あ、顔に面白い模様があるカモがいるよ!
このカモってどんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の鳥は、トモエガモ。
トモエガモは、名前の通り「頭部に”巴模様”」を持つカモです。
このトモエガモは絶滅危惧種の上に警戒心が強く、なかなかじっくり観察するのは難しい。
しかしながら、顔の緑色は映えて美しく、出会えた時はとっても嬉しくなるカモなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、トモエガモの特徴と魅力を紹介します。
頭部に巴模様を持つ、トモエガモ
トモエガモは「カモ目カモ科」というグループに属する鳥です。
名前の通り、頭部に特徴的な”巴模様”を持つカモです。
頭部に巴模様を持つトモエガモ
その頭部の緑色も映えて、美しいカモですよね!
ちなみに、巴模様を持つのはオスのみ。
カモの仲間は、メスへのアピールのために繁殖期のオスのみが目立つ姿をし、メスは地味な姿をしているものが多いです。
トモエガモも同様に、メスはこちらのような地味な姿をしています。
トモエガモのメス
トモエガモのメスは、くちばしの近くに白い斑があるのが特徴的です。
カモの仲間は、このようなオスとメスの姿のギャップの観察も、見どころなのです!
トモエガモは観察の難しい絶滅危惧種
図鑑などでトモエガモの紹介を見ると、「日本海側に多い」と書かれていることがあります。
僕は関東に住んでいるので、トモエガモを観察する機会は少なく、憧れのカモの1種でした。
ちなみにトモエガモは20世紀後半から日本への飛来が減少してしまったようで、現在は環境省レッドリストで「絶滅危惧II類(VU)」に指定されています。
このように日本ではただでさえ個体数が少ない上に、トモエガモは警戒心が強い鳥。
なかなか近くで観察できるチャンスの少ない鳥です。
トモエガモは大きな池や湖沼のような環境にいますが、岸からはるか遠くにいることが多かったり、何かに隠れて丸見えになるような場所にはいないことが多いのです。
なので以下の写真のように、超望遠カメラを使ってギリギリ見えるような状態のことも。。
遠くの水面にいるトモエガモ
超望遠カメラを使ってこれなので、肉眼では全く見えません。
しかしその後、冬鳥のシーズンに北陸・中国地方などの日本海側で観察をしたのですが、確かに太平洋側よりもトモエガモに出会えるチャンスは多い。
警戒心が強いのは相変わらずですが、チャンスが多い分、たまにまともに観察できる距離で見られることもあるのです。
トモエガモを観察するなら、日本海側に遠征してみるのも、オススメです!
▼僕が愛用しているカメラはこちら▼
トモエガモの個体数が回復?
先ほど紹介した通り、トモエガモは絶滅危惧種の鳥です。
ところが、以下のバードリサーチニュースによると、嬉しいことにトモエガモの個体数に回復の兆しがあるようです。
この記事によると2010年台から大群が見つかるようになってきたようで、関東にある千葉県の印旛沼でも、”数千羽のトモエガモ”が飛来しています。
僕も実際に印旛沼でトモエガモを観察したことがあります。(印旛沼は広大な沼なので、距離は遠くなってしまいますが)
ただ、個体数が回復している理由はよく分かっていないようで、海外の環境の変化が関係しているかも、とのこと。
というのも、渡り鳥の生態の影響を調べたり、保全するのは難しいのです。
以前クロツラヘラサギの紹介でも触れましたが、渡り鳥の場合は1地点だけでなく繁殖地・越冬地・中継地が影響します。
そのため海外との連携や協力関係が必要で、そのような鳥の保全活動をされている方達には頭が下がるばかりなのです。
このトモエガモが増えている件も、各地で環境改善がされているのなら非常に良いことであり、調査が進んで他のいきものたちの保全に活かされたりしたら嬉しいですね!
トモエガモと同じ分類に属する鳥たち
トモエガモはカモ目カモ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[カモ目]
カモ目の野鳥まとめ|水上生活に適応した美しい水鳥たち
▼
[カモ科]
鴨(カモ)の種類と魅力|カモは地味な野鳥ではない!実は個性的で面白い姿を持つ
おわりに:トモエガモを観察してみよう!
トモエガモは、頭部に巴模様を持つ美しいカモ。
警戒心の強いカモですが、そのユニークな姿を見られた時はとっても嬉しいです。
大群が飛来する場所以外にも、他のカモにトモエガモが混ざっていることもあるので、ぜひ探してみてください!
野鳥撮影を体験できるゲームアプリも配信中!こちらもぜひ、遊んでみてください↓
■ 鳥マスター!
かわいい鳥たちが登場する、野鳥撮影が体験できるゲーム。
他の鳥の紹介、鳥ゲーム・アプリ、野鳥観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓