家の中だと自然と触れ合えない!
自然と触れ合う方法はないかなあ?
こんな悩みにお答えします。
新型コロナウイルスの影響で、僕も今までの人生の中で一番と言えるくらい外出が少なくなっています。
この状況で僕が最も苦しいのは、「自然を見に行けないこと」。
正直めちゃめちゃ自然に飢えていますが、今は外出はできる限り控えなくては…。
このような状況により、自然と自宅でできる自然観察をする機会が増えていきました。
すると、外出する自然観察とは違うたくさんの学びが!
ということで、僕のように「自然観察をしたいなあ」と思っている人のヒントになればと、僕の自宅での自然観察をお伝えしたいと思います!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な生き物に出会ってきました。
僕の自宅での自然観察「ベランダ植物観察」について紹介します。
ベランダ植物観察
今回紹介するのは「ベランダ植物観察」です。
ベランダからは、意外に多くのものが観察できます。
その中でも「樹木」は遠くからでも観察しやすいのでおすすめです。
僕がベランダ植物観察で得られた気付きのいくつかを紹介します。
植物から得られる季節感
植物は"季節による変化"を感じやすいのが、大きな魅力の1つです。
分かりやすいのは、「花」や「果実」。
桜が咲く季節には"春"を、柿の実がなる頃には"秋"を感じることができます。
ソメイヨシノの花が咲くと、春を感じられる
僕の自宅のベランダからはビワが見えますが、
・初夏 → 果実をつける
というふうに、やはり季節ごとの変化が嬉しいですよね。
植物の季節を実感する上では、「定期的な観察」が重要です。
なぜなら、花によっては数日で見れなくなってしまうものもありますし、果実であっても熟すにつれ刻々と色が変化するものもあるため。
このような季節による変化を観察する上で、自宅での植物観察はとても大きなメリットがあります。
それは「苦労なく毎日観察できる」こと。
いくら自然観察が好きでも、毎日特定の場所に出かけるのは難しい。
仕事や予定もありますし、天候にも左右されます。
しかしベランダからの観察なら、朝起きて5分だけ外を眺める、でもOK。
しかも天気に関わらず毎日観察できるということは、
「1つの花がもつのは〇日間くらい」
といった、かなり詳しい観察ができるのです。
ちなみに僕は今年、ベランダから"ある樹木"が見えることに気が付きました。
その樹木を意識し始めたのは、ムクドリがたまたま幹に止まったからでした。
ムクドリ
新型コロナの自粛が始まってすぐの頃は、その樹木には葉がまったくない状態で、ちょっと遠い場所にあったので何の樹木かわかりませんでした。
しかし5月に近付くと、丸裸だった枝に葉が1〜2週間でわんさか出てきました。
なんだかとても気になり、ついには何の木か確認に行ってしまったのです。
するとイチョウであることが分かりました。
もし自宅で観察していなかったら、イチョウの葉が生える時期や、成長スピードの速さは知らないままだったでしょう。
そもそも、イチョウの存在自体にも気付かなかったかもしれません。
負荷なく継続的に観察できるというのは、とっても重要な要素なのです。
植物同士の戦い
"戦い"というと、動物同士で行うイメージがありますが、実は植物同士もかなり激しく争い合っています。
僕らが見える範囲で最もよく争いが観察できるのが、「日光争奪戦」ではないでしょうか。
先ほど紹介した通り、自宅のベランダからはビワが見えるのですが、昨年の秋頃、つる植物の「カラスウリ」が猛烈に繁殖し、その葉でビワを覆ってしまったのでした。
ちなみにカラスウリは、以下のような可愛らしい果実をつける植物です。
カラスウリの果実
「樹木全体がカラスウリに覆われちゃったけど、大丈夫かな?」なんて思っていたら、ビワにはさらなる災難が。
剪定で、幹や枝がバッサリ切られてしまったのです。
樹木の背の高さは2/3くらいの大きさになってしまったでしょうか。
しかもカラスウリの葉で覆われた部分はそのまま。
「もしかしたら、ビワは枯れてしまうかもしれないなあ」なんて思いましたが、植物はやっぱり強い。
今年の春頃にはグングンと新しい葉を伸ばし、以前の寂しい様子なんて微塵も感じさせない、たくましい姿になっているのでした。
以下の記事でも紹介した通り、多肉植物が枯れかけから復活した時も驚かされましたが、樹木もまたとんでもない生命力ですね。
花を咲かせた時だけの姿を見ると、「かわいい」「美しい」という感じで終わってしまいがち。
だけど年間を通して見る植物の姿からは、「たくましさ」「力強さ」といったものも感じることができます。
他の動物との関係
植物を観察していると、植物に集まってくる動物たちも合わせて観察することができます。
例えば、植物の花の蜜や果実を食べる野鳥。
以下のヒヨドリは、花の蜜も果実もよく食べる鳥で、僕の自宅からも、よく樹木の周りで見ることができます。
植物によく集まるヒヨドリ
また、他にも果実の種類によって様々な野鳥が観察できます。
・秋に柿の実がなる → ヒヨドリ、ツグミやメジロなど
というのも、野鳥たちは植物にとっては、種子を遠くに運んでくれる、大事なパートナーでもあります。
植物たちは、美味しい果実を野鳥にもてなす代わりに、その翼で遠くに種子を運んでもらっているのですね。
ところで、植物に集まるのは野鳥だけではありません。
ミカン科の木の葉がごっそりなくなっているのは、おそらくアゲハチョウの仲間の幼虫によるもの。
アゲハチョウの幼虫
僕のベランダから見えるミカン科の木も枝の葉がなくなっていますが、手の届く位置でないので犯人はまだ特定できていません。(いつかあばきたいと思います)
葉がないと植物は光合成ができませんから、鳥たちと違って、葉を食べる虫たちは植物にとっては厄介な存在なのです。
また、僕の自宅近くには夏にヤブガラシの花が咲きます。
ヤブガラシの花
この花はとても小さいにも関わらず、チョウの他、スズメバチやハナアブ類がよく集まってきて、ベランダからも観察できます。
よく集まる時間帯が違ったり、天候による違いなど、色々な条件下での観察も、自宅ならではの楽しみです。
このように、植物と他の動物たちとの関係も、とっても奥深くて面白いですよ!
おわりに:ベランダ植物観察は奥深い
ベランダ植物観察には、外出する観察とはまた違った楽しみがあります。
森の中を歩いて癒される、のような効果はないかもしれませんが、身近な自然の魅力を再発見できるかもしれません。
身近な場所でできる楽しみが増えるのは良いこと。
ぜひ一度、自宅からの植物観察、試してみてくださいね!
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