きれいな青い花!
これって、どんな植物なの?
こんな疑問にお答えします。
上の写真は、夏に青い花を見せてくれるツユクサ。
その爽やかな美しさで、夏の暑い季節を涼ませてくれる植物です。
このツユクサはただ美しいだけでなく、面白い受粉の仕組みを持った植物なのです。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、ツユクサの特徴と魅力を紹介します。
ツユクサの美しい青い花
夏に花を咲かせる
ツユクサと言えば、夏真っ盛りの時期に花を咲かせる植物。
月でいうと6〜9月頃と、本当に夏が好きな植物なんですね。
花の特徴は、何と言っても美しい青い色!
ツユクサの爽やかな青い花
夏の暑い日でも、この美しい青を見るとちょっとだけ爽やかな気分にさせてくれます。
毎日違う花が咲く
ツユクサの花は同じ花がずっと咲いているように見えますが、実は毎日咲いている花が違います。
朝咲いた花は、一日経つとしぼんでしまうのです。
しかしツユクサは苞葉(つぼみを包むように葉が変化した部分)にたくさんの花の仕込まれていて、ハンカチマジックのように次の日にはまた別の花が咲く、というのを繰り返します。
こういう不思議な仕組みがあることによって、ツユクサの花は長い間楽しむことができるのですね!
ツユクサの不思議な受粉
3種類の雄しべを持つ
ツユクサの雄しべは、ちょっと不思議な仕組みになっていて、3種類の型の雄しべがあります。
Y型雄しべ: 3つのX型雄しべより前に出た大きな黄色い部分
O型雄しべ: 花の前に長く飛び出ている2本のひげ状の部分
面白いのが、X型/Y型雄しべは虫の注意を引くことが主な役割のようで、ほとんど花粉がついていません。(Y型には少しついています)
代わりに受粉が主な役割なのはO型雄しべで、ひげの先っちょにたくさんの黄色い花粉が付いています。
さらにO型雄しべは3本あるように見えるのですが、先に黄色い花粉が付いていないのは雌しべです。
ツユクサには以下のようによくアブがやって来ます。
ツユクサにやって来たヒラタアブ
上の写真ではツユクサの作戦通り、O型雄しべによって花粉を体につけられていますね。
自家受粉する
また花粉を虫に運んでもらう仕組みを持っているツユクサですが、ツユクサは自家受粉する仕組みを持っています。
自家受粉とは、他の動物などによって花粉を運んでもらわず、自分自身で受粉する方法。
3種類の雄しべの仕組みしかり、ツユクサはすごい戦略家なのかもしれません。
自家受粉など、受粉の仕組みについては以下の記事をどうぞ。
なお以下の記事でツユクサの受粉について詳しく書かれていますが、1日のうち3回も受粉する仕組みがあるのですね。
植物が繁殖する仕組みを知ると驚くことが多いですが、ツユクサもなんともたくましいものです。
ツユクサの他の仲間
トキワツユクサ
白い三角形の花が綺麗な花。
ツユクサ同様、こちらも夏の間花を咲かせます。
花の大きさは小さめで、少しかよわい雰囲気があります。
ムラサキツユクサ
紫色の大きめの花を咲かせます。
初夏の頃からよく見かけます。
ムラサキツユクサは、群生してたくさん生えているというかは他の草花に混じっていたり、狭いところに細々といるイメージ。
花期としては夏の終わりまで咲くようなのですが、僕の感覚では真夏過ぎた頃からは見かけなくなる印象です。
おわりに:ツユクサの花と共に夏を満喫しよう!
ツユクサの仲間はいずれも花が夏に見られる植物。
彼らは夏の花なのですね。
そんなわけで夏を満喫するには彼らと触れ合うのがピッタリ。
彼らを観察して、夏を感じましょう!
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