あ、草の上に虫がいるよ!
この虫は、どんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、クツワムシ。
クツワムシはキリギリスの仲間で、秋にはその鳴き声で季節をにぎやかにしてくれる虫です。
その"大きくてユニークな鳴き声"は特徴的で、クツワムシの名前の由来にも関係しているのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、クツワムシの特徴と魅力を紹介します。
クツワムシは大型のキリギリス類
クツワムシは「バッタ目クツワムシ科」というグループに属する昆虫です。
大型のキリギリス類で、かなり存在感のある昆虫です。
存在感のあるクツワムシ
僕の愛用する図鑑「日本の昆虫1400」によると、その体長は50〜55mm。
この数字だけで見れば、同等のサイズのキリギリス類は他にもいます。
では、なぜクツワムシは存在感が強いのか?
それは「体の幅」が関係しているように思います。
バッタ類・キリギリス類は細長いシルエットのものが多いのですが、それに対して幅が広めのクツワムシは、ガタイが良く見えるのです。
さらにクツワムシは、このあと紹介する「鳴き声」も特徴的であり、その存在感を大きくしている要因であると思います。
クツワムシの鳴き声と名前の由来
クツワムシは多くのキリギリス類と同様に、「秋に鳴く虫」の一種です。
ではクツワムシの鳴き声はどのような声なのでしょうか?
図鑑などで調べると、「ガチャガチャ」と書いてあります。
クツワムシの名前はこの鳴き声に由来していて、馬に乗る時に馬の口にはめる「轡(くつわ)」を引く時の音に似ていることからのようです。
ただ、実際にクツワムシの鳴き声を聞いてみると、想像する「ガチャガチャ」とは違いました。
ちょっと文字で表現しづらいのですが、より高い音で「ギュリリリ…!」といった感じ。
ちなみに、クツワムシには「管巻(くだまき)」という別名があります。
管巻は「織機のよこ糸を巻きつけること」であり、この時に出る音が、クツワムシの鳴き声に似ていることが由来となっています。
織機が動いている動画を探して音を聞いてみたのですが、僕の感覚ではこちらの音の方がクツワムシの音に近かったです。
なお、このクツワムシの鳴き声は他のキリギリス類と比べてもかなり大きい。
結構離れていても「あ、クツワムシがいる!」と気付けるほどです。
大きな声で鳴くクツワムシ
この大きな声を聞いて、僕の中ではクツワムシの印象もビッグなイメージになりました笑
なお、他のキリギリス類は姿を見られると逃げてしまうものも多いですが、クツワムシは結構近付くまで鳴き続けるものが多い印象です。
もし大きな「ギュリリリ…!」という声が聞こえたら、その声の主をじっくりと探してみましょう。
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クツワムシが好む環境
クツワムシの食性は雑食性で、植物であればマメ科植物、特にクズを好むようです。
では、クズがある場所であれば見られるかとうと、そういうわけではなさそうで、特に街中ではクツワムシが減少しているようです。
街中でも意外と多様な秋の虫の声が聞こえるものですが、確かに僕も街中ではクツワムシの声を聞いた記憶はありません。
僕の印象では、クツワムシはある程度背丈の高い草が茂った環境を好むように感じます。
都市部では、そのようなまとまった草地がある環境が少なくなっているという証拠であるかもしれません。
少なくともクツワムシが見られる環境というのは希少な環境になりつつあるので、優しく彼らの生活を見守りたいものですね。
クツワムシと同じ分類に属する虫たち
クツワムシはバッタ目クツワムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[バッタ目]
直翅目(バッタ目)の昆虫まとめ|脚(あし)が強く発達した虫たち
▼
[クツワムシ科]
おわりに:クツワムシの暮らす環境を見守ろう!
記事でお話しした通り、街中ではクツワムシを観察するチャンスは少ないかもしれません。
でももし身近な場所でクツワムシの声が聞くことができるなら、そこには豊かな自然が残っている可能性があります。
クツワムシだけでなく他にも多様な生き物が観察できる環境かと思うので、ぜひ優しく素敵な生き物たちを観察してみてください!
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