虫 > チョウ目 > シャチホコガ科 > モンクロシャチホコ
きれいなはねのガを見つけたよ!
このガは、どんなガなのかな?
こんな疑問にお答えします。
写真の虫は、モンクロシャチホコ。
白い地に赤や銀色の斑紋の入った特徴的な模様のはねを持ち、その繊維っぽいはねはまるで「カーペット」。
夏によく見られる、面白い蛾なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、モンクロシャチホコの特徴と魅力を紹介します。
モンクロシャチホコはカーペットのようなはねを持つ
モンクロシャチホコは「チョウ目シャチホコガ科」というグループに属する昆虫。
白い地に、赤や銀色の斑紋の入った特徴的なはねを持つガです。
白い地に黒い斑紋の入ったはねを持つモンクロシャチホコ
白い地の部分や銀色の斑紋の光沢などが繊維っぽく、僕は見る度に「まるでカーペットみたいだなあ」と思ってしまいます。
その魅力はあまり知られていないのですが、ガの仲間は実に多様で、このように美しかったり素敵な斑紋を持つものがたくさんいるんですよね。
ちなみにモンクロシャチホコのこのはねのデザインは”鳥の糞に擬態している”と言われています。
個人的には、その質感などから「あまり糞っぽくは見えないなあ」と思っているんですが…
いずれにしてもモンクロシャチホコの模様は非常にユニークであり、あまり似た姿を持つものはいません。
彼らは特に8月頃によく見られ、よく街灯に集まったり木の幹に止まっているので、出会ったらその美しいはねに注目してみてください!
モンクロシャチホコの幼虫
モンクロシャチホコは、「幼虫」にも出会いやすい虫です。
モンクロシャチホコの幼虫は、主にサクラ類を食草とします。
9〜10月頃、サクラの葉を注意してみていると、よく幼虫がついているのです。(狭い範囲内にたくさんついていることも多く、見つけるのは比較的簡単です)
ではその姿はというと、黒い体に長い金色の毛を持ち、いわゆる「THE・毛虫」といった姿です。
モンクロシャチホコの幼虫
見た目に抵抗がある方もいるかもしれませんが、この幼虫、なかなか魅力的で。
動きはゆっくりだし、毒はないし、もちもちした感じの体だし…
先入観さえなければ、なかなか可愛らしい姿をしているのです。
ところで、多くの昆虫は「他の生き物のえさとなって生活を支える」という役割をになっていますが、これはモンクロシャチホコの幼虫も同様です。
僕が観察していてモンクロシャチホコを好んで食べている生き物と言えば、「カッコウ類(トケン類)」。
カッコウ類の仲間である、ツツドリ
モンクロシャチホコの幼虫が発生する時期といえば、カッコウの仲間が南国に帰るために"渡り"をする時期と重なります。
このタイミングで彼らが食事している姿を観察していると、モンクロシャチホコを食べていることが多いのです。
これを逆に考えてみると、モンクロシャチホコが多く発生しているところから、渡り鳥の出現しそうな場所のあたりをつける、ということもできますね。
このように、虫は食物連鎖で色々な生き物と繋がっていることが多く、その点に注目して観察するのもまた面白いのです!
モンクロシャチホコと同じ分類に属する虫たち
モンクロシャチホコはチョウ目シャチホコガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[シャチホコガ科]
おわりに:モンクロシャチホコを観察してみよう!
モンクロシャチホコは、成虫はカーペットのような美しいはねを持ち、幼虫時代もまたユニークな姿を持つ虫です。
もし彼らに出会えたら、ぜひそのユニークな姿を観察してみてくださいね!
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