山でカラフルな鳥を見つけたよ!
この鳥はどんな鳥なのかな?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、ソウシチョウ。
カラフルな姿を持つ、とてもきれいな小鳥です。
山地でよく見かける鳥ですが、実はソウシチョウは本来日本に生息していないはずの鳥。
人の手によって移入したものが逃げ出してしまった「外来種」の鳥なのです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、ソウシチョウの特徴と魅力を紹介します。
ソウシチョウはカラフルできれいな外来種
ソウシチョウは「スズメ目チメドリ科」というグループに属する鳥。
緑・黄・オレンジの羽に鮮やかな赤いくちばしを持つ、カラフルでとてもきれいな小鳥です。
カラフルできれいなソウシチョウ
まるで絵本やアニメに出てくるような姿の鳥ですよね。
僕も山を歩いていて初めてソウシチョウを見た時には、そのカラフルで美しい姿に興奮したのを覚えています。
このようにソウシチョウはとっても魅力的な鳥なのですが、実は”外来種”。
その中でもさらに「特定外来生物(※)」に指定されています。
外来生物法にて、外来生物(人が海外から移入した生物)の中で、生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を及ぼす、または及ぼすおそれがあるものの中から指定されたもの。
特定外来生物に指定されていると、飼育や持ち運びなどに関して厳しい制限が課せられます。
つまり外来生物の中でも、在来の生物や生態系等に対して特に悪影響を及ぼす可能性のある種であると判断されているということです。
ソウシチョウは本来、中国やベトナムに生息する鳥。
江戸時代頃から輸入されて飼育対象としても人気があったようですが、これらの個体が逃げ出して野生化してしまったようです。
現在は本州中部以西の広範囲で野生化し、笹藪のあるような山地で見られます。
実際僕が各地で自然観察をしていても、山地では高頻度でソウシチョウを見ることがあります。
人がソウシチョウを移入させてしまったことで、もともと日本の山地で生息していた動植物や生態系に少なからず影響を与えてしまっていると思われます。
鳥は翼を持つため、一度定着してしまった(しかも広範囲に)ソウシチョウをいなくすることは難しいでしょう。
僕たちができることは、「今後外来種を増やさないようにするにはどうしたらよいのか」といった学びに変えることではないかと思います。
ソウシチョウ自体はとても魅力的な鳥であるので、本来の生息地でじっくりと観察したいものですね。
ソウシチョウは鳴き声も美しい
実はソウシチョウは姿だけでなく、鳴き声も美しい鳥。
繁殖期には複雑で朗らかにさえずります。
鳴き声も美しいソウシチョウ
そのさえずりは同じくさえずりの美しさで定評のある「クロツグミ」に似ていると言われますね。
さえずりに定評のあるクロツグミ
ところで、ソウシチョウはよく鳴きます。
先述した通りソウシチョウには山地で出会うことがほとんどですが、その鳴き声でソウシチョウの存在に気付くことも多いです。
また美しいさえずりとは対照的に、警戒時には「ギチチチ…」と大きくけたたましい声を出すのも存在感を強めています。
さらに非繁殖期には群れを作り、そのカラフルな姿と相まって目立つため、登山をよくする方にとっては”山でよく出会う鳥”という印象があるかもしれません。
ちなみにソウシチョウは漢字で「相思鳥」と書きます。
この名前の由来は、”つがいを引き離すとお互いに鳴き交わすことから”だそうです。
もし山でソウシチョウに出会ったら、その鳴き声にも注目してみてください!
ソウシチョウと同じ分類に属する鳥たち
ソウシチョウはスズメ目チメドリ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[チメドリ科]
おわりに:ソウシチョウに注意してみよう!
ソウシチョウは本州中部以西の山地に生息しています。
広範囲に広がっていることは望ましくはないのですが…
もし登山中などに出会った時には、この記事で紹介した姿や鳴き声に注目して観察してみてください!
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