かわいい花!だけど葉っぱのにおいが強烈だよ!
これって、どんな植物?
こんな疑問にお答えします。
写真の花はドクダミという植物。
ドクダミの葉は独特な青臭いにおいを持ちます。
しかしこの植物はただ臭いだけでなく、様々な薬効を持つ上に、強力な繁殖力を持つすごい植物!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、ドクダミの特徴と魅力を紹介します。
ドクダミは様々な薬効を持つ薬草【十薬】
ドクダミは様々な薬効を持つ有用な植物で、民間薬として使われてきました。
例えば、ドクダミの葉から作られる「どくだみ茶」が有名ですよね。
多くの薬効があることから、ドクダミは漢方名では「十薬」と呼ばれています。
その薬効の詳細については、以下のサイトで紹介されています。
このように、ドクダミって人にとって有用なすごい植物なんです!
ドクダミの名前の由来
「薬効」説
「ドクダミ」って変わった名前ですよね?
この変わった名前の由来には、いくつかの説があるようです。
そのうちの1つは、その薬効が由来の「毒痛み」という説。
「毒を矯める・止める」や「毒や傷みに効能がある」ということから、毒痛み=ドクダミとなったとのこと。
「毒溜み」説
もう1つは先ほど消化したサイトにも記載のある「毒溜み」説。
何か毒でも入ってるのではないか?ということからドクダメ(毒溜め)がドクダミへと変化してこの名がついたと言われている。
ここにある通り、ハート型の可愛らしいドクダミの葉には独特の臭みがあります。
独特の臭みを持つトクダミの葉
特に葉をちぎった時なんかはそのにおいが強く出ます。
僕個人的には絶えられない程のにおいではないのですが、確かに苦いような、青臭いような臭みがします。
ドクダミを見つけたら、ぜひドクダミの葉のにおいを感じてみてください!
ドクダミはクローンで増殖する能力を持つ
強い繁殖力の秘密
ドクダミは強い繁殖力を持つ雑草としても定評があります。
その強さの秘密の一つは自らクローンを作れること。
普通、植物は受粉して種子を作ることで、子孫を残していきます。
※受粉については以下で詳しく紹介しています。
ところがドクダミは受粉をすることなく、勝手にクローンを作って増殖することができるのです。
3倍体という性質
それはドクダミが3倍体という性質を持っていることが関係しています。
ちなみに3倍体の植物は他にはセイヨウタンポポやヒガンバナなどがあります。
3倍体(倍数体)の細かい仕組みは以下のサイトで解説されていますので、詳しく知りたい方はぜひ見てみてください。
受粉をしなくても自己完結して増やせることで、彼らは受粉が必要な植物と比べて増殖が容易なのです。
ただし自己増殖にはメリットばかりでなく、環境変化に対応しづらいというデメリットもあります。(世代を超えても性質が変化しないため)
しかしこのようなドクダミの3倍体という性質を用いた繁殖力は、注目すべき能力ですね!
ドクダミの花
白い部分は花ではない
ドクダミの花というと白い部分が花のように見えますが、実はこの部分はがくという部分で、花ではありません。
花にあたる部分は真ん中の黄色い部分。(集合花)
でも先述した通り、ドクダミは自己増殖するため受粉する必要がありません。
実際、ドクダミの葉は虫にかじられていることもないし、花に虫がついているところも見ません。
「アブラナ科」も虫にとって毒になる成分を持つ植物。
そんなアブラナ科にだって克服する虫(モンシロチョウ)がいるもの。
しかし、ドクダミには全く虫が寄りつかないのは不思議なものです。
ドクダミが虫を誘引するようなことを全くしていないからなのでしょうか?
植物の世界もとっても不思議ですね。
八重咲きのドクダミ
ちなみにドクダミにはヤエドクダミという、八重咲きの園芸品種があります。
ヤエドクダミ
公園や人里近くでたまに見ることがあるので、こちらもぜひ探してみてください!
おわりに:ドクダミのにおいを体験してみよう!
ドクダミは身近に観察できる植物ですが、初夏の季節に花を咲かせ、その白い姿はとても綺麗です。
そしてぜひ一度体験してもらいたいのが、ドクダミのにおい。
そのにおいを一度かぐと、彼らを覚えられること間違いなし!ですよ。
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