
おわりに:カナムグラを観察してみよう!
カナムグラは身近ですが、目立つ花もつけないため、観察対象としてはあまり注目されない印象のある植物です。
しかしながら、この記事で紹介した通り、雌雄で異なる花や丈夫な茎など見どころもたくさんある植物なので、見つけたらぜひじっくりと観察してみてください!
環境を育成して、野鳥を呼ぶゲームも配信中!こちらもぜひ、遊んでみてください↓
■ 鳥パラダイス
環境育成&野鳥観察シミュレーションゲーム!
他の植物の紹介、植物観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓