もう冬だなー。
この時期にも見られる虫はいるのかな?
こんな疑問にお答えします。
冬は虫たちに出会う機会が少なくなる季節ですが、それでも探し方によっては虫と出会えるチャンスはあります。
幼虫や成虫の姿で越冬する虫の中には、暖かくなると見える場所に出てくるものがいます。
そのような虫たちの中には、なんなら夏よりも冬の方が目にする頻度の高いものすらいるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、冬に手すりで出会える虫たちを紹介します。
冬でも出会える虫はいる
冬は虫たちに出会う機会が少なくなる季節です。
というのも虫(昆虫)は「外温性動物」であり、体温が外気温に依存します。
そのため、多くの虫たちは外気温が低くなる冬は休眠をし、活動をしなくなるのです。
ところが、そんな冬の季節でも探し方によっては虫と出会えるチャンスはあります。
多くの虫は土の中や樹皮裏、落ち葉の下などに隠れていますが、そのような虫のすみかを荒らさないと見られないわけではありません。
というのは幼虫や成虫の姿で越冬する虫の中には、暖かくなると見える場所に出てくるものがいるんですね。
暖かい日には、冬でも活動する虫がいる
そのような虫たちの中には、なんなら夏よりも冬の方が目にする頻度の高いものすらいます。
今回は、その中でも観察のしやすい「手すり」や「擬木柵」などで見られる虫たちを紹介します!
冬に手すりで出会える虫
テントウムシ
成虫で越冬するタイプのテントウムシは、暖かい日には手すりをちょこちょこと歩いていることがあります。
ナミテントウのほか、キイロテントウ、カメノコテントウ、ヒメアカホシテントウなど複数種が見つかることがあります。
ツヤアオカメムシ
冬の手すりでは、カメムシ目に属する虫と出会うことが多いです。
成虫で越冬するカメムシは他にもいますが、野外の手すりで見つかることが多いのはこのツヤアオカメムシ。
丸みのある体に、名前の通りツヤがあるのが特徴的です。
ヒゲナガサシガメ幼虫
冬全体を通して見つかることの多い虫です。
出会える期間が長いので、成虫を見る機会よりも幼虫を見る機会の方が圧倒的に多いです。
姿も特徴的で目立つので、目に入りやすいのも要因かもしれません。
コミミズク幼虫
耳のように見える突起を持つ「ミミズク」という昆虫に姿が似ていることが名前の由来です。
ただしコミミズクの場合、胸部が盛り上がっているものの耳のようはなっておらず、名前と姿が結びつかない面白い状況になっています。
樹皮とかにいる場合はうまく擬態してなかなか見つけられないのですが、冬の手すりにいる時は比較的かんたんに見つけられます。
フユシャク
他の虫たちが冬には積極的な活動をしないのに対し、羽化や生殖活動など積極的に活動する珍しい習性を持つのがフユシャクたちです。
「フユシャク」というのは総称であり、冬の中でも少しずつ時期をずらして様々な種が活動します。(12月後半で見られる種と1月に入ってから見られる種が異なるなど)
冬の中にもさらに細かな季節の区切りがあることを教えてくれる虫です。
冬の虫探しを楽しもう!
ここまで紹介してきたように、冬の季節であっても、実は意外と多くの虫たちに出会うことができます。
またフユシャクを観察していると、一見あまり変化がないように見える冬でも、自然界では"より細分化された季節"があることがわかります。
夏は夏で楽しい季節ですが、冬には冬の楽しい観察ができるので、ぜひお近くの公園などの手すりや擬木柵にいる生き物たちを探して観察してみてください!
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