カワウってどんな鳥?
鵜飼い(うかい)って何?
こんな疑問にお答えします。
ネイチャーエンジニアの亀田です。
最近は色々な場所で見られるカワウ。
しかし、実はカワウは少し前は激減してしまった野鳥でした。
今は個体数か回復しましたが、害鳥としても扱われるようになってしまいました。
そんなカワウは、狩りに特化した攻撃的な水鳥。
その能力を活かして、鵜飼(うかい)漁に利用されていたほど。
今回は、そんなカワウの能力と、人との関わりについて紹介します。
カワウ(川鵜)の能力と特徴
身近なウ(鵜)はカワウとウミウ
カワウはカツオドリ目ウ科の水鳥。
ウ科の鳥の中でも、身近に見られるウは「カワウ」と「ウミウ」です。
カワウとウミウの見分けは、結構細かいところを見る必要があって難しいのですが、生息地である程度判断できます。
ウミウは海にしかいません。
カワウは海にいることがありますが、内陸にいるウはほぼカワウ。
海以外で見るウはカワウと思ってほぼ間違いないです。
遊泳能力=狩りに特化した水鳥
カワウはその能力を、泳ぐことに大胆に割り振った鳥です。
ウは追い込み漁をすることで有名な鳥。
つまり、泳ぐ能力が非常に高いのです。
僕も、川でカワウがボラなどを追い込んでいる場面をよく目にします。
カワウがこのような行動を可能にするには、身体的な理由があります。
例えばカモなどの水鳥は油を出す能力があり、羽毛にこの油をつけます。
この油分をつけることで羽は水を弾きやすくなり、以下のようなメリットがあります。
・羽の耐久性が高まる
・水がしみこまなくなるため防寒性が高い
カモがくちばしで羽毛の手入れを入念にしているのは、この油をこすりつけているため。
一方、カワウは油を出す機能が弱く、このメリットを捨てています。
なぜなら、油で水が弾かれると潜水しにくくなり、狩りがしにくいため。
そう、カワウは水上での浮かびやすさや防寒性よりも、狩りを優先したのです。
カワウが水から上がって羽を広げている姿をよく見ます。
これは羽を乾かすための行為。
これは前述した理由から、他の水鳥と比べて羽が乾きにくいために行っている行動なのです。
カワウの繁殖羽(婚姻色)
カワウにも繁殖羽(婚姻色)があり、繁殖期と非繁殖期で姿が変わります。
季節による姿の違いについては、以下の記事をどうぞ↓
カワウの繁殖羽は以下の通りで、大分印象が変わります。
カワウ 繁殖羽(婚姻色)
頭から首にかけて白い部分が現れ、随分とイケメンなイメージになります。
なぜか冬にもこの姿になっているものをたまに見かけるので、繁殖羽になる時期は個体差が大きいのかもしれません。
カワウの個体数の変化【害鳥扱いされてしまうことも】
カワウはかつて、人間の生活による河川の水質汚染によりえさの魚がいなくなり、その個体数が激減した野鳥でした。
1970年代には、日本で3000羽以下まで減ったそうです。
しかし1990年代以降、水質が回復して魚が増えたことで数が増えました。
個体数が回復したこと自体は大変良いことですが、著しい増加によって今度は害鳥扱いされるようになってしまいました。
害鳥扱いされる理由は、主に以下の2点のようです。
・漁業被害: 放流したアユなどが食べられる
水質汚染前は同じようにカワウの個体数が多かったので、同じ問題は前からあったのでは、と思いますよね?
水質汚染前は森などカワウが住める場所が多く、樹木が枯れ切る前に移動することでうまくサイクルが回っていたようです。
ですが今はカワウが定住することが多くなってしまい、問題化しているのだとか。
カワウも、人間生活による環境変化に振り回されている野鳥なのですね。
カワウを迷惑がるだけでなく、うまく共生する方法を考えたいものです。
カワウと人の関係
鵜飼(うかい)漁への利用
ウは、鵜飼漁に使われる鳥として有名です。
鵜飼漁とは、ウが大きい魚を飲み込めないようにのどに紐を巻いて、捕獲した魚のうちの一部を人間がいただくという漁法。
この漁法には、日本ではウミウが使われ、中国ではカワウが使われるようです。
糞を農業の肥料に利用
カワウの糞は農業の肥料として利用できます。
愛知県知多市では、カワウの糞が町の収入源になったことから、カワウは町のシンボルとなっています。
美浜町の「鵜の山」では、先述した水質汚染から一時期カワウが0羽になってしまいましたが、2000年には1万羽が戻ってきたとのこと。
詳しくは以下のページに記載があります↓
おわりに
今回はカワウについて紹介しました。
人間の生活変化によって生き物に影響を与えてしまったり、時には害獣扱いされてしまうこともあります。
記事の後半で紹介したような、受け入れて共生する方法も探して行きたいですね。
まだまだ魅力的な鳥たちがたくさん!そんな彼らの記事は以下でまとめています↓
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では、また。