あ、黒とオレンジのふわふわしたガがいるよ!
このガは、どんな虫?
こんな疑問に答えます。
写真の虫は、ミノウスバ。
黒とオレンジの配色の、ふわふわした姿を持つガです。
その色味と姿から「エビフライ」という愛称で呼ばれたりすることもあるユニークな昆虫です。
また、ミノウスバの属するマダラガ科の幼虫は太短い姿のものが多いですが、ミノウスバの幼虫は特に寸胴でかわいらしい姿を持つのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ミノウスバの特徴と魅力を紹介します。
ミノウスバはエビフライと呼ばれる蛾
ミノウスバは「チョウ目マダラガ科」というグループに属する昆虫です。
マダラガ科の仲間はシックでオシャレな姿を持つものが多いグループですが、ミノウスバも透明でオシャレなはねを持ちます。
美しくもかわいらしいミノウスバ
また、ミノウスバの姿で特徴的なのが「ふわふわなオレンジ色の胴体」。
これらから、シックな美しさとかわいらしさが同居したような雰囲気があります。
ふわふわなオレンジ色の胴体が特徴的
ちなみに、一般的かどうかは分からないのですが、ミノウスバはこのオレンジ色の姿から「エビフライ」という愛称で呼ばれることもあります。
そう思って見てみると、確かにエビフライっぽく見えてきて、より愛着が湧いてしまうのです。
ミノウスバは晩秋に見られる蛾
ミノウスバの成虫は、晩秋に見られるガです。
10〜11月頃というこの時期には見られる虫も少なくなってくる季節なので、その姿と相まってミノウスバの印象に残りやすいです。
またマダラガの仲間は昼行性のものが多いですが、例に漏れずミノウスバも昼行性。
そのため、"昼間でも空を活発に飛び回っている姿"を観察することができます。
空飛ぶエビフライ
ガの仲間は夜行性のものが多く、活動している姿をなかなかゆっくりとは観察できないので、昼行性のミノウスバは観察しやすくてありがたいですね。
秋にはぜひ”空飛ぶエビフライ”に注目して見てください!
ミノウスバの幼虫
ミノウスバは「幼虫」にも注目したいところです。
マダラガの仲間の幼虫は太短い姿のものが多いのですが、ミノウスバは特に寸胴な姿をしていてかわいらしいのです。
ミノウスバの幼虫
ちなみにマダラガの仲間の幼虫は毒を持つものが多いのですが、このミノウスバの幼虫は無毒と言われています。(ただし、アレルギー持ちの方などはかぶれたりすることもあるかもしれません)
このかわいらしい姿の幼虫には、「春〜初夏」に出会えます。
マサキやマユミなどの樹木の葉を食べる(食草)ので、これらが多くある環境で出会いやすいです。
葉を食べて成長した幼虫は、初夏頃までにさなぎになり、そのまま夏を越して秋に羽化します。
幼虫が見られる時期と成虫が見られる時期の間に、半年くらいの期間があるのですね。
このように、昆虫は「幼虫と成虫の発生時期」が種ごとに大きく違う場合があるのも面白いです。
例えば秋に出会った成虫がいたとして、その幼虫が春に同じ場所で見かけた虫だったりすると、「あの幼虫の正体はこの虫だったのか!」と、なんだか感慨深い気持ちになるんですね。
このように幼虫と成虫の組み合わせを発見していくのも、「変態」という能力を持つ昆虫ならではの面白い観察の仕方だと思います!
ミノウスバと同じ分類に属する虫たち
ミノウスバはチョウ目マダラガ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[マダラガ科]
マダラガの種類と魅力|オシャレでシックなはねを持つ蛾たち
おわりに:ミノウスバを観察してみよう!
ミノウスバは、成虫も幼虫もユニークで魅力的な姿の虫です。
ミノウスバが食べるマユミなどは公園などにもよく植えられており、身近な場所で観察しやすい虫でもあります。
もしこれらの植物があるようであれば、ぜひミノウスバを探してみてください!
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