構造色って何?
どんな色のことなの?
こんな疑問にお答えします。
構造色とは、光の反射によって見える色のこと。
様々な生き物のはねなどに使われています。
この構造色を利用している生き物は、とっても綺麗なものが多く、彼らの美しさを演出しているのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
今回は構造色の意味と、構造色と生き物たちの関係を紹介します。
構造色の意味と仕組み
構造色とは
構造色とは、光の反射によって見える色のこと。
身近な例だと、シャボン玉があります。
シャボン玉は透明ですが、見る角度によって虹色に見えますよね?
あれは光が反射して見える色であり、まさしく構造色なのです。
構造色を利用した生物は美しいものが多い
この仕組みを自身の体に持つ生物たちがいます。
代表的なのは、以前別の記事で紹介した、ヤマトタマムシ。
ヤマトタマムシ
このヤマトタマムシは、羽に緑色の色素を持っているわけではありません。
光が反射すると緑色に見えるという、羽の構造によって輝いて見えるのです。
なのでタマムシは死んでもその輝きを失うことはありません。
上の記事でも紹介していますが、この性質を利用して玉虫厨子といった工芸品が作られています。
※ 玉虫厨子=奈良の法隆寺が所蔵する、装飾に玉虫のはねが使われた国宝の日本工芸品
このように、構造色を使った生き物たちはとっても美しい姿のものが多く、写真映えする美しいものも多いのです。
例えば、野鳥であれば、カメラを使ったバードウォッチングにもぴったりです!
構造色の仕組み
構造色には、実はその構造によって種類があります。
左から薄膜構造(ドバト)、多層膜構造(タマムシ)、 円柱の二次元配列(クジャク)、右端がモルフォチョウの鱗粉にある構造です。
引用元のページで様々な構造色の構造を紹介してくれています。
このように、一口に構造色と言っても色々なパターンがあります。
なので、生き物によって輝き方にも個性があるのですね。
生物にとっての構造色の利点
では、なぜ多くの生き物が構造色を利用するのでしょうか?
生物による構造色の理由について言及している情報は見つからなかったのですが、構造色には色素による発色と比べて確実な利点があります。
それは、発色にエネルギーを使わずに済むこと。
生物自体が色素を生成する必要はないので、エネルギーを使わずに効率よく発色することができるのです。
わざわざこの姿になる理由は色々あるだろうし、生物によって違うと思います。
しかしそんな中、1つ僕が関連があると考える利用方法があります。
それは、異性へのアピール。
例えば、マガモのオスは繁殖期には、綺麗な緑色の姿になります。
マガモ オス(繁殖羽)
この美しい緑色は、もちろん構造色。
マガモのオスは繁殖期以外は、メスに似た地味な色をしています。
つまり、メスへの求愛行動の1つとして、構造色を使った目立つ姿になってメスにアピールするのです。
この時、色素はえさなどに依存するので、色素を使って自分の姿をアピールしようとすると、えさの調達をしなくてはならなかったりして、かなり労力やエネルギーを使うことになります。
なので、自分の力だけで目立つ色を得るには、構造色の方が利点が大きいのでは、と考えています。
ちなみに、派手なクジャクの羽も構造色で、それを使ってメスにアピールをします。
構造色を使っている色々な種類の生物たち
構造色を利用する生物たちには美しい生物が多いです。
ここでは、そんな生物たちを紹介します。
ヨシガモ
こちらもマガモと同様、繁殖期に輝く緑色の頭になります。
変わった頭の形が帽子に見えることから、「ナポレオンハット」という異名を持ちます。
ニジゴミムシダマシ
「虹色」と「ゴミムシダマシ」と、かなりギャップのある名前を持つ昆虫。
この美しい虹色のはねは、光の反射によって見られる色です。
チャノドコバシタイヨウチョウ
メタリックな複数の輝く色が素敵な鳥です。
この鳥はタイヨウチョウというグループの鳥で、日本では見られないグループ。
上の写真はマレーシアで撮影したものです。
このグループの鳥には構造色を利用して、キラキラしている姿のものが多かったですね。
おわりに:構造色を持つ生物たちを観察してみよう!
構造色を持つ生物たちは美しい姿のものが多いです。
また光の加減によって、その美しさが変化するのも魅力的。
ぜひ、実際に輝く美しい生物たちを観察してみましょう!
以下では、野鳥観察の始め方を観察に役立つ知識や道具とともに紹介していますので、ぜひご覧ください!
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