あ、面白い模様のカタツムリ!
カタツムリって他にどんな種類のものがいるの?
こんな疑問に答えます。
身近な生き物である、カタツムリ。
僕は各地で観察をする中で、カタツムリの仲間にもよく出会います。
カタツムリというと一般的なイメージでは「虫」として扱われますが、実は貝の仲間。
カブトムシのような昆虫やクモたちとは、分類的には大きく異なるのです。
また僕たちは普段「カタツムリ」と呼んで種はあまり意識しませんが、カタツムリには実は多くの種類がいます。
しかも地域ごとに生息する種が違うなど、「ご当地感」も強い、とっても面白い生き物なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な生き物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、カタツムリの種類と魅力について紹介します。
カタツムリは虫ではなく貝である
カタツムリのことを「でんでん虫」とも呼ぶように、カタツムリは"虫"として扱われがちですが、実は「貝」の仲間です。
またナメクジはカタツムリの貝殻が退化したもので、こちらも同じく貝の仲間。
ナメクジもカタツムリと同じ貝類
一方、代表的な虫であるカブトムシやチョウ、クモやダンゴムシは「節足動物」と呼ばれるグループ。
「虫」という言葉に含まれる生き物は広範囲である(※)ため、間違いではないかもですが、少なくとも他の虫たちとは大きく異なる分類グループの生き物なのです。
※
上で出した例の分類をまとめると、以下のようになります。
・クモ…節足動物(クモ綱)
・ダンゴムシ…節足動物(甲殻綱)
・カタツムリやナメクジ…軟体動物(腹足綱)
ちなみに貝の中にも様々な分類グループがありますが、カタツムリやナメクジは、その中でも"陸上に住む巻貝たち"のこと。
そのため、「陸産貝類」や「陸貝」と呼ばれます。
カタツムリの多様性とご当地感
カタツムリには「カタツムリ」という種がいるわけではなく、「オナジマイマイ」「ミスジマイマイ」のように様々な種がいます。
関東ではよく見られるミスジマイマイ
僕らが普段の会話で、上記のような種名ではなく「カタツムリ」と表現しているからか、種を意識する機会が少ないように思います。
例えばクワガタの場合などは「ノコギリクワガタ」「ミヤマクワガタ」と、種を意識して呼びますよね。
しかし知られていないだけで、実はカタツムリもとっても多様な生き物。
日本のものだけでなんと約800種類が知られているのです。
加えて種数だけでなく、「ご当地感」があるというのも面白いポイント。
カタツムリはあまり遠くに移動できない生き物であるため、土地ごとに固有の種や亜種(※)がいます。
※亜種…同じ種ではあるが、地理的な隔絶をして長い期間が経つことで外見が大きく変化したもののこと
関東でしか見られないもの、東北でしか、四国でしか、沖縄でしか見られないものなど、ご当地カタツムリがたくさんいるんですね!
沖縄でだけ見られるアオミオカタニシ
例えば昆虫にも亜種がいるものがいますが、昆虫のほとんどははねを持つため、ある程度の距離を移動できることが多いです。
が、カタツムリはその能力がないので昆虫以上に分化が激しいのです。
それゆえに、カタツムリにはご当地ものが多いのですね。
全国を巡って様々なご当地カタツムリ探しをするとか想像すると、僕はとってもワクワクしちゃいます!
カタツムリとナメクジの種類
ミスジマイマイ
関東や甲信地方で見られるカタツムリ。
貝殻には多くの変異があります。
関東では一般的なカタツムリで、僕も森などでよく出会います。
ヒダリマキマイマイ
貝の巻き方に注目。
カタツムリの巻き方には右巻きと左巻きのものがありますが、名前の通りこのカタツムリは「左巻き」です。
オオケマイマイ
なんと貝殻に「毛」のあるカタツムリがいるのですね。
写真のオオケマイマイは数年前に山で出会ったのですが、こんな姿のカタツムリもいるのだとびっくりしました。
キセルガイの仲間
樹木や朽木などでよく見かける貝たちです。
キセルガイにも色々な種類がいます。
ナメクジ
「ナメクジ」という種名のナメクジ。
家の壁とか公園、森など色々な環境で見られます。
アオミオカタニシ
沖縄に生息する、緑色のカタツムリ。
残念ながら、殻から本体が出ているところは観察できませんでした。
カタツムリについてもっと知るには
カタツムリの種類や情報って、ネットではなかなか見つからない…。
そのため、僕もカタツムリの情報が集められず識別できないものが多かったのですが、以下の「カタツムリ ハンドブック」をゲットしてからは迷宮入りが減りました!
約150種のカタツムリが掲載されているほか、カタツムリに関するコラムもたくさん紹介されていて、とっても勉強になるし単純に面白いです!
ハンドブックなので、サイズもコンパクトでかさばらないのも良いですね。
これを読んでカタツムリの知識が増えると、街歩きや森歩きでの楽しみ(カタツムリ観察)が増えますよ!
おわりに:カタツムリを観察しよう!
カタツムリは身近な生き物ながら、実はその生態や特徴については知らないことが多い。
僕もまだまだ知らないことだらけですが、カタツムリについて知るたびに彼らの生き物としての面白さが分かってきます。
こんなふうに興味の対象を広げると、日々の楽しみがどんどんが広がっていくと思います。
身近な場所にもたくさんのカタツムリが暮らしているはずなので、ぜひお近くで彼らを探して観察してみてくださいね!
他の虫の紹介、虫ゲーム・アプリ、虫観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓