きれいな緑色の頭のカモがいるよ!
このカモってどんなカモ?
こんな疑問にお答えします。
写真のカモは、マガモ。
マガモは日本で最も飛来数の多い、身近なカモです。
また僕たちが料理で食べている「鴨肉」の正体も、このマガモ(正確にはマガモの品種)。
このようにマガモは色々と身近なカモではあるのですが、「輝く緑色の頭」は美しく、観察対象としても面白い鳥なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、マガモの特徴と魅力を紹介します。
マガモの外見的特徴
美しい緑色の頭
マガモは「カモ目カモ科」という分類グループに属する、カモの仲間です。
マガモの最大の特徴は、なんといっても美しい緑色の頭!
美しい緑色の頭を持つマガモのオス
マガモの鮮やかな緑頭を見ると、ついついその美しい輝きに目が奪われてしまいます。
ちなみにこの美しい緑色は、構造色という仕組みによるもの。
構造色は光の反射によって見える色であり、日の当たり方によって輝きが変化するのですよね。
見る角度や日陰などでは鈍い色味に見え、先ほどの写真とは大きく印象が変わったりもします。
角度によっては鮮やかな緑色が見えない
一方で、光が当たっている状態で良い角度から見られると、「感動するほどに美しい輝き」になります。
後述しますが、マガモは僕らにとって非常に身近なカモです。
身近な鳥過ぎて多くのバードウォッチャーにはあまり注目されない印象です。
しかし考え方を変えてみると、こんなに美しい姿の鳥が身近な場所で見られるなんて、むしろとてもラッキーなんですよね。
天気の良い日は、このマガモの美しい頭が観察できるチャンスですので、ぜひ観察してみてください!
マガモのオスとメス
先ほど紹介した緑色の頭を持つのは、オスの姿。
実はメスの姿は、オスよりも地味です。
地味な姿のメス
メスはカルガモに似た姿をしていますが、くちばしのベースはオレンジ色&上部が黒みがかることが見分けポイントです。
マガモに限らず、鳥はメスよりもオスの方が目立つ姿を持つものが多いのですが、これは「オスがメスへアピールをするため」と言われています。
なのでカモも、派手な姿になるのは繁殖期の頃のみ。
派手な姿になるのは天敵に狙われやすくなるリスクもあるので、オスも繁殖中でない時期は地味な姿になります。
マガモ オス エクリプス
メスに似た地味な姿をしていますが、くちばし全体が黄色なのでオスだと思われます。
このようなオスの非繁殖期の地味な姿を「エクリプス」といいます。
冬に飛来するカモの仲間は、飛来直後はエクリプスで、滞在中に鮮やかな繁殖羽に変わっていきます。
季節に応じた変身を観察するのも、カモ観察の醍醐味なのです!
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マガモは最も飛来数の多いカモ
日本で見られるカモの多くは「冬鳥」です。
そのため、一部のカモ以外、基本的に冬以外には見られません。(北海道などでは冬以外も見られます)
例に漏れずマガモも冬鳥であり、基本的にマガモを観察できるのは「冬」です。
そんな冬ガモの中でも、マガモは「日本で最も飛来数が多いカモ」でもあります。
川、湖のほか、身近な公園の池などでも見られるので、"最も身近な冬ガモ"とも言えると思います。
また、庭園のような環境の水上にはマガモがよくいる印象があり、紅葉の季節に庭園の池に浮かんでいる姿はとても趣があります。
ちなみにマガモは世界的にも広く分布する鳥で、僕が以前ニュージーランドに行った時も、マガモは多く見られました。
鴨肉とマガモ
マガモの品種
蕎麦屋の「鴨せいろ」、和食の「鴨丼」、洋食の「鴨肉のロースト」。
鴨(カモ)の名前が付く料理ってありますよね。
僕たちが普段料理で口にしている「鴨肉」のほとんどは、「マガモとその品種」です。
具体的には、以下の通り。
・アヒル(マガモを家禽化したもの)
・アイガモ(アヒル x マガモ)
上記の通り、「アヒル」「アイガモ」は、どちらも種としてはマガモなのです。
アイガモ
マガモとは、以下の違いで見分けられます。
・おしりが大きく、ずんぐりした体型
アイガモとの交雑問題
カモは「野生化でも交雑することがある」という特徴を持ちます。
交雑とは、別種をかけあわされて雑種ができること、を言います。
多くの場合交雑して生まれた個体の多くは繁殖能力が失われてしまうのですが、カモの場合は雑種にも繁殖能力が残ることがあります。
そのため、野鳥観察していると雑種個体に出会う機会も比較的頻度が高いのです。
カモにこの特徴から「アイガモとの交雑問題」というものがあります。
野生のカモが、アイガモやアヒル(人為的に交雑が行われたマガモたち)と交雑してしまう問題です。
これが行われると、生物多様性における「遺伝子レベルの多様性」が脅かされてしまう可能性があります。
ちなみに僕は各地で野鳥観察をする中で、アイガモやアヒルが関係していそうな交雑種らしき個体を、実際に何度も見たことがあります。
以前は遺伝飼育個体を野生化に放つことに対する影響が分からなかったり・認知されていなかったりしたでしょう。
でも今後は、カモに限らず飼育した動植物を野生環境に放つことは、最新の注意を払いたいものです。
マガモと同じ分類に属する鳥たち
マガモはカモ目カモ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カモ目]
カモ目の野鳥まとめ|水上生活に適応した美しい水鳥たち
▼
[カモ科]
鴨(カモ)の種類と魅力|カモは地味な野鳥ではない!実は個性的で面白い姿を持つ
おわりに:美しいマガモを観察しよう!
マガモの繁殖羽はとっても美しい。
マガモだけでなく、他にも僕たちの身の回りには、多彩で美しい鳥たちがたくさんいます。
僕は全国各地に探索に行きますが、素敵な野鳥たちに出会う旅は、毎度とってもワクワクするのです。
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