虫の名前の漢字って、難しい字を使うことが多いですよね。
そんな虫の漢字のこと、知っていますか?
「虫を漢字で書くことなんてほとんどないし、虫の名前の漢字って必要あるの?」
と思うかもしれません。
確かに必要性はあまりなくなってきているかもしれませんが、虫の名前の意味を調べると、案外面白いんですよ!
そんな面白い虫の漢字の意味について解説していきます。
虫の名前とその漢字
飴坊(=アメンボ)
ナミアメンボ
飴坊は、「アメンボ」という呼び名の由来でもあります。
アメンボは、分類上カメムシに近い仲間です。
そのため、腹部分ににおいを出す機構があります。
このにおいが、飴(あめ)のようなにおいのため、「あめんぼう=飴坊」と名付けられました。
揚羽蝶(=アゲハチョウ)
ナミアゲハ
揚羽蝶の「揚」はどういう意味なのでしょうか?
いくつか説がありますが、有力な説は、
花の蜜を吸う時に、羽を震わせている姿から
とのことです。
昔の人はプルプルしているところが羽を揚げているように見えたんですね。
※いくつか説がありますが、有力な説が上のものです
確かに他のチョウは羽を震わせる事はしないので、アゲハチョウの特徴であると言えますね。
蚊(=カ)
ヒトスジシマカ
蚊の漢字は、虫へんに文(ぶん)と書きます。
蚊の羽音はどんな音がしますか?
「ブーン」ですね。
まるでなぞなぞですが、これが名前の由来のようです笑
蝉(=セミ)
クマゼミ
「蝉」という漢字はクマゼミの鳴き声に由来していると言われています。
蝉は音読みで「セン」と読みます。
この言葉を作った人は、クマゼミの鳴き声を「センセンセンセン…」と聞きなしたんですね。(僕には「シャーシャーシャーシャー」と聞こえますが…)
この「セン」という音を取って、「蝉」という言葉を作りました。
天道虫(=テントウムシ)
ナナホシテントウ
テントウムシを手の平に乗せたことはありますか?
テントウムシを手の平に乗せると、指を上に上によじ登っていきます。
そして指先にたどり着くと、太陽の方向に羽を広げて飛んでゆくのです。
太陽は「お天道様」とも呼ばれますね。
太陽に向かって飛んでいく姿から、「天道虫」と名付けられたのです。
蟷螂(=カマキリ)
オオカマキリ
蟷螂とはとっても難しい漢字ですが、こちらは中国から渡ってきた漢字を当てたものです。
蟷螂は「とうろう」とも読みます。
「蟷螂の斧(とうろうのおの)」という故事があります。
これは、自分の弱さをわきまえず強者に立ち向かうはかないさまをたとえた言葉です。
カマキリの、車や人間など自分よりはるかに大きなものが立ちはだかっても逃げずに威嚇する姿を表しているんですね。
ちなみに、カマキリには「鎌切」 という漢字も当てられています。
「その大きな鎌で切ること」が由来かと思いきや、「鎌を持ったキリギリス」といった説もあるようです。
飛蝗(=バッタ )
トノサマバッタ
飛蝗、または蝗とも書きます。
漢字は中国から由来したもののようです。
かつてバッタをどういう存在をどう見ていたか、この「蝗」について調べてみると理解できます。
バッタは草食性であり、農家にとっては農作物を食べる害虫です。
このバッタが大発生することがあり、大集団で村を襲って農作物を根こそぎ食べつくします。
そしてその地域を滅ぼします。
食べつくしたら、また次の村に移動しそこでも根こそぎ食べつくす。
これを繰り返します。
バッタの「飛蝗」と呼ばれるこの行動による災害は、「蝗害(こうがい)」と呼ばれて三大災害の1つになっています。
これが中国ではしばしば起こるため、バッタは当時の人たちにとって非常に恐ろしい生き物だったのです。
おわりに
虫の漢字、意外と面白い発見があったのではないでしょうか?
- その虫に対してどういうイメージが持たれていたのか
- その虫がどんな特徴や習性を持っているのか
虫の漢字という短い言葉の中に色々な意味が込められていました。
虫の名前の由来を理解すると、もっと虫のことを知れるかもしれませんよ!
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