あ、「ツクツク」鳴いているセミがいる!
このセミは、どんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、ツクツクボウシ。
「ツクツクホーシ」という鳴き方をし、この特徴的な鳴き声は名前の由来にもなっています。
セミというと「夏の虫」のイメージですが、ツクツクボウシは比較的遅い時期まで活動していて、秋頃まで観察できる嬉しいセミなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ツクツクボウシの特徴と魅力を紹介します。
ツクツクボウシの姿
セミは意外と見分けが難しい
ツクツクボウシは「カメムシ目セミ科」というグループに属する昆虫です。
その特徴的な鳴き声からツクツクボウシの名前は知っている方が多いと思いますが、「その姿はよく知らない」という人も意外といるのではないでしょうか。
そのツクツクボウシの姿が、こちらです。
ツクツクボウシ
この姿を見て、「そうそう、これがツクツクボウシだ!」とピンと来たでしょうか?
意外と、他のセミとの区別がつかないのではないでしょうか。
実は透明なはねを持つタイプのセミたちは、慣れないと外見で見分けるのが結構難しいんですよね。
ツクツクボウシは小さい
身近なセミたちの中でのツクツクボウシの見分けポイントとしては、「大きさ」。
アブラゼミやミンミンゼミなどと比べると、ツクツクボウシはかなり小さいのです。
僕の愛用する図鑑「日本の昆虫1400」によると、アブラゼミは53〜60mmで、ツクツクボウシは41〜47mmとあります。
数字では大きな差がないように思いますが、これには羽の長さが含まれているので、胴体で見るともっと差があるように感じます。
夏にはセミの抜け殻がよく落ちていますが、幼虫には羽がないのでツクツクボウシの抜け殻は明らかに小さいです。
オスとメスの姿の違い
あと、ツクツクボウシはオスとメスで姿が大きく違います。
では、実際にオスとメスの姿を見てみましょう。
ツクツクボウシ オス
ツクツクボウシ メス
オスは胴長で、メスは腹の先が細長くなっています。
メスが持つ細長い管を「産卵管」と言い、産卵時、この管を樹木の幹に差し込んで卵を産み付けるのです。
セミの仲間はオスとメスで大きく体型が違うことがあり、オスが胴長でメスの腹の先端が尖っている傾向がありますが、ツクツクボウシは特に顕著な違いがあるのです。
ツクツクボウシを見つけたら、ぜひこの部分にも注目して観察してみてください!
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ツクツクボウシの鳴き声
ツクツクボウシといえば、
の鳴き声が有名ですよね。
この鳴き声は、その名前の由来にもなっています。
ただ実際一通りの流れを聞いていると、
が正しい連結のように思います。
というのも、
↓
オーシー!オーシー!オーシー!…
↓
ジジジジジ…
と、「ツクツク…」の後に、鳴き方が変わるのですよね。
なんにしても、この起伏のある鳴き方は、何度聞いても飽きずに楽しく聞くことができます。
今度ツクツクボウシが鳴いていたら、ぜひ一連の流れを聞いてみてください!
ツクツクボウシは遅い時期まで観察できる
ツクツクボウシは、他のセミと比べると若干発生が遅い印象です。
しかしその代わりに、身近なセミの中ではかなり遅い時期まで観察することができます。
セミの声というと夏の時期のイメージで、遅くても9月頃までの印象ですが、ツクツクボウシの鳴き声はなんと10月くらいまで聞けるのです。
10月頃まで観察できる、ツクツクボウシ
秋の虫シーズン後半までセミの声を聞けるのは、ツクツクボウシくらい。
その声で遅い時期までシーズンを盛り上げてくれる、ありがたいセミなのです!
ツクツクボウシと同じ分類に属する虫たち
ツクツクボウシはカメムシ目セミ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[カメムシ目]
半翅目(カメムシ目)の昆虫まとめ|ストローのような口吻を持つ虫たち
▼
[セミ科]
セミ(蝉)の種類と特徴|鳴き声と鳴く時間帯の違いが面白い!
おわりに:ツクツクボウシを観察してみよう!
ツクツクボウシは、鳴き声だけでなく、姿や生態にも面白い特徴があるセミです。
秋まで楽しめるセミなので、秋の生き物観察の時にもぜひ注目してみてください!
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