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ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシ|沖縄の輝くカメムシたち

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ナナホシキンカメムシ

沖縄でとってもきれいなカメムシを見つけたよ!

このカメムシは、どんな虫なのかな?

こんな疑問にお答えします。


写真の虫は、ナナホシキンカメムシ


南西諸島に生息するキンカメムシで、特に八重山地方に行くと普通に出会うことができる金ピカの美しいカメムシです。


同じく南西諸島で見られるキンカメムシに、ミヤコキンカメムシがいます。


この2種ですが、写真の比較だけでは意外と違いが分かりづらい


ところが実際に2種に出会ってみると大きく印象が異なり、それぞれが違う魅力を持っています。


というわけで、それぞれの魅力や実際に出会って分かった2種の違いについて紹介します!


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。


そんな虫好きの僕が、ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシの特徴と魅力を紹介します。




 

沖縄で見られる美しいキンカメムシたち

今回紹介するナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシは「カメムシ目キンカメムシ科」というグループに属する昆虫。


キンカメムシの仲間は南方に生息している種が多い。


この2種も本州では見ることのできない、南西諸島でのみ見られる美しいカメムシたちです。


そのため、彼らは僕にとっても憧れの虫(=出会いたい虫)に含まれる虫たちでした。


というわけで、まずはそんな美しいキンカメムシ2種それぞれの特徴を紹介します。

ナナホシキンカメムシ

ナナホシキンカメムシ


ナナホシキンカメムシの全長は20mmほどで、名前の通り「星=黒い斑点」を6〜7個持ちます。


カメムシのサイズとしては結構大きめで、その輝く姿と相まってかなり存在感があります。


ところで、


あれ?星が10個以上見えるんだけど…


とつい突っ込んでしまいますよね。


実は名前の由来の星の数は「小楯板(しょうじゅんばん ※腹を覆っている部分)のみ」をカウントしているようです。


そうすると上の写真でも確かに星は7つになりますよね。


ちなみに小楯板が腹全体を覆う形態をしているのは、キンカメムシの仲間ならではの特徴。


見た目上、キンカメムシの仲間は上記の特徴により、まるで「甲虫」のように見えます。


例えばカブトムシの場合、飛び立つ時には腹を覆っている硬いはねをパカっと開きます。


一方でキンカメムシの腹を覆っているのは小楯板のため、はねは体の横側に出すのです。




ミヤコキンカメムシ

ミヤコキンカメムシ


ナナホシキンカメムシ同様、美しい緑色金属光沢を持つキンカメムシ。


サイズはナナホシキンカメムシの半分程度で、全長10mm前後。


よりミニチュアで、かわいらしい印象です。


「星=黒い斑点」の数は個体によってばらつきがあります。


僕が観察した範囲では、胸部の星を含めて6〜8個の個体が多そうでした。(生息地域によって違ったりするのかもしれません)


ちなみにミヤコキンカメムシは"交尾している場面"によく出会う気がします。


交尾中のミヤコカメムシ
ミヤコキンカメムシ




ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシの違い

個人的にはナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシの2種は混同しやすい虫たちだと思っています。


その理由は、両者は共通した特徴(南西諸島に生息&緑色の金属光沢)を持つこと。


そしてなんと言っても最大の理由は、星の数のカウントの仕方によってどちらも「ナナホシ」の条件を満たしてしまうため


僕は最初にミヤコキンカメムシに出会ったのですが、「目の前にいる虫はナナホシキンカメムシ?それともミヤコキンカメムシ?」という状態に。


その後実際に両者を観察するまでは、識別に自信が持てませんでした。


きっと片方しか見たことのない人の中には、同じようにモヤモヤした人が多いはず…


というわけで、両者の違いを3つの観点から紹介します。

1. 大きさが違う

両者には2倍程度の大きさの差があるので、実際に観察すれば実は一発で判断できます。


ミヤコキンカメムシのサイズ感としては、最も身近なカメムシとも言える「チャバネアオカメムシ」くらいです。


チャバネアオカメムシ
チャバネアオカメムシ


一方のナナホシキンカメムシは、本州でも見られるキンカメムシの「アカスジキンカメムシ」とちょうど同じくらい。


アカスジキンカメムシ
アカスジキンカメムシ


そう思うと、かなりのサイズ感の差がありますよね。


ちなみに僕は最初にミヤコキンカメムシを観察したので、ナナホシキンカメムシの存在感の強さには衝撃を受けました。


事前にインターネット上で両者の写真を見比べてはいたのですが、やはり写真と本物ではかなり印象の違いがありますね!

2. 色が違う

ナナホシキンカメムシもミヤコキンカメムシも緑色の金属光沢を持つキンカメムシですが、実物を見ると"色味"が結構違います。


もちろん個体差はありますが、

・ナナホシキンカメムシ = 黄色味の強い緑金属光沢
・ミヤコキンカメムシ = 緑味の強い緑金属光沢

といった印象です。


緑味の強いものが多いミヤコキンカメムシ
ミヤコキンカメムシ


その結果、両者共に”美しいキンカメムシ”ではありますが、その美しさはそれぞれ趣が異なるのです。

3. 星の数が違う

先述しましたが、両者は星の数が異なります。


胸部の星も含めてカウントすると、ナナホシキンカメムシは星の数が10個以上になります


1度でも両者を見たことがあれば前の2つの違いで十分識別できますが、初見でチェックするにはこの違いが一番確実で早いかもしれません。


以上のように、ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシはそれぞれ異なる特徴と魅力を持つ虫たちです。


なのでぜひ、いつか南西諸島に訪れて本物の両者を観察してみてください!

ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシと同じ分類に属する虫たち

ベニモンツノカメムシの仲間

ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシはカメムシ目キンカメムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。


[カメムシ目]
半翅目(カメムシ目)の昆虫まとめ|ストローのような口吻を持つ虫たち

[キンカメムシ科]


おわりに:ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシを観察してみよう!

ナナホシキンカメムシとミヤコキンカメムシは南西諸島に生息する美しいカメムシです。


ちなみに嬉しいことに両種共に個体数は少なくなく、なんと同時に見られたりすることもあります。


それぞれ異なる魅力を持つ虫なので、ぜひ本物に出会ってそれぞれ観察してみてください!


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