世界全体が「新型コロナウイルス」により大混乱していますが、そんな中こんなニュースも舞い込んできました。
フィンランドの研究機関の推計によると、中国では3月1日までの4週間で二酸化炭素(CO2)排出量は2億トン減少し、前年同期比では25%減となった。この間の削減量はオランダの年間排出量に相当するという。
地球温暖化は世界的に深刻な問題です。
その原因の1つとされるのが、温室効果ガス。
このブログでも以前、環境省開催の「地域適応コンソーシアム関東地域事業セミナー」に参加した時のレポート記事を書きました。
このセミナーでは、2100年には産業革命前の水準と比べて「世界平均地上気温が3.7~4.8℃上昇する」とのこと。
温室効果ガスをかなり強く抑制して、ようやく上昇気温を2℃未満になる、という厳しいものでした。
今回、新型コロナウイルスの流行によって、世界中の経済活動が停止。
皮肉なことに、それによって温室効果ガスの抑制が強くかかり、ニュースのような結果をもたらしたのです。
この朗報は脅威によって偶発的に得られたものではありますが、僕は「地球温暖化を解決するのは無理なことではない」という希望をもたらした、とも感じています。
そこから僕は、"今回のことを学びとし、僕たちの今後の行動のヒントにできないか"と考え、光明の一つ「リモートワーク」に焦点を当てて僕の考えをまとめてみました。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な生き物に出会ってきました。
ここ3週間ほどリモートワークで仕事してきた僕が、リモートワークを経験して得た学びについて紹介します。
リモートワークは地球温暖化を防ぐ鍵になるかもしれない
新型コロナウイルスと地球温暖化について、以下のページでも専門家による考察が書かれています。
この記事では、以下の4つの観点から「国際的な温暖化防止努力にとっては逆風であるという見方は強い」とも述べられています。
2. コロナ問題の深刻化による政府・国民の温暖化問題への関心の低下
3. 経済活動再開によるCO2のリバウンド
4. 原油価格低下の影響
ガスの排出量の減少がニュースになりましたが、上記のようなマイナスの側面も確かに大きい。
一方、先ほどの記事では「テレワークやテレビ会議等が新たなビジネスプラクティスとして定着すれば、低エネルギー消費パターンへの変化のきっかけになるのではないか」との記述もあります。
僕は新型コロナの影響で、ここ3週間ほど、まさにほぼ完全リモートワークで仕事をしてきました。
今までにも、単発であったり、チームの一部の人がリモートワークした経験はあったのですが、「チーム全員」のように本格的なリモートワークの導入経験は初めて。
その結果、思った以上に広い範囲の仕事に適用できるのではないか、と僕は感じたのです。
リモートワークは社会に取り入れることができる=恒常的なCO2削減が可能。
経済が復帰した後にも、より良くする手立てが何かあるのなら、それに向かって何かできればと僕は思います。
というわけで、僕がフルリモートワークを体験してみて、良かったところ・悪かったところを共有したいと思います!
リモートワークは意外と不便ではない
僕がリモートワークを体験して思った一番の所感が「意外と不便ではない」でした。
リモートワークは一人で完結する作業なら全く問題はありません。
ただ、実際の仕事は、「チームとの連携や確認」が必要なことが多い。
僕が事前に思っていた懸念点はそこで、「チームメンバーとの時間軸が合わないこと」だと思っていました。
例えば今までの経験だと、チャットで連絡しても会議中であったり、外出中ですぐに返信が来なかったりするイメージでした。
ところが今回はチーム(もしくは全社)全員が"リモートワーク前提"。
なので、基本的にみんなPCの前で作業しており、日中の時間軸のずれはあまりありませんでした。
議論や相談をする時など直接話したい時には、相手もリモートしていると分かっているので、チャット一本「今電話しても良いですか?」と聞いて、相手がOKならすぐに会話ができます。
もし自分だけがリモートの場合だと、相手の会議や外出中の予定、今いる場所など気にしなくてはなりませんが、そういうところに気を使わなくて良いのがラクでした。
ちなみに僕がリモートワークでのコミュニケーションにあたって、特別なツールなどの準備はしていません。
普段から使っている「Slack」と「Google Apps」で十分でした。
※Slackでテレビ電話もできるし、相手に画面を見てもらいたい場合は、画面共有もできます。
チームの一部の人だけがリモートワークだと不協和も生まれそうですが、信頼のあるチームメンバー同士で歩調を合わせてリモートワークをするならば、ぶっちゃけ「オフィスでなくとも全く問題ない」くらいに感じています。
ちなみにチームはエンジニアだけではなく、メンバーはそれぞれ別の職種・役割ですが、それぞれ大きな問題は出ていなさそうです。
だからこそ、リモートワークの導入は幅広い職種・業態で行けるのでは、と思ったのです。
リモートワークのメリット
その他リモートワークをする上で感じた、主なメリットをいくつか紹介します。
2. 会議が減る
3. 動かなくて良い
通勤がなくなる
まず一番は、通勤時間を削減できることです。
通勤時間が片道1時間だとしたら、
・10時間/週
・40時間/月
が削減できるのです!
家から出る準備をする必要もないので、実質さらに時間が削れているでしょう。
また、満員電車のストレスからも解放されます。
それに通勤しなくて良いということは、交通費も掛かりません。
僕はフリーランスでもともと交通費は支給されないので、交通費分おトクです笑
個人以外を見ても、
・社会:通勤以外の電車利用者は、電車が空いていて嬉しい
・地球:車や電車など交通で使うエネルギーが減って嬉しい
このように、「個人」「会社」「社会」「地球」の全てが享受できるメリットなのです!
会議が減る
全社でリモートすると、会議が減ります。
「これだけは定期的にやろうか」くらいで、本当に必要な会議に絞られるのです。
オンラインで資料を作っていると、「あれ、これ会議じゃなくて資料の共有だけで良いのでは?」となるケースもありそうです。
会議室を抑えて実際に人が集まる会議では、なんとなく会議室を抑えてる時間分使おうとしてしまうものです。
しかし電話での会議だと、要件が終えた後にはわざわざ電話を繋いでおく必要はないでしょう。
なんとなく人を集めていたけど、実はあまり集まる必要がなかった、といった非効率なものは減るように思います。
動かなくて良い
とにかく移動量が減ります。
例えば僕の場合、制作物はほとんどPCの中にあるし、仕事に必要なものは机の周辺に揃っています。
・事務作業をする
・開発な必要な機器を出し入れする
全ての作業が体の方向を変えるだけで可能です。
あと地味に、オフィスだとトイレに行くのにもそれなりに歩く必要があったりしますが、自宅なら一瞬でトイレに行けるし、トイレが空いていないこともありません。
会議に移動することもなければ、食材があればランチに外出する必要もありません。
移動に使う時間は限りなく減らすことができるでしょう。
リモートワークのデメリット
逆にリモートワークの、デメリットと感じた部分をいくつか紹介します。
2. 運動不足
3. 気軽な会話から生まれるアイデアが出づらい
作業時間に区切りが付けづらい
家で作業していると作業に区切りがないので、なんとなく作業を続けてしまいがちです。
今は外に出られない分、夜もチャットの通知が来た時にその対応、空き時間に個人事業の作業、とスキマ時間は少なくなってしまったように感じます。
ただ、ここは会社やチームで「仕事ごとに作業時間を決める」といったルール決めで解決する問題かと思います。
運動不足
何よりも歩く・動くことが減るので、運動不足になります。
コロナ復帰後にリモートワークする場合は、意識的に歩くようにする必要があるかもです。
ちなみに僕は普段からデスクワークで運動不足になりがちですが、その分自然観察で運動不足を解消していました。
ところが今は新型コロナの影響で、自然観察での運動ができていません。
今は買い物に行くときに少し長めに歩く、などで対処しています。
そもそも一番の楽しみである自然観察ができないこと自体の影響で、ストレスが溜まってしまいがち。
そんな時の対処として、僕の自宅での生き物の楽しみ方を以下の記事で紹介しています!
気軽な会話から生まれるアイデアが出づらい
通常出社時には、ランチ中や歩きながらの会話など、気軽なコミュニケーションの中で生まれるアイデアがあります。
しかし、リモートワークでは必要以上のやり取りはしなくなりがち。
そのため、上記のような人との会話でのシナジー効果は得づらくなります。
ただし、定期的にライトなコミュニケーションの場を設けることで、この問題は回避できるのではないかと思います。
というのも振り返ってみると、通常出社している時も「作業に追われている時には、結局隣にいる人との会話も少なくなる」と思ったのです。
なので通常出社/リモート関係なく、「コミュニケーションできる場」が設けられていることが大切なのではないかと気付いたのです。
実際、今の仕事で週に一回そういうミーティングが開催されています。
その場では普段顔を付き合わせられない分新鮮さもあり、会話が出て来やすい場になっていると感じています。
おわりに:リモートワークにはメリットがたくさんある
フルリモートを経験してみて、リモートワークにはデメリット以上に大きなメリットもたくさんあると感じました。
もちろん顔を合わせることも大事で、完全にリモートではなく、定期的にそういう場も必要だと思います。
ただ仕組みと意識を整え、バランスを考えて活用できれば、通常出社よりも仕事の効率を大きくあげることも可能だと思います。
僕の経験を参考に、リモートワークを試す会社やチームが増え、作業効率を高めつつ社会の温室効果ガスの排出量を減らすことにも繋がると嬉しいです!
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