あ、赤いカミキリムシがいるよ!
このカミキリムシは、どんな虫なの?
こんな疑問にお答えします。
写真の虫は、ベニカミキリ。
ベニカミキリは「紅色(赤色)の美しい体」を持つカミキリムシです。
また、この姿はただ美しいだけでなく、敵から身を守るための"機能美"を備えたものでもあるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ベニカミキリの特徴と魅力を紹介します。
ベニカミキリは赤いカミキリムシ
ツチイナゴは「コウチュウ目カミキリムシ科」というグループに属する昆虫。
名前の通り、「紅色(赤色)の体」が特徴的なカミキリムシです。
赤いカミキリムシ、ベニカミキリ
鮮やかな赤色には、ついつい目を惹きつけられてしまいますよね。
このベニカミキリのカラーリングは、体内に毒を持つ「ベニボタル」に姿を似せている(=擬態)と言われています。
ベニボタル
赤い体というのは目立って敵から狙われやすそうですが、有毒の虫に擬態することでむしろ敵から狙われにくくする、という戦略なのですね。
このような擬態のことを「ベイツ型擬態」と言います。
それを踏まえて昆虫観察をしていると、ベニカミキリと同じような配色をしている虫は意外と多く見られます。
例えば、以下のアカハネムシもそうです。
アカハネムシ
こちらも名前の通り、赤いはねがよく目立つコウチュウです。
ベニカミキリは「春」によくみられますが、アカハネムシも同様に春に見られます。
ベニボタルにベイツ型擬態していると言われている虫たちは他にもまだまだいるので、ぜひ探して観察してみてください!
ベニカミキリと竹
ベニカミキリは竹林の周辺で見られることが多いです。
ベニカミキリは竹林周辺でよく見られる
というのも、ベニカミキリの幼虫は「竹材」を食べるため。
例えばモウソウチクやマダケなどを食べますが、これらの竹は人が利用する種でもあるため、”竹の害虫”として扱われることもあるようです。
カミキリムシは害虫として扱われることが多いのですが、ベニカミキリは他のカミキリとは少し違う点があります。
他のカミキリムシの場合の害は、生きた樹木の内部を食べることで弱らせてしまう、というものが多いです。
しかしベニカミキリが食べるのは枯れた竹であり、「伐採した竹(これから加工する竹など)に穴を空けてしまう」という害なのですよね。
ところで個人的には「害虫」という言葉はあまり好きではありません。
というのは立場によって害があるかないかは変わるにも関わらず、虫そのものが悪者だという印象を与えがちなためです。
しかし害虫による被害状況を調べたりすると、意外に"重要な学び"があることも多いです。
というのも、害の内容はその生き物の習性や生態をよく表していることがあり、時には"図鑑などよりもリアルで具体的な情報"を得られるためです。
実害があるので、対策のために研究される機会が多いというのも大きいのでしょう。
生き物について調べる時は、図鑑だけでなくいろいろな視点や立場からの情報を見てみるのも面白いですね!
ベニカミキリと同じ分類に属する虫たち
ベニカミキリはコウチュウ目カミキリムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ
▼
[カミキリムシ科]
カミキリムシの種類と魅力|強力なあごを持つかっこいい昆虫たち
おわりに:ベニカミキリを観察してみよう!
ベニカミキリは竹林がある場所の周辺では、意外に出会いやすい虫です。
鮮やかな紅色の体は美しく、こんな素敵な虫が身近に見られるなんて嬉しいことですよね。
もし彼らと出会うことができたら、ぜひその美しい姿をじっくりと観察してみてください!
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