面白い花が咲いているよ!
これってどんな植物なの?
こんな疑問にお答えします。
写真の植物は、カラスウリ。
他の植物に巻きつきながら高いところへと上っていく、「つる性植物」です。
カラスウリは夜に花を咲かせる植物で、その姿は特徴的で、とっても面白い!
身近なカラスウリには「カラスウリ」と「キカラスウリ」がいるので、それらの違いも合わせて紹介します。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、カラスウリの特徴と魅力を紹介します。
カラスウリはつる性植物
カラスウリ(キカラスウリを含む)は「つる性植物」です。
つる性植物とは、他の植物に巻きつきながら上へ上へとのぼり、日の当たる良い位置につこうとする習性を持つ植物です。
ビワの樹木に巻きついて良いポジションに立つキカラスウリ
カラスウリの茎はヒョロヒョロで、自立することはできませんが、他の植物を利用することで高みに立つことができる。
このように、「つる性」というのは、弱い植物が自身の弱点を克服するために知恵を絞って身に付けた武器なのです。
ところで上のビワ、樹木全体がカラスウリに覆われて日光ががっつりと遮られている状態でした。
しかもその後、ダメ押しのように剪定で枝が結構切られて、「大丈夫かな?枯れちゃわないかな?」と心配したものですが、そんなものは無用でした。
冬を迎えた頃にはカラスウリの葉は枯れ、冬〜春にかけてビワはぐんぐんと葉を伸ばしていく。
自然界は色々な生物どうしでバランスをとって、うまくやっているのですね。
カラスウリの花
夜に咲かせる白い花
カラスウリの仲間は、大きくて特徴的な白い花を咲かせます。
さらにこの花を咲かせる時間帯にも特徴があり、それは「夜だけ」ということ。
夜に咲いたキカラスウリの花
夜にカラスウリを観察すると、写真のように、花の先の糸のような部分を大きく広げている姿が見られます。
しかもこの花は、夜になると良い香りも放つのも魅力です。
しかしながら、夜はバリバリに活動していた花も、朝になるとしぼんでしまう…。
しぼんだキカラスウリの花
カラスウリの花は、”夜限定で見られる花”であり、動物だけでなく植物にも適した活動時間帯があることを実感します。
ちなみに、上記のキカラスウリは自宅のベランダに侵攻してきたものを撮影したもの。
(Twitterではカラスウリと呼びましたが、種名としてはキカラスウリです)
おかげで自宅で、朝と夜の姿の違いをじっくりと観察することができました。
植物は、自宅でも工夫次第で手軽に自然観察できる&発見も多い、良い観察対象だと思います!
カラスウリとキカラスウリの花の違い
カラスウリとキカラスウリの花は、比べると雰囲気が違います。
カラスウリの花(朝撮影したものなので、しぼんでしまっています)
キカラスウリの花
カラスウリの花は、キカラスウリと比べて、
・花びらの先が分裂していない
といった違いがあります。
カラスウリの果実
小さいスイカみたいな形の果実
カラスウリはウリ科の植物であり、果実はちっちゃいスイカみたいな形をしています。
カラスウリの果実
そしてこれが熟すと、以下のように赤くなります。
カラスウリの熟した果実
美味しそうな果実に見えますが、苦くて食べられないそうです。
カラスウリとキカラスウリの果実の違い
残念ながらキカラスウリの果実の写真はないのですが、キカラスウリの名前は「果実の色」が由来になっていて、黄色い色の果実をつけます。
果実をつける時期は"秋"。
10月頃になるとカラスウリの果実が見られるようになるので、カラスウリとキカラスウリの果実を探してみましょう!
カラスウリに集まる昆虫
カラスウリには、ウリ科植物を食べるウリハムシ類やトホシテントウ、ニジュウヤホシテントウが集まります。
ウリハムシは「トレンチ行動」という習性を持ち、以下のような傷跡をつけて葉を食べます。
ウリハムシのトレンチ行動
カラスウリの葉を見つけたら、集まる虫や食べ跡を観察するのも面白いですよ!
おわりに:カラスウリを観察してみよう!
カラスウリは花はもちろん、実や集まる生き物を観察するのも面白いです。
もし近くにカラスウリがいたら、ぜひ時間帯を変えての観察もお試しください!
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