ネイチャーエンジニア いきものブログ

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ミヤコドリはオレンジ色のユニークなくちばし!呼び名はニンジン

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ミヤコドリ

あ、個性的なオレンジ色のくちばしの鳥がいるよ!

この鳥ってどんな鳥 ?

こんな疑問にお答えします。


写真の鳥は、ミヤコドリ


白黒のモノトーンの羽で、オレンジ色の長いくちばしを持つ、ユニークな姿の鳥です。


ミヤコドリには、その姿から「ニンジン」という呼び名も。


ミヤコドリは旅鳥・冬鳥として干潟や海岸で見られますが、「東京湾」では冬に多くの個体を見ることができます!


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。


そんな鳥好きの僕が、ミヤコドリの特徴と魅力を紹介します。




 

ミヤコドリのユニークな外見

にんじんと呼ばれる鳥

ミヤコドリは「チドリ目ミヤコドリ科」というグループに属する鳥ですが、日本で見られるミヤコドリ科の鳥はこの1種のみです。


ミヤコドリの姿で最も特徴的なのが、なんといっても”オレンジ色のくちばし”。


その細長い形と色味から、ミヤコドリは「にんじん」と呼ばれることがあります。


にんじんと呼ばれることもあるミヤコドリ
ミヤコドリ


僕はその表現を聞いてからは、「そう言われると、もうにんじんにしか見えない」となってしまいました。


誰が呼び始めたのかは分かりませんが、実に的確な表現だと思います笑

ユニークなのはくちばしだけではない

また、ミヤコドリの外見のユニークなところは、にんじん型のくちばしだけではありません。


白黒のモノトーンのはねも特徴的で、素敵な色合いをしていますよね。


モノトーンのはねも美しい
ミヤコドリ


他にも白と黒のカラーの組み合わせの鳥はいますが、ミヤコドリの白黒はちょうど半分ずつの割合になっていて印象的です。


さらに、ミヤコドリは"全長45cm"と他のチドリ類に比べるとかなり大きいです。


このように、ミヤコドリはサイズも大きい上にユニークな姿を持つため、とっても存在感のある鳥なのです。




英名「Oystercatcher」の名前の由来

ミヤコドリの英名は「Oystercatcher」と言います。


これは日本語に訳すと「カキを捕らえるもの」という意味。


この英名の由来にも、あのユニークなくちばしが関係しているのです。


ミヤコドリは、"カキのような二枚貝"を好んで食べます。


その時に役立つのが、「細長いくちばし」。


あのにんじん型のくちばしは、ただユニークな姿をしているだけではなく、ちゃんと実用性を兼ねているのです。


その使い方はというと、くちばしを貝の殻の間に差し込むこと


そうすることで、貝の固い防御を打ち破ることができるのです。


その決定的瞬間が、こちら。


貝を捕らえるミヤコドリ
ミヤコドリ


見事、殻と殻の間にくちばしが差し込まれています!


それにしても器用に差し込むものですよね笑


ミヤコドリに出会った時は、このくちばしの使い方にも注目です!

ミヤコドリと東京湾

ミヤコドリは「都鳥」という名前の通り、「東京湾」でも多く見ることができます。


以下は「三番瀬」という東京湾に接する干潟で撮影したものですが、ミヤコドリがずらり。


三番瀬のミヤコドリ
ミヤコドリ 三番瀬 東京湾


この様子を見るとミヤコドリの和名と本当に関係があるように思ってしまいますが、名前の由来には諸説あるようで、東京湾には関連はないです。


そもそも実はミヤコドリの飛来は全国的には局地的で、どこでも見られる鳥というわけではありません。


東京湾は国内でも特別ミヤコドリが多く集まるという、「特殊な場所かつ希少な場所」なのです。


僕は北海道や千葉の海岸などでミヤコドリを見たことがありますが、いずれも少数で、東京湾ほど多数のミヤコドリを見たことはありません。


ちなみにミヤコドリが、日本に飛来するパターンは「旅鳥」と「冬鳥」の2つがあります。


旅鳥は「繁殖地と越冬地の間の移動中に立ち寄る」パターンで、冬鳥は「その土地で越冬する」パターン。


旅鳥はあくまで立ち寄りなので短い期間しか見られないのですが、東京湾のミヤコドリは「冬鳥」です。


そのため、冬の間の一定期間、ミヤコドリを観察するチャンスがあるのですね。


このような希少な環境である三番瀬ですが、実はかつて埋め立て計画があった場所でした。


しかし2001年、この埋め立て計画は、地元住民の反対運動などによって中止。


もし埋め立てが行われていたら、現在のように東京湾で多くのミヤコドリの姿を見ることはできなかったかもしれません。


ただ現状も周囲の埋め立てや都市化などによる影響もあるようで、環境悪化の危機は続いているとのこと。


現在は三番瀬の再生事業も行われていますが、まだまだ課題も多い状況のようです。


ミヤコドリを含む干潟の生き物たちが多くが生活するこの希少な環境を、今後も守っていきたいものです。


ミヤコドリと同じ分類に属する鳥たち

イカルチドリ

ミヤコドリはチドリ目ミヤコドリ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。


[チドリ目]
チドリ目の野鳥まとめ|ユニークな水鳥を多く含むグループ

[ミヤコドリ科]


おわりに:ミヤコドリを観察してみよう!

ミヤコドリはとってもユニークな姿を持つ魅力的な鳥です。


姿だけでなく、えさを探す行動や、チドリのような歩き方など、行動の観察もとても面白い鳥。


もし関東付近にお住まいであれば、地元住民たちの努力によって守られた「三番瀬」で出会うことができるので、ぜひ一度観察してみてください!


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