カッコイイ蛾がいた!
この蛾は、どんな虫なのかな?
こんな疑問にお答えします。
写真の虫は、ハスモンヨトウ。
幼虫は広食性で、その名前をWebで検索すると"害虫"としての情報ばかりが出てきます。
しかし、実はその成虫はとてもかっこいい姿を持ち、その生態も面白い蛾なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ハスモンヨトウの特徴と魅力を紹介します。
ハスモンヨトウはかっこいい蛾
ハスモンヨトウは「チョウ目ヤガ科」というグループに属する昆虫。
その名前をWebで検索すると"害虫"としての情報ばかりが出てきますが、その姿はとてもかっこいいのです。
そのかっこいい姿が、こちら。
かっこいい姿を持つハスモンヨトウ
姿を見るとまず目立つのが、はねの中心にある”白い大きな筋状の紋”。
この紋が斜めに入るのが特徴的であり、これこそが「斜紋(はすもん)」の名前の由来となっています。
他にも、ところどころに青みがかった斑紋があったり、後半部にある雲のような灰色の筋もオシャレ。
このように、はね全般に複雑な模様が入り、少年心をくすぐるかっこいい姿をしているんですよね。
ハスモンヨトウは、同グループの中でもひときわ華やかな印象のある蛾なのです。
ハスモンヨトウの幼虫は害虫
ハスモンヨトウの名前をWebで検索すると、”害虫”としての情報ばかりが出てきます。
というのも幼虫は「広食性」であり、幅広い野菜や作物を食べるからです。
その対象はサトイモやナス、ネギ、イチゴ、マメ科植物、キク科植物など、本当に幅広い植物たち。
これらの植物を育てている方にとっては、ハスモンヨトウは厄介な存在でしょう。
ハスモンヨトウの幼虫
ちなみに「夜盗虫」と呼ばれる、昼間は土の中などに隠れ、夜になると表に出てきて植物の葉を食い荒らすヤガ科の幼虫たちがいます。
ハスモンヨトウの名前の「ヨトウ」とは、この夜盗虫を意味しています。
ハスモンヨトウの成虫は秋によく見られる
ハスモンヨトウの成虫は春〜秋まで見られるようですが、僕が出会ったことがあるのは夏以降で、「秋」に見ることが圧倒的に多いです。
秋の季節は個体数も多く、いつも彼らを見つけると、そのかっこいい姿を見てワクワクした気持ちになります。
秋に出会うことの多いハスモンヨトウ
ハスモンヨトウは光に集まる習性も強いようで、上のような植物に集まっている姿だけでなく、街灯付近でもよく出会いますね。
ところで、ハスモンヨトウは寒さに弱く、野外での越冬は難しいようです。
つまり秋に出会った個体は、そのほとんどが年を越えられずに死んでしまうのですね。
これらに関して調べていたら、「ハスモンヨトウは越冬ができないことから、春は密度が低いため見つかりづらく、個体数を減らす前の季節である秋にはたくさん出会える」という情報がありました。
上記は秋にハスモンヨトウに出会いやすいという僕の観察経験と一致していますが、ハスモンヨトウの寒さ耐性が関係している(かもしれない)、というのは僕が知らなかった情報であり、学びになりました。
またハスモンヨトウは飛翔力が高く、初夏〜夏の時期は南西風に乗り、なんと海を渡って国外からやってくる個体もいるのだとか。
普段何気なく観察している虫たちに出会えるのには、その虫の生態や能力など、様々なことが関係しているのですね。
このように、その虫の生態や発生の背景を知ると、観察がより楽しくなります。
あなたもこれからハスモンヨトウに出会った時には、今回紹介したポイントにも注目して観察してみてください!
ハスモンヨトウと同じ分類に属する虫たち
ハスモンヨトウはチョウ目ヤガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[ヤガ科]
おわりに:ハスモンヨトウを観察してみよう!
ハスモンヨトウは実にかっこいい姿をしている蛾であり、しかも比較的普通に見られる嬉しい種です。
特に秋は見つかりやすい季節なので、もし出会うことができたら、ぜひじっくりと観察してみてください!
虫のすごい能力や特性を楽しめるバトルゲームも配信中!こちらもぜひ、遊んでみてください↓
■ 虫が主役のターン制バトルRPG「虫&バトル」
他の虫の紹介、虫ゲーム・アプリ、虫観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓