はねに3本の白い線があるチョウを見つけたよ!
このチョウってどんなチョウ?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、コミスジ。
はねにある白い3本線がよく目立つチョウです。
しかしコミスジの特徴は白い線だけにあらず、良い角度で光に当たるとはねは美しい緑がかった色が見えることがあります。
さらにコミスジは、「飛び方」まで特徴的。
身近なチョウながら、魅力がたくさんあるチョウなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、コミスジの特徴と魅力を紹介します。
※動画版はこちら▼
コミスジの美しいはね
最大の特徴である白い三本線
コミスジは「チョウ目タテハチョウ科」というグループに属するチョウ。
コミスジの外見で一番に目立つのが、はねにある白い三本線。
白い3本線が特徴的なコミスジ
ミスジチョウの仲間の名前に入っている「ミスジ」は「三筋」を意味していて、この白い3本線が由来です。
ちなみにこの白い線をよく見てみると、実は単純な三本線ではありません。
一番上の線は一部が途切れているし、2本目・3本目は細かい白い斑点が繋がって線のように見えているのですね。
いきものの模様などによくあるのですが、引いた状態だと何かの形として見えるものが、近付いてみると別のものが複雑に重なり合って成り立っていたりします。
このように「マクロな視点」だけでなく「ミクロな視点」で見てみると印象が変わるのも、いきもの観察の面白いところです。
虹色に輝くはね
コミスジのはねの地色は一見真っ黒に見えますが、実は太陽光の当たり方によってその色は変化します。
光の角度によっては、以下のような姿に。
緑がかった虹色に見えるコミスジのはね
虹色がかった深いエメラルドブルーの、とっても美しいはねですよね。
このはねの色は「構造色」というもので、光の反射によって見えるもの。
さらにコミスジをよくよく見てみると、構造色は体にも使われているようで、その体は「美しい虹色」に輝いています。
このように、コミスジは観察すればするほど魅力が見つかる、観察しがいのあるチョウなのです!
コミスジの舞踊のような飛翔
ミスジチョウたちは、その「飛び方」にも特徴があります。
それは、「"はばたき"と"滑空"を繰り返す飛び方」。
「パタパタッ!スイーッ」と、実に巧みな飛翔をするのです。
華やかな飛翔とはちょっとイメージが違い、その静と動のメリハリのある動きには、"古典の舞踊のような芸術性"を感じます。
もちろんコミスジも、この舞いの技術を身につけています。
僕が初めてコミスジに出会った時は、魅了されてしばらくその舞いを眺めてしまいました。
コミスジは飛翔姿も美しい
このように、コミスジは飛んでも止まっても僕らを魅了してくるチョウなのです!
コミスジは「花虫風月」で楽しもう!
コミスジは「複数の季節をまたいで見られるチョウ」です。
コミスジが見られる時期は、春〜初秋頃。
日本は四季があり、自然観察においては日本ならではの「季節による背景の変化」を楽しむこともできます。
コミスジで言うと、夏頃の緑の背景の中で、コミスジの黒いはねは際立って鮮やかに映ります。
一方で秋の紅葉や茶色い地面の背景では、コミスジの黒いはねは馴染んで優しい印象になります。
秋のコミスジ
このように、コミスジは背景と合わせて観察を楽しむのも、オススメですよ!
また、コミスジは里山環境のほか、都市部の公園など身近な場所でも観察できるチョウです。
「花鳥風月」ならぬ「花虫風月」も、ぜひ楽しんでみてください!
コミスジと同じ分類に属する虫たち
コミスジはチョウ目タテハチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[タテハチョウ科]
タテハチョウの種類と魅力|表ばねと裏ばねのギャップが面白い蝶たち
おわりに:コミスジを観察してみよう!
コミスジは飛翔も静止も見どころのあるチョウ。
身近な場所でも見られるチョウなので、彼らに出会ったらぜひ注目して観察してみてください!
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