あ、キリギリスの仲間が鳴いてる!
この虫ってどんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、ササキリ。
全国に分布する、キリギリスの仲間です。
ササキリは夜だけでなく昼も鳴くので、その存在に気付きやすい昆虫です。
またササキリの幼虫の姿も特徴的で、赤くてかわいらしいんですよ!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ササキリの魅力を紹介します。
ササキリはキリギリスの仲間
ササキリは「バッタ目キリギリス科」という分類グループに含まれる、キリギリスの仲間です。
キリギリスの仲間のササキリ
キリギリスというと、以下の記事で紹介した通り、秋に鳴き声で楽しませてくれるものが多い。
秋の音楽隊キリギリスたち(写真はリーダー「キリギリス」)
その特徴はササキリも持っていて、晩夏〜秋の季節には僕たちにその鳴き声を聞かせてくれる虫です。
ササキリのオスとメスの違い
また、ササキリを含むバッタ目の仲間のメスは長い「産卵管」を持ちます。
これは名前の通り産卵のために用いるもので、植物の茎や土などの産卵場所にこれを差し込み、産卵管を通じて卵を産みつけるのですね。
先ほど掲載した写真(オス)と、メスのものを並べてみます。
ササキリ オス
ササキリ メス
メスのお尻についている、長い突起が産卵管です。
なので、この産卵管の有無によって、見た目で雌雄の見分けができます。
ちなみに、ササキリには個体変異があり、たまに「黄色型」のササキリが見つかります。
黄色いササキリ
こういった、個体ごとの姿の違いも比較すると面白いですよね!
ササキリの鳴き声
個人的には、ササキリはよく鳴いている印象があります。
ササキリの鳴き声は「ジリジリジリ…」と、大きくはっきりとした声。
認識しやすい声なので、存在確認をしやすいからかもしれません。
それにササキリは昼も夜もよく鳴くため、昼間の探索でも出会いやすいです。
しかも、あまり逃げない。
コオロギなどは鳴き声が聞こえて近くに行くと、ピタッと鳴くのをやめてしまうことが多い。
それに対してササキリの場合は、ある程度近づいてもその場で鳴き続けてくれる場合が多いのです。
などなどの理由から、ササキリはキリギリス類の中でもとても観察しやすい虫です。
ササキリの幼虫はかわいい
ササキリの成虫は大体晩夏以降に現れますが、幼虫にはそれよりも前の季節に出会えます。
その幼虫の姿が、こちら。
ササキリの幼虫
ササキリの幼虫は、成虫の姿とは印象が少し違って、赤い色をしています。
胴体も短めで、なんだかキャラクター味の強い、かわいい姿ですよね。
他のキリギリスの仲間の幼虫は、緑色の姿のものが多いので、ササキリの幼虫は見分けやすいです。
初夏〜夏頃、林的な環境がある場所で出会いやすいので、ぜひ幼虫の姿にも注目してみてください!
ササキリと同じ分類に属する虫たち
ササキリはバッタ目キリギリス科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[バッタ目]
直翅目(バッタ目)の昆虫まとめ|脚(あし)が強く発達した虫たち
▼
[キリギリス類]
キリギリス類は秋の音楽隊!鳴き声で秋の夜を楽しませてくれる虫たち
おわりに:ササキリを観察してみよう!
ササキリは晩夏〜秋の終盤まで、観察できる虫です。
「ジリジリジリ…」という声が聞こえたら、ぜひその声の主を探して観察してみてください!
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