あ、梅に緑色の小鳥がいるよ!
もしかして、この鳥はウグイス?
こんな疑問にお答えします。
春によく見られる緑色の鳥といえば、ウグイス!
…というわけではありません。
実は冒頭の写真の鳥はメジロです。
ウグイスとメジロはどちらも春に関連が深い2種であり、混同されがちな鳥たちでもあります。
というわけで今回はこの2種の比較をして、両者の違いを紹介していきたいと思います!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、「ウグイスとメジロの違い」について解説します。
ウグイスとメジロの外見
ウグイスとメジロは、混同されてよく間違われがちな鳥たちです。
両者はどちらも緑っぽく、同系色ではありますが、姿を並べて比較すると結構違います。
ウグイス
メジロ
姿としては、ウグイスの方が尾が長く、色味は茶色っぽくて地味な感じです。
一方メジロ(目白)は抹茶色をしており、名前の由来にもなっている「目の周りの白い部分」が特徴的です。
こう並べてみると、それほど姿が似ているわけではなさそうです。
では、なぜ両者は間違われがちなのでしょうか。
ウグイスとメジロが混同される理由
梅に鶯
ウグイスとメジロが混同される大きな理由に、「梅に鶯(うぐいす)」という言葉があります。
花札でも、「梅に鶯」の絵札がありますよね。
しかし実は、ウグイスが梅に止まることはほとんどなく、梅によく集まるのはメジロの方なのです。
というのも、メジロは花の蜜を吸う習性がありますが、ウグイスは花の蜜は吸わないからですね。
では「梅に鶯」とは何なのかというと、その言葉の意味はこちら。
梅に鶯とは、取り合わせのよい二つのもの、よく似合って調和する二つのもののたとえ。仲のよい間柄のたとえ。
引用元: 梅に鶯 - 故事ことわざ辞典
このように「梅に鶯」という言葉は梅によく止まっているかは関連しておらず、「よく似合う組み合わせ」という意味合いなのです。
鶯色
「鶯色(うぐいすいろ)」という言葉があります。
この言葉からは、どんな色をイメージしますか?
もし頭に浮かんだのが抹茶のような色だったとしたら、それは実は鶯色ではなく”メジロ色”です。
本当の鶯色は以下のような色。
■
引用元: 鶯色 (うぐいすいろ) の色見本 | 日本の色名 - color-sample.com
抹茶色よりももっと落ち着いた色合いなのですね。
ではなぜ鶯色と聞いて抹茶色をイメージしてしまうことがあるかというと、鶯色のイメージにブレがあるためです。
そのブレの例を挙げると、「鶯餅(うぐいすもち)」があります。
鶯餅を画像検索してみると、メジロ色のものも多数出てきて(抹茶が使われているものがある)、このような身近なものの表現も混同される原因かと思われます。
春の鳥
ウグイス、メジロともに"春に関連が深い鳥"であることも混同される理由になっていると思われます。
ウグイスは春になると「ホー、ホケキョ」と鳴き始めることから、「春告鳥」とも呼ばれる鳥です。
この鳴き声が美しく、ウグイスは「日本三鳴鳥」という、日本を代表する美しい鳴き声を持つ鳥三種に含まれている鳥です。
春に鳴くウグイス
ただ、ウグイスは基本的に藪の中を素早く動き回って生活するスタイルのため、じっくりと姿を見られる機会はあまりありません。
一方のメジロは、先述した通り花蜜を吸う習性があるため、春には梅や桜に集まり、姿を見る機会が多くなります。
梅にやってきたメジロ
そのため、
↓
春になると梅や桜でよく見かける鳥がいる(=メジロ)
↓
これがウグイスかな?
といった感じに、ウグイスとメジロは両方「春の鳥」であることも、混同される一因になっているかと思われます。
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ウグイスとメジロの見分け方
多くは今まで紹介してきた内容と重複しているものもありますが、ウグイスとメジロを見分けるポイントは以下になります。
①姿
抹茶よりも落ち着いた茶色っぽい色。
・メジロ
抹茶色。目の周りが白い。
②鳴き声
地鳴き「チャッ、チャッ」
さえずり「ホー、ホケキョ」
・メジロ
地鳴き「チー、チー」
さえずり「チュチュチュチーチーチー…!」
③生活スタイル
藪の中を動き回る
・メジロ
花の蜜や果実によく集まる
おわりに:ウグイスとメジロを観察してみよう!
ウグイスもメジロは両者とも、春を彩る素敵な鳥たちです。
鳥の観察は姿だけでなく、鳴き声や行動を対象にしても楽しめるので、出会えたらぜひ五感を使って観察して見てください!
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