ネイチャーエンジニア いきものブログ

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エクリプスとは?【カモは季節によって姿が変化する野鳥】

ハシビロガモ エクリプス

野鳥のことを調べてるとよく出てくる「エクリプス」ってどういう意味?

こんな疑問に答えます。

 

エクリプスという言葉は、カモの換羽(生え換わり)に関する言葉。

 

一言で言うと「カモの冬羽」のことです。

 

言葉の定義は以上の通りなのですが、あえてカモの冬羽を呼び分けているのには、ちゃんと理由があります。

 

このエクリプスという言葉は、カモと他の野鳥との習性の違いから生まれたもの。

 

カモの面白い魅力をもっと知れるキーワードでもあります。

 

僕はネイチャーエンジニアの亀田です。

 

年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。 

 

そんな鳥好きの僕が、カモのエクリプスを紹介します。

 

 

エクリプスとは?

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エクリプスの意味は「カモの冬羽」

冒頭にもお伝えした通り、エクリプスとは、カモの冬羽のことです。

 

カモを含む特定の鳥には、季節によって羽が生えかわり、姿が変わるものがいます。

 

その姿は、以下の2種類に呼び分けられます。

  • 冬羽
  • 夏羽

  

多くの人のイメージにあるカモの姿は、おそらく「夏羽のカモ」です。

 

なぜなら、カモは夏羽の方が派手で、冬羽は地味だからです。

 

実際に、カモのエクリプス例を見てみましょう。

 

以下はハシビロガモの例。

 

非エクリプス(夏羽)

ハシビロガモ 非エクリプス(夏羽)

 

エクリプス(冬羽)

ハシビロガモ エクリプス

 

上のエクリプスの写真は、正確には夏羽への換羽中なのですが、印象が全然違うことは分かるかと思います。

 

このように、カモは季節によって姿が大きく変わるんですね。

 

エクリプスという言葉の由来

エクリプスは先述した通りですが、1つ疑問が浮かびませんか?

 

日本で見られるカモのほとんどは冬鳥。

 

「冬なのに何で夏羽の印象が強いの?」

 

と思いますよね。

 

それは、カモ類の換羽の時期が他の鳥と比べて異なるため。

 

基本的に野鳥は春頃になると、夏に備えて冬羽→夏羽に換羽します。

 

ところが、カモは秋の終盤に冬羽→夏羽に換羽します。

 

紛らわしいことに、カモは真冬に夏羽に換羽するんですね。

 

きっと混乱する人が多かったのでしょう。

 

カモの羽は他の鳥とは違う名前に言い換えられました。

  • 冬羽 → エクリプス
  • 夏羽 → 生殖羽(繁殖羽)

 

「生殖羽」とつけられたのは、鳥が夏羽に換羽する理由は、生殖活動を行うため。

(詳しくは後述します)

 

エクリプスの言葉の裏には、こんな背景があったのですね。

 

ちなみに、エクリプス(Eclipse)の英語の意味は、以下のような意味。

  • 力を失う
  • 覆い隠す
  • 日食

 

繁殖時の姿を隠しているような様が由来なのでしょうね。

 

カモがエクリプスに換羽をする理由

先ほど少し触れましたが、カモに限らず鳥は生殖活動を行う時に夏羽(繁殖羽)に換羽します。

 

これは、オスがメスにアピールするためと言われています。

 

ということで、実は換羽して地味な姿になるのは「オスだけ」。

 

メスは繁殖期になっても姿が変わりません。

 

なぜなら、派手な姿をしているということは、天敵に見つかりやすく、危険が高まるからです。

 

鳥は繁殖期になるとさえずります。

 

これもメスへのアピールですが、さえずりに関しても繁殖期以外は行いません。

 

そう、必要がなければエクリプスの地味な姿でいた方が生存しやすいのです。

 

だから、派手な姿でいるのは、繁殖期用のスーパーモードなのです。

 

では、オス・メスも含めて姿を比較してみましょう。

 

「コガモ」を例に解説します。

 

オス 生殖羽

コガモ オス 繁殖羽

 

オス エクリプス

コガモ オス エクリプス

※ 手前がオス

 

メス

コガモ メス

コガモの画像を見て、こう思ったかもしれません。

 

「オスのエクリプスとメスの姿、似すぎじゃない?」

 

そう、カモはオスのエクリプスとメスの姿がそっくりで難しいのです。

 

 コガモの場合、見分け方は「くちばしの黄色い部分」。

  • オス → くちばし全体が黒い
  • メス → くちばしの基部に黄色味がある

 

オスのエクリプスでも、日本に飛来したての頃は、くちばしに若干の黄色味を含むことがあるとのこと。

 

なので、もしかしたら上の写真のメスもオスかも…。

 

というくらい、カモはとても見分けが難しいのです。

 

カモの識別におすすめの図鑑

先述の通りカモは識別が難しいのですが、この図鑑はカモ特化の識別図鑑

 

エクリプスを含む、識別ポイントが詳しくしっかり書いてあります。

 

カモをもっと知りたい方におすすめの図鑑です。

 

カモ以外の野鳥図鑑はこちらをどうぞ↓

 

おわりに:カモのエクリプスを観察しよう!

カモのエクリプスが見られる時期ですが、日本では本州以南だと、飛来当初(晩秋の頃)のみ

 

なぜなら、真冬になると繁殖羽に変化してしまうからです。

 

なので、カモのエクリプスが見るには、意外と短い期間しかチャンスがないのです。

 

ただ、北海道ではカモが繁殖する場所もあり、エクリプスが観察できます。 

 

それは日本が縦に長い国であり、北海道では気候帯が違うから。

 

国内にカモの越冬地も繁殖地もあるのは、僕は日本の大きな魅力の1つかと思います。

 

ちなみに以下では、旅行に行く時に便利なサービスを紹介していますので、旅行に行く際はぜひご活用ください!

  

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