赤い色の大きな蛾がいたよ!
この蛾は、どんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、ベニスズメ。
鮮やかな紅色の姿をした、美しい蛾です。
ベニスズメはスズメガの仲間であり、夜行性。
真っ暗闇の中を高速飛翔する紅色の姿は、実に"異世界感"があってインパクトのある光景なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ベニスズメの特徴と魅力を紹介します。
ベニスズメは紅色の美しいスズメガ
ベニスズメは「チョウ目スズメガ科」というグループに属する、蛾の仲間です。
「ベニスズメ=紅色のスズメガ」であり、名前の通り”鮮やかで美しい紅色”をした蛾です。
紅色の美しいベニスズメ
紅色というか濃いピンク色の、とっても美しい色をしていますよね!
僕が夜の雑木林で初めてベニスズメを見た時は、その不思議な姿に完全に目を奪われました。
だって、真っ暗闇の中に飛ぶ鮮やかな紅色の姿は、明らかに場違いな感じなのです。
でもその異様な組み合わせは、まるで"異世界感"があって、ドキドキワクワクした変な心地になりました。
この時の僕は「この不思議で美しい姿の蛾を、少しでも長く観察したい!」と、数分間一歩も動かず、ただその動きを追いました。
このように、ベニスズメは僕の中でかなり印象深い出会いだったので、今でも出会うと妙にワクワクした気持ちになります。
ちなみにベニスズメが属するスズメガの仲間は大型の体を持つ蛾たち。
なのでその大きさも、見た時のインパクトの大いに影響していると思います。
僕の愛用する図鑑「日本の昆虫1400」によると、ベニスズメの大きさは50〜80mmとあります。
アブラゼミが53〜60mmなので、アブラゼミと同等以上のサイズがあるのですね。
また実は赤いスズメガは他におらず、この美しい赤い色は、ベニスズメのユニークな特徴なのです!
ベニスズメは珍しい虫?
ところで、ベニスズメを実際に見たことのある人はあまり多くないと思います。
「こんなに派手で美しい蛾なんて、さも珍しい虫なのでは!?」と多くの人は思うかもしれません。
しかし、意外とベニスズメに出会う機会はあり、感覚値ですがそれほど個体数は少なくないように思います。
ではどういう場面でベニスズメに出会うかというと、「夜、樹液を吸いに来ている時」です。
樹液を吸うベニスズメ
スズメガの中でも樹液によく来る種とそうでない種がいるのですが、ベニスズメは前者です。
樹液に集まらない種は出会える場所が特定しづらいのですが、ベニスズメは樹液付近で出会える可能性が高く、比較的出会いやすいのです。
また、ベニスズメの幼虫の食草食草は、ツリフネソウやホウセンカ、オオマツヨイグサなどひらけた場所にある植物。
なので、森深い場所よりも林縁で見られることが多いです。
意外と身近な場所に、こんなに美しい昆虫が暮らしているなんて、ワクワクしますよね!
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ベニスズメの高速飛翔と観察チャンス
スズメガの仲間は飛翔力が高く、高速飛行する蛾たちです。
ベニスズメに出会う場面というのは基本的に暗闇であり、その姿を追うのも大変です。
例えばベニスズメを撮影しようなんて思った場合、移動中のベニスズメを撮影するのは、めちゃめちゃムズイ。
ところが、そんなベニスズメにも「観察しやすい瞬間」というのがあります。
今まで紹介している写真を見てお察しの方もいるかもしれませんが…それは「樹液を吸っている時」です。
樹液を吸っている時が観察のチャンス
ベニスズメは空中で静止(ホバリング)しながら樹液を吸うため、この瞬間こそがチャンスなのです。
このわずかなチャンスをものにし、じっくりとその美しい姿を見られた時は実に嬉しい気持ちに。
ただ1点気をつけたいのが、ホバリング中のベニスズメに近付いたりして驚かせてしまうと、その高速飛翔であっという間に逃げてしまいます。
もしベニススメがホバリングしている瞬間に出会えたら、優しく驚かさないように観察させてもらいましょう!
ベニスズメと同じ分類に属する虫たち
ベニスズメはチョウ目スズメガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[スズメガ科]
スズメガ科|「芋虫」の言葉の由来となった大型の蛾たち
おわりに:ベニススメを観察してみよう!
ベニススメは、思わず見とれてしまうほど美しい昆虫です。
基本的に夜でないと出会えないのでなかなか偶然に出会うことはないかもしれませんが、もし機会があったら、その美しい姿をじっくりと観察してみてください!
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