ネイチャーエンジニア いきものブログ

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冬芽とは|樹木の面白い冬越し対策

ミツマタ 冬芽

木の枝先に面白いものがついてた!

これは何?

こんな疑問にお答えします。


写真はミツマタの冬芽


冬芽とは”樹木が冬越しをするための姿”で、樹種によって様々な姿や特徴を持っています。


冬芽を知っていると、冬の植物観察をさらに楽しむことができ、冬の散歩がさらに面白くなるんですよ!


僕はネイチャーエンジニアの亀田です。


年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。


そんな生き物好きの僕が、「冬芽」について解説します。




 

冬芽とは

冬芽とは、樹木や多年草がつける「休眠状態の芽」のことです。


オオシマザクラの冬芽
オオシマザクラ 冬芽


冬芽の中には、葉やつぼみが入っており、この姿で越冬して翌年に葉や花を出すのです。

冬芽のおもしろい点

僕が考える、冬芽の注目したい点は以下の通り。

1. 冬の寒さ・乾燥対策
2. 多彩な姿
3. 樹木の見分けのヒントになる

1. 冬の寒さ・乾燥対策

冬は寒さ・乾燥の厳しい季節です。


冬芽は、このような厳しい気候に備えるための仕組みです。


その対策の仕方は植物ごとに違い、どういう対策をしているのか注目するのも面白いです。


例えば、「芽鱗(がりん)」という、冬芽をガードするためのうろこ状のものがありますが、これをたくさん重ね着しているものがいます。


コナラなどがそのタイプです。


コナラの冬芽
コナラ 冬芽


コナラは薪やしいたけ栽培のほだ木にも利用されるため、里山を代表する樹木ですね。


また、毛皮のようなふさふさの毛で冬芽を覆っているものもいます。


ハクモクレンなどがそのタイプです。


ハクモクレンの冬芽
ハクモクレン 冬芽


春になると、ここから可愛らしい白い花を咲かせます。


他にも、ネバネバの粘液に包まれているもの、不凍液を持つものなど、植物ごとの冬への対策が面白いのです!




2. 多彩な姿

冬芽という名前自体あまり知られておらず、はっきり言って僕は最初、冬芽は地味でマニアックな印象がありました。


ところが実際に観察してみると、冬芽の姿自体が多彩でとても面白いのです。


以下は、マルバアオダモの冬芽。


マルバアオダモの冬芽
マルバアオダモ 冬芽


枝先の真ん中にはとんがり頭の大きな冬芽があり、その横にはちょこんとお供の側芽(そくが)ついています。


まるでマスコットキャラクターがバンザイしているような、かわいらしい姿です。


逆に、以下のタラの芽で有名なタラノキの冬芽はいかつい姿。


タラノキの冬芽
タラノキ 冬芽


太くがっしりした枝には鋭いトゲがたくさんついており、強そうな姿をしています。


また、ミツマタの冬芽。


ミツマタの冬芽
ミツマタ 冬芽


ミツマタの冬芽は葉が出る芽と花が出る芽に分かれています。


花が出る芽はまるで蜂の巣のような姿をしていて、とても面白いですよね。


ちなみにミツマタは早春の頃、葉を出す前に黄色の可愛らしい花を咲かせる植物です。


また、古くから和紙の原料として日本人に使われてきた植物です。


ミツマタについては、以下の記事でも紹介しています。


今紹介した以外にも、冬芽には様々な姿のものがあるので、色々と見てみると面白いと思います!


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3. 樹木の見分けのヒントになる

冬芽は「樹種の見分け」にも役立ちます。


植物は花が咲いていたり、果実をつけていると見分けがしやすくなりますが、それらが見られる時期は限定的だったりします。


また、落葉樹の場合、冬には葉すらも落ちてしまい、その場合には見分けるためのヒントがすごく少なくなってしまうのです。


しかし、そこで活躍するのが冬芽。


例えば、ムラサキシキブ


ムラサキシキブは花やピンク、果実は紫色でよく目立ちます。


ムラサキシキブの花
ムラサキシキブ


ところが、これらがなく葉すらも落ちてしまう冬の季節は、見分けるのはなかなか困難です。


しかし、近付いて冬芽を見てみると、かなりユニークな姿をしているのです。


ムラサキシキブの冬芽
ムラサキシキブ 冬芽


ムラサキシキブの冬芽は芽鱗を持たない裸芽(らが)で、槍のような形をしています。


側芽の枝に接しておらず離れているのも特徴的です。


ただ実際のところ、冬芽だけで見分けるのは難しいものも多いのですが、枝の出方や樹皮、残っている果実などのヒントと組み合わせることで見分けができたりします。


特にヒントが少なくなる冬の季節には、冬芽は識別の心強い味方なのです!

冬芽の図鑑

冬芽に特化した図鑑というのは少ないのですが、以下の「冬芽ハンドブック」は様々な植物の冬芽の特徴や見分け方を紹介してくれています。



ハンドブックというだけあって、外への持ち歩きもしやすいので、冬芽に興味が出たらぜひ手にとってみてください!

おわりに:冬芽を観察してみよう!

僕は生物観察を始めてからしばらくの間冬芽のことは知らず、その存在を知っても最初は「地味な印象だな」と思っていました。


ところがいざ観察を始めてみると、その多様な姿に夢中になっていました。


冬は昆虫も少ないため、冬の探索は比較的短時間だったのですが、冬芽の観察を始めてからは冬の雑木林観察にかける時間が長くなりました笑


冬芽のことを意識すると冬の散歩がより楽しくなると思うので、ぜひ観察してみてください!


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