野鳥観察って何から始めればいいの?
必要な装備も知りたい!
こんな疑問にお答えします。
鳥は世界に1万種近くいると言われており、日本でも600種以上の野鳥が観察されています。
野鳥観察は、そんな多様な野鳥との出会いを楽しむ趣味です。
しかし僕が野鳥観察において一番オススメしたい点は、今住んでいる土地の新たな魅力を発見させてくれる趣味であるということです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
僕は社会人になるまで20年以上、神奈川県の海の近くで暮らしていました。(当時は生き物探索もしていませんでした)
それから野鳥観察を始めたので地元を探索してみると、家から近い河川敷でなんとキジに出会ったのです!
日本の国鳥 キジ
キジなんて地元で20年以上暮らしていて一度も見たことがなかったんです。
他にも、猛禽類や、わずかな面積の干潟にシギ・チドリもいることも発見しました。
きっと彼らは昔から暮らしていましたが、僕が彼らや自然に目を向けられていなかったのですね。
このように、長い間暮らしていても、意外とその土地の自然や魅力は知らないもの。
野鳥観察という趣味は、そんな土地土地の隠された魅力に改めて気付かせてくれる趣味でもあるのです。
野鳥観察は素晴らしい趣味ですが、始めようにも「何から手を付けて良いのか分からない」という方もたくさんいるはず。
ということで今回は、これから野鳥観察を始めたいと思っているあなたに、野鳥観察の始め方と、観察に使う道具について紹介します。
野鳥観察の始め方
僕がおすすめする、野鳥観察を進める手順は以下の通り。
2. (カメラを選ぶ)
3. 野鳥の基礎知識を得る
4. 探索に行き経験を積む
5. 個別の野鳥の知識を得る
6. 野鳥の色々な楽しみ方を知る
2. がカッコになっていますが、これは「野鳥撮影」をするかによるため。
野鳥撮影をするつもりがなければ、2. は飛ばして、興味が出た時に見ていただければOKです。
1. 野鳥観察の楽しさを体験する
まずは野鳥観察の楽しさを体験することが重要です。
そこで大事なのが、最初の野鳥観察で失敗をしないこと。
最初に失敗(観察できる野鳥がいない、など)をしてつまらない体験をしまい、野鳥観察という素晴らしい趣味を放棄してしまうのは非常に勿体無いです。
というわけで、最初の観察では以下のような場所・条件で観察してみましょう。
・ビジターセンターや野鳥観察舎があればそこで情報収集
・湿地や池など水辺付近はおすすめ
・朝(〜10時くらいまで)に観察に行く
・真夏(7月後半〜8月)は鳥が少ないので避ける
上記を守れば、野鳥がいないような事態に陥る確率はかなり減らせるはずです。
むしろ観察できる野鳥は色々いるはずなので、存分に野鳥探しを楽しみましょう!
水上にいる鳥や、木の上に止まっている鳥にも注目です。
池があるところでは、人気の野鳥カワセミも見られるかもしれません。
清流の宝石 カワセミ
2. カメラを選ぶ
野鳥撮影において、カメラ選びは非常に重要です。
なぜなら、カメラの選択を間違えると野鳥撮影が上達せず、結果的に楽しめないからです。
僕がカメラ選びで重視すべきだと考えるのは、何よりも「望遠機能」。
なぜなら、野鳥は基本的に遠くにいるもの。
野鳥は基本的に遠くにいる
ズーム機能が弱いと、そもそも撮影するチャンスが得られないのです。
チャンスがないということは、撮影の練習もできないので技術の上達もしません。
野鳥観察上級者になればテクニックや経験で少しはカバーできるかもしれませんが、初級者ではそのようなスキルは持ち合わせていません。
だからこそ、カメラは望遠機能が大事なのです。
望遠機能の重要性や、僕も使っているオススメのカメラは以下で紹介しています↓
あともう1つ、「カメラの使い方」 という壁もあります。
一般的なデジカメと比べて本格的なカメラは機能が豊富。
代わりに、操作や設定も複雑なのですね。
マニュアルや本で勉強するのが正攻法ではあるのですが、ショートカットする裏技があります。
それは、写真撮影の講座を受講すること。
実は僕も、ストアカというサービスで以下の単発の写真講座を受講しました。
結果、今まで使いこなせていなかったカメラの機能の使い方が分かり、写真がより綺麗に・精度高く撮れるようになりました。
時間がない、早く撮影を上達させたいという方にはおすすめです。
3. 野鳥の基礎知識を得る
野鳥観察をする上で野鳥をより楽しめるかどうかは、野鳥の知識があるかどうかという点も非常に大きいです。
何故なら、野鳥が好む環境を知らないと野鳥に出会えません。
また、 野鳥の種類によっては特定の季節しか訪れないものもいて、それも野鳥の習性を知る必要があります。
逆に言えば、野鳥の知識があれば彼らと出会える可能性が高くなるということです。
僕は全国各地に野鳥探索に行きますが、土地勘のない場所もたくさんあります。
しかし、野鳥の好む環境や習性を知っているので、初めて行った場所でも、
「ここには鳥がいそうだな♪」
「ここは木の上に鳥がいないか注意して歩こう」
などと当たりをつけて野鳥観察を楽しむことができるのです。
冬にしか出会えないカモたち
なお、観察の初期に知っておくべきは、野鳥全般に関係する知識。
基礎知識として覚えておいた方が役立つというものを以下で紹介しています↓
▼渡り
▼野鳥の換毛
4. 探索に行き経験を積む
3.で勉強した基礎知識を活かして色々な場所に野鳥観察に行き、観察経験を積みましょう!
慣れてくると色々なフィールドに足を踏み入れることになると思います。
雨上がりのぬかるみや、砂浜、ゴツゴツした石がある場所など、鳥たちがいる場所には歩きづらい場所もたくさんあります。
そんな時に役立つのがトレッキングシューズ。
僕が使っているトレッキングシューズ
トレッキングシューズを履いて探索すると、上記のような歩きづらい場所も難なく歩けるし、疲労もたまりづらいです。
僕にとっては、カメラとトレッキングシューズは探索の必需品です。
詳しくは以下で紹介しているので、ご覧ください。
5. 個別の野鳥の知識を得る
5箇所ほども探索すれば、出会った野鳥も30〜50種類くらいいるのではないでしょうか。
こうなると、自分で野鳥を見つけることができるようになり、実際に多くの種類の野鳥に出会えるようになると、「もっと様々な野鳥を観察してみたい!」と思うようになるはずです。
そうすると必要なのが、個別の野鳥の知識や情報ですね。
当ブログでも野鳥の情報は色々な角度から発信していますので、ぜひ参考にしてみてください↓
▼様々な野鳥の魅力紹介
▼野鳥を楽しく学ぶ方法
▼野鳥識別について
▼オススメの野鳥図鑑
6. 野鳥の色々な楽しみ方を知る
おめでとうございます!
ここまで来たら野鳥観察初心者は卒業ですね!
ちなみに、卒業試験として、以下のスズメに似た鳥をすぐに見分けられたらバッチリですね!
ここからは各自がそれぞれ、野鳥の楽しみ方を見つけて行くことになります。
最初は出会った鳥の種類を増やすことに夢中になるかもしれません。
でも、鳥を知っていくと、鳥に出会うだけでなく、鳥ごとの習性や生態にも興味が出て楽しめるようになります。
例えば、同じ種類の野鳥であっても季節によって姿が変わるものや違う行動を取るものもいますし、生息する地域によって習性も違うものもいます。
例えば、メジロはあまり長距離移動しないことから、地域ごとに違った進化を遂げている鳥です。
例えば、本州にいるメジロと伊豆諸島の三宅島にいるメジロは同じ種ですが姿が違うのです。(これらは「亜種」レベルで違いがあります)
三宅島のシチトウメジロ(メジロの亜種)
メジロのように姿が違うまで行かなくても、同じ種でも街で見られる個体と山で見られる個体で随分雰囲気の変わるものなど、生息する場所や人慣れしているかなどで微妙に行動が違ったりします。
このように、生き物は地域や土地ごとに違って、それぞれ魅力があるんです。
それに、「身近な場所で、想定外の鳥を発見した!」なんてことも。
ここで身近な場所の魅力に改めて気付けるという、冒頭でお伝えした野鳥観察の魅力に繋がりましたね。
今まで気にかけていなかった地元のちょっとした森や川にも、魅力的な野鳥たちがひっそりと生息しているかもしれないのです!
さらに、「野鳥をどうやって楽しむか」という、観察の仕方にも様々なものがあります。
例えば、カメラを使った野鳥撮影は、野鳥の様々な楽しみ方のうちのほんの1つに過ぎません。
・飛翔する姿を観察する
・他の動植物との関係を調べてみる
など、楽しみ方・観察の仕方は無限大にあるのです。
そんな野鳥の様々な楽しみ方は、以下で紹介しています↓
おわりに:野鳥観察で身近な場所をワクワクするスポットに変えよう!
実は僕は最初、鳥よりも虫の方が興味が強かったのですが、様々な魅力的な野鳥に出会うにしたがい、どんどんと野鳥観察にハマっていきました。
そして身近な場所が次々に、野鳥に出会えるワクワクするスポットに変わっていきました。
野鳥観察って本当に楽しい趣味なので、ぜひ一度体験してみてください!
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